AEW:Best of AEW TV Matches 2021 part.5の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | MJF vs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 6/30/21) IWGP US王座戦、テキサス・デス・マッチ:ジョン・モクスリー(ch)vs.ランス・アーチャー(Dynamite Fyter Fest Night Two 7/21/21) |
@MJF vs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 6/30/21)
両者アピール力を見せつつも
次の一手で軽妙なレスリングの攻防も見せて
アクション面でも上質なものが見られそうな予感に期待感が高まります。
大技を早い段階で織り込みつつも
リング環境をうまく使って
攻守の切り替えを上手く行っていますね。
スプリング・ボードのカウンターでのライガー・ボムや
フェンス越えのビッグ・ダイブ、雪崩式ツームストンなど
PPVの抗争決着戦レベルの超大技が連発。
これも上記と同じく技のレベルだけで勝負しておらず、
複合的な要素を織り交ぜて仕上げていたのには感心しました。
MJFに比べてゲヴァラが攻防をしていない場面での仕草・表現に物足りなさがあるし、
ここまで四天王プロレス的究極のぶつかり合いをしていて
最後がセコンド乱入というのはやや興醒めではありますが、
両者のキャリア・ベストであることは間違いありません。
文句なしに好勝負。
Aコフィン・マッチ:ダービー・アレンvs.イーサン・ペイジ(Dynamite Fyter Fest Night One 7/14/21)
開始直後から派手なスポットを繰り出し、
そこにコフィンにスカイが潜んでいて襲撃、スティングも登場、と演出を追加。
レスラーと団体の演出が両方整っている試合は心地よいですね。
CM中で小さい画面になってもアクションは激しく、
入場ゲート上ダイブまで放っていて手抜きなし。
リングに戻っても凶器のセンスが良かったですね。
アレンのハードコアっぷりとペイジの確かな技能が光りました。
好勝負に少し届かず。
BIWGP US王座戦、テキサス・デス・マッチ:ジョン・モクスリー(ch)vs.ランス・アーチャー(Dynamite Fyter Fest Night Two 7/21/21)
新日本プロレスでの2020年WKのリマッチ。
試合形式もテキサス・デス・マッチで合わせて来る所がにくいですね。
ただ同じ形式といってもこの形式は間違いなく日本よりもやりやすい。
フォークで流血させ、有刺鉄線ボードを持ち出す等
デス・マッチ・テイストを織り込んで演出できるし、
観客を上手く巻き込んで血の気の多い試合に仕上げています。
ハードコアによってアーチャーの怪物っぷりもスケール・アップされ、
フィニッシュの爽快感は素晴らしかったですね。
そして凶器による盛り上げも前面に出ていますが、
テキサス・デス・マッチ・ルールを活かしての
お前なんかに負けを認めない、と牙をむいたぶつかり合いが何より熱かった。
ぎりぎり好勝負です。
Cイリミネーション・マッチ:ジ・エリート(ケニー・オメガ、ドク・ギャローズ、カール・アンダーソン、ヤング・バックス)vs.アダム・ペイジ、ダーク・オーダー(アレックス・レイノルズ、イヴィル・ウノ、ジョン・シルヴァー、スチュ・グレイソン)(Dynamite Fight for the Fallen 7/28/21)
両者軍団としてしっかりまとまっているが故に
最初の脱落は5分以内の中に収めず、
せめて10分は全員で戦って欲しかったですね。
流れは出来ているものの簡易化されている感は否めません。
スター・パワーではエリートに分がありますが、
ダーク・オーダーはリー追悼以来高めの扱いを受けていて
それに見合うレスラーであることを彼ら自身がこの試合でも証明しています。
特にシルヴァーのパワフルな活躍は特筆すべきものがありました。
バックスは相変わらず鉄板で、
万全の態勢で終盤はペイジvs.オメガ、バックス。
ホットなオメガvs.ペイジに1対3の演出も加われば盛り上がりますね。
通常放送ということで各所抑えめな所はありましたが、華やかな一戦でしたね。
好勝負に少し届かず。
Dノー・ルールズ:クリス・ジェリコvs.ニック・ゲイジ(Dynamite Fight for the Fallen 7/28/21)
誰も想像しなかったリングで誰も想像しなかったカード。
夢のカードとしてすら挙がってこないでしょう。
試合は序盤やや低めの入り。
ゲイジがGCWとは勝手が違って"神"ではないですし、
ジェリコ含めてアスリートとしてのコンディションは下り坂ですからね。
それでもこんな試合を組んで、通常の攻防だけで進める訳もなく
形式通り凶器が出て来て、それはハードコアではなくデス・マッチ・テイスト。
ピザ・カッターでジェリコの額を刻む際の
両者の役者っぷりは名場面の一つでしょう。
印象度はピカイチながら試合としては
こういう展開で行こうと事前打ち合わせをした段階からの発展性に欠け、
評価としては平均的な良試合、が適正か。
(執筆日:8/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@MJF vs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 6/30/21)Aコフィン・マッチ:ダービー・アレンvs.イーサン・ペイジ(Dynamite Fyter Fest Night One 7/14/21)
BIWGP US王座戦、テキサス・デス・マッチ:ジョン・モクスリー(ch)vs.ランス・アーチャー(新チャンピオン!)(Dynamite Fyter Fest Night Two 7/21/21)
Cイリミネーション・マッチ:ジ・エリート(ケニー・オメガ、ドク・ギャローズ、カール・アンダーソン、ヤング・バックス)vs.アダム・ペイジ、ダーク・オーダー(アレックス・レイノルズ、イヴィル・ウノ、ジョン・シルヴァー、スチュ・グレイソン)(Dynamite Fight for the Fallen 7/28/21)
Dノー・ルールズ:クリス・ジェリコvs.ニック・ゲイジ(Dynamite Fight for the Fallen 7/28/21)