AEW:Best of AEW TV Matches 2021 part.10の分析
| 名勝負 | AEW世界王座戦：アダム・ペイジ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン(Dynamite Winter is Coming 12/15/21) |
| 好勝負 | CMパンク、ダービー・アレン、スティングvs.MJF、FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)(Dynamite 12/22/21) |
①AEW世界王座戦：アダム・ペイジ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン(Dynamite Winter is Coming 12/15/21)
ダニエルソンは止まるところを知らず。
お前との試合なんて準備運動だ、と挑発して
相手に思わぬ切り返しを受けて驚く、という身振りの表現。
その感情がプロレスの技に紐づいている。
無く技の見え方、性質にも精通しているからこその匠の技です。
ペイジはピープルズ・チャンプとして
適切なムーブをポイントで配置し、リズムをつけます。
この神がかった相手にテンポを早めすぎると
矮小化して飲み込まれる所ですが、しっかりと踏みどまっていました。
相手との関係、感情表現をやり取りしつつ
アクションの空間構成にも気を払ってマルチ・タスクを
最高のパフォーマンスでこなし続けます。
20分経過。
攻防を巧みに操りながらブライアンがペイジの体力を削っていきます。
コーナー上のペイジをエプロンに突き落とし、鉄柱にぶつけます。
20分経過後からの10分間で一気に終盤レベルに重みを増していく一方で、
ペイジの流血からブライアンが改めて余裕っぷりを見せて中盤モードに戻す、という
荒業を難なくこなして自由自在に試合を操ります。
30分経過。
ブライアンがエプロンからニーを叩き込むと
再びギアを入れ苛烈な攻めを見せます。
といってもここでもまだ勝敗を巡る攻防からは
一歩引いたレベルなんですよね。
直接的に勝敗を持ち出さずとも惹きつけるのが半端ないですね。
ペイジはブライアンの蹴りをかわして鉄柱に誤爆させると
適切に脚攻めで距離を詰めていきます。
脚攻めを受けたブライアンの足の使い方。
脚を責められて動きが止まるとき以外も
細かく脚に気を使う素振りを入れたりと深いですね。
40分経過。
強烈な技の一発一発が見応えある上に、
テーブルへの自爆などブックの演出も加わり、
ぐっとドラマ性が高まります。
ここでも、またもう一度ニア・フォールの見せ場から離れているのが圧巻。
50分経過。
ふらふらになりながら精力を尽くした一撃の数々。
それぞれ時間との戦いも加わり見応えがありましたね。
特にペイジは引き分けでは不十分で、
勝利しないといけない身の上というのも大きかったですね。
一部改善の余地がわずかにありますが、
数ある60分時間切れの中でも3本指に入るマスターピース。
文句なしに名勝負です。
②CMパンク、ダービー・アレン、スティングvs.MJF、FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)(Dynamite 12/22/21)
パンクとスティングがタッグを組む日が来るなんてね。
パンクはクロウ前のスティングのペイントで登場。
FTRの高速で頭脳を働かせて行う最先端タッグ。
これにはパンクも追いついていくので精一杯ですが、
FTRは押し付けるレスラーではないので良い塩梅に。
パンクに対してヘタレっぷりを見せるMJFに
FTRも同調して上手く調整を利かせています。
アレンは相変わらずレジェンドとの相性は良くやくまわりを貫徹。
ロング・マッチにする中で得意分野のみでの関与とはいきませんが、
問題なく行って素晴らしい試合としました。
ぎりぎり好勝負。
③ストリート・ファイト：ザ・バニー、ペネロペ・フォードvs.タイ・コンティ、アナ・ジェイ(Rampage New Year's Smash 12/31/21)
ごみ箱、椅子を常用し、開始早々に場外テーブルに寝かせてムーンサルトというスポット。
バニーが半面真っ赤になる程の流血を見せますが、
テンション落とさずむしろ陶酔した表情で魅了します。
他の3人も緩い試合運びは見せずハードコアな戦いに没入。
画鋲まで出て来た上に、画鋲へのスーパープレックスで〆られる所を
更に見せ場を用意して度肝を抜いてきました。
クレイジーな一戦でした。
好勝負に少し届かず。
(執筆日：12/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
①AEW世界王座戦：アダム・ペイジ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン(60分時間切れ)(Dynamite Winter is Coming 12/15/21)②CMパンク、ダービー・アレン、スティングvs.MJF、FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)(Dynamite 12/22/21)
③ストリート・ファイト：ザ・バニー、ペネロペ・フォードvs.タイ・コンティ、アナ・ジェイ(Rampage New Year's Smash 12/31/21)