AEW:Forbidden Door 6/25/23の分析
名勝負 | IWGP USヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.ウィル・オスプレイ(Forbidden Door 6/25/23) |
好勝負 | インターナショナル王座戦:オレンジ・キャシディー(ch)vs.ダニエル・ガルシアvs.ザック・セイバーJr.vs.柴田勝頼(Forbidden Door 6/25/23) ザ・エリート(アダム・ペイジ、ヤング・バックス)、エディ・キングストン、石井智宏vs.ブラックプール・コンバット・クラブ(クラウディオ・キャスタニョーリ、ジョン・モクスリー、ウィーラーYUTA)、竹下幸之助、海野翔太(Forbidden Door 6/25/23) オカダ・カズチカvs.ブライアン・ダニエルソン(Forbidden Door 6/25/23) |
@インターナショナル王座戦:オレンジ・キャシディー(ch)vs.ダニエル・ガルシアvs.ザック・セイバーJr.vs.柴田勝頼(Forbidden Door 6/25/23)
4ウェイーウィの数珠を有機的な形で実現。
それぞれ個性が生きていますが、
特にガルシアのノリノリっぷりが際立っていますね。
今のままだとトップになれないキャラですが、
そこに至るまでのステップとしてこのキャラでここまで躍動していればありでしょう。
本当に共演という表現がふさわしい攻防で
ブッカー冥利に尽きる内容でした。
ぎりぎり好勝負。
Aザ・エリート(アダム・ペイジ、ヤング・バックス)、エディ・キングストン、石井智宏vs.ブラックプール・コンバット・クラブ(クラウディオ・キャスタニョーリ、ジョン・モクスリー、ウィーラーYUTA)、竹下幸之助、海野翔太(Forbidden Door 6/25/23)
竹下と石井のゴツゴツした打撃戦にバックスの連携技、
キングストンとモクスリーのチョップ合戦など
お祭りなんだけどシリアス感も失っていないですね。
今後のストーリーを見据えて各レスラー見せ場は濃淡ありましたが、
海野と竹下が良い連携技を見せる等
今後関係なしの良質なレア・シーンもありました。
バックボーン異なるものが集まりつつも齟齬なく素晴らしい試合に仕上がっています。
ぎりぎり好勝負。
BIWGP USヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.ウィル・オスプレイ(Forbidden Door 6/25/23)
現代プロレスの最高峰カードのリマッチということで
始まる前から観客が先に最高潮の盛り上がりを見せています。
基本のレスリングでクール・ダウンさせて観客と一致させた上で、
適切に技を織り交ぜて乗せ、キャリスの追放シーン。
オスプレイが主導権を握る展開から
それぞれ鋭い動きで後半に向けた初手とはいえ見応えのある動きを繰り広げます。
ロープに干したSSPから続けてエプロンでのオス・カッターを決める等
強烈にスポットの力活かしつつ
その後の余韻の処理、ライバリティへの落とし込みまでフォローは完璧。
オスプレイの憎しみの表現、オメガの顔面を実況席のカバーに叩きつけていく仕草は怖さがありましたね。
表現に加えて流血までしてドラマチックの極み。
容赦ないハードヒットが変わらず続きます。
そしてまた、オスプレイはただでさえアピール力が素晴らしい上に
カナダ国旗を使って直接的な侮辱までして反則級の盛り上がり。
相手に合わせる為にレベルを落とすことも必要なく、
相手の求める高みでロスなくやり返しあって試合が高まっていきます。
過激なスポットを経ても2人の戦いという前提を崩さず、
アクションはあくまでその延長上にあってスポットが一人歩きしていません。
当代切っての2人が最高の状態で交わっている中、キャリスが戻ってきます。
嫌な予感もある中で、それで終わらせない明確な意思表示と共にクライマックス突入。
できえる全てが入っていながら過剰ではない最高の攻防で、
これは、歴史的な名勝負、以外の評価はないですね。
今年のMOTYです。
Cオカダ・カズチカvs.ブライアン・ダニエルソン(Forbidden Door 6/25/23)
ドリームマッチの実現。
一つ一つに大きな反応が起きるので序盤はじっくりブライアンが魅せる形でスロー・スタート。
オカダは身体能力を感じさせる鋭い一撃を
適切なタイミングで織り込み2人で強固な礎を築きます。
ハードな要素を入れて試合が加速。
いつもの構築論よりも少し感情的に乗った選択で試合を運んでいますね。
中腹で試合から独立させるくらいのアッパーカートの打ち合い。
演者も観客も試合に入り込んでいて
ドラマチックなシーンと戦いとしての攻防のキーとなるそれを織り混ぜ望むべきものを提供しています。
しかし興にのってきたところでブライアンが右腕骨折というアクシデント。
その後結果的に試合を続行させますが、
右腕が使えないブライアンはかなり制約があり、消去法の攻防作りでした。
それでも消去法でも正解のラインには乗せてくるところは脱帽というしかありません。
フィニッシャーもシチュエーションを踏まえてあの執念の形に持って行く才覚には恐れ入ります。
メインとして十分な出来ですが、
アクシデントでクオリティを落としてしまったのも事実なので、
AEWでなくてもどこかでリマッチを組まれることを期待したいですね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:9/?/23)
Rating:★★★★★