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AEW:Best of AEW TV Matches 2019の分析


名勝負 なし
好勝負 アンサンクションド・マッチ:ケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネラ(Dark 10/15/19)

タッグ王座トーナメント準決勝:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)vs.プライベート・パーティ(Dynamite 10/23/19)

@コーディvs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 10/2/19)
 記念すべき初回TV放送のオープナー。
 体格差を適切にコーディは表現しつつ
 スタイル・クラッシュに仕立てています。

 張り手、滞空式ブレーン・バスターといった技から技以外のアピールまで
 トータルのストーリー・テリングが素晴らしく、
 コーディは今や安心して任せられるトップ・スターになりました。

 後半もゲヴァラの反撃を簡単には成功させず、
 そこまでに至る過程を緻密に描いて盛り上げました。

 一方でゲヴァラの魅力が十分に伝わったかというと少し物足りない。
 まだまだ動いて何ぼの領域を抜け出ていないかな、という印象です。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

Aダービー・アレンvs.CIMA(Dark 10/8/19)
 CIMAが立ち上がる前のダービーを襲撃するも
 ダービーが反撃しトペ3連発。
 的確な攻めで動きを止め自分のペースに引き込むCIMA。
 両者の良さが出ていますね。

 CIMAは脚攻めをしっかりセルして一要素に織り込んだり、
 両手を後ろに回してダービーにチョップを打たせようとしたり、と
 この試合時間ならそこまでしなくても十分成立させられるのに
 意欲的に試合の領域を広げていきました。

 盛り上がりの良い内容でしたが、とても貴重なカード。
 しかもダービーがCIMAに対して勝利するというのなら
 本来もっと価値を作ってしかるべきで7分という時間設定は余りに短い。

 平均的な良試合。

Bタッグ王座トーナメント:プライベート・パーティvs.ヤング・バックス(Dynamite 10/9/19)
 鏡合わせではない形でハイ・フライを行う中で、
 PPが堂々と彼らの魅力を振舞っています。
 以前のやり取りに比べTVスター然していますね。

 アイザイアが花道へのパワー・ボムを食らいKO。
 クインが一人で奮闘する孤立シーンは上質ですが、
 上記スポット考えればより緊張感、ドラマを感じさせれても良かった。

 終盤も良好な鬩ぎあい。
 NXTと同時間帯放送という状況によって
 双方に意識の高い試合が生まれている印象ですね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:10/?/19)

Cハングマン・ペイジ、ケニー・オメガvs.Pac、ジョン・モクスリー(Dynamite 10/16/19)
 オメガが不意に殴りかかり乱戦。
 乱戦の荒々しさという点ではモクスリーが飛び切りですね。

 ペイジがコーナー上から突き落とされエプロンに背中から落ちる
 強烈なバンプを披露し孤立シーン。
 Pac、モクスリーの煽りは鉄板ですね。
 PacはWWE離脱後シングルが目立ちましたが、
 タッグも良い仕事しています。

 連続ダイブから延期になったオメガとモクスリーのシングル対決で盛り上げます。
 ただヒートしてモクスリーが有刺鉄線付き箒を取り出したところから
 Pacと仲間割れしてモクスリーが試合放棄というエンディングなので
 最後は小さくまとまってしまいましたね。

 好勝負に少し届かず。

Dアンサンクションド・マッチ:ケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネラ(Dark 10/15/19)
 初回放送も豪華なカードながら試合時間が短く、
 Darkはおまけ程度になってしまうのかと思いきや、やってくれましたね。

 椅子を初っ端から取り出しながら
 凶器以上に過激なプロレス技も繰り出します。
 オメガの得意なプロレスの形ですが、
 ジャネラが受身によって柔軟に調整しているのも見逃せない所です。

 鉄階段上からのジャーマンやラダーも加わり
 出し惜しみしないアンサンクションド・マッチになっています。
 オメガのやりすぎは欠点もありますが、
 それを含めても尚見応えのある素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。

Eタッグ王座トーナメント準決勝:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)vs.プライベート・パーティ(Dynamite 10/23/19)
 PPのスケール感あるハイ・フライで大きな盛り上がり。
 LBはお先にどうぞと任せつつ
 絵作りが凄くて一気に持っていきます。
 コーナー上から背中へのダブル・ストンプ、
 肩車させた相手への打ち上げドロップ・キック、は素晴らしかったですね。

 LBは活躍し過ぎて時々マンネリを感じるけれども
 この試合はまったく感じさせず凄さを再認識させました。

 PP躍動感任せで細部は粗いものの、
 熱狂に水を差すほどではなく最後まで自分達のやれることを実行。
 タッグ・ワークの交錯で
 思わず声をあげてしまうような動きの連発で圧巻の試合でしたね。

 文句なしに好勝負。

Fタッグ・トーナメント決勝:SCU(カザリアン、スコーピオ・スカイ)(初代チャンピオン!)vs.ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(Dynamite 10/30/19)
 LBが軽やかな連携でまず主導権を握り、
 ロープ渡っての蹴り等華のあるムーブで盛り上げます。

 ただ試合冒頭4人で殴り合うならゴングを待たずに殴り合った方が良かったし、
 攻防逆転するスポットもリアリスティックに欠けて
 決勝としての舞台感は少ない。

 テンポ感の調律はできているように
 チーム間の意思疎通は問題なし。
 定番スポットを効率的に組み合わせて盛り上げます。
 テーブル葬を絡めた展開からフィニッシュ。

 ただそれを除けば決勝らしさはなく、
 トータルでは良かったもののフックに欠け、
 その点で言えば準決勝で敗退したPPの試合の方が良かったですね。

 中々良い試合。
 (執筆日:11/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@コーディvs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 10/2/19)
Aダービー・アレンvs.CIMA(Dark 10/8/19)
Bタッグ王座トーナメント:プライベート・パーティvs.ヤング・バックス(Dynamite 10/9/19)
Cハングマン・ペイジ、ケニー・オメガvs.Pac、ジョン・モクスリー(Dynamite 10/16/19)
Dアンサンクションド・マッチ:ケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネラ(Dark 10/15/19)
Eタッグ王座トーナメント準決勝:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)vs.プライベート・パーティ(Dynamite 10/23/19)
Fタッグ・トーナメント決勝:SCU(カザリアン、スコーピオ・スカイ)(初代チャンピオン!)vs.ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(Dynamite 10/30/19)