TOPアメリカン・プロレスAEW 2022年 →AEW:Full Gear 11/19/22

AEW:Full Gear 11/19/22の分析


名勝負 トリオス王座戦、7番勝負第1戦:デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.ザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)
好勝負 ケージ・マッチ:ジャック・ペリーvs.ルチャサウルス

ROH王座戦:クリス・ジェリコ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソンvs.クラウディオ・キャスタニョーリvs.サミー・ゲヴァラ

@プレ・ショー:秋山準vs.エディ・キングストン
 チョップとエルボーの打ち合い。

 キングストンは憧れの相手に対して
 いつも以上に情感迸しっていますね。

 もっとも秋山の方のコンディションは心もとないですが、
 試合の形を作る能力は歴戦のそれで間違いがありません。

 ベースをしっかりさせた上で
 キングストンが特別な場面を上乗せ。
 キングストン色の強いの試合でしたね。

 中々良い試合。

@ケージ・マッチ:ジャック・ペリーvs.ルチャサウルス
 ケージ攻撃を頂点とした序盤の攻防。
 流血を終点としてまとめましたが、
 少し大味になりそうな気配もありました。

 しかしクリスチャンが鍵をこっそり盗んで開錠する展開から
 ケージ外にも出て展開に幅を広げたことで予防。
 ペリーが痛めつけられるシーンでグッと引き込みましたね。

 ただ元パートナー対決で特別とはいえ
 小柄なペリーが気合いで耐えるシーンを乱発したのは個人的に頂けない。

 最後はケージ上からダイビング・エルボーで
 オープニングに留まらない派手な内容に仕上げました。

 ぎりぎり好勝負。

Aトリオス王座戦、7番勝負第1戦:デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.ザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)
 CMパンクとの騒動からトリオス王座も剥奪された
 エリートですが、ここで一息、仕切り直しを図ります。

 ケチがついたエリートですが
 初っ端から見せた様式美とユニークさ溢れる動きに
 これはエリートにしかできないと思わせれましたね。

 序盤の締めにスーパー・キック・パーティも良く、
 ただのアクションの密度ではなく構成の面白さを付け加えています。

 戦局の流れ合わせに関しては生の感覚だけでなく経験値にも少し頼っていましたが問題なし。

 オメガは休場前のコンディションに戻ることはないのでしょうが、
 それでも今回の騒動で休んだのはコンディションを整える上では良かったかもしれませんね。

 Pacとの一騎打ちも交えながらトリオの最高峰の攻防で魅了。
 
 最後はこの数え歌の中で
 ストーリーを作ろうとしているトンカチ絡めた仲間割れストーリー・ラインからフィニッシュ。
 最後こそストーリーを動かす為のフィニッシュでしたが、
 内容自体はいきなりこの数え歌の最高レベルが生まれたのでは、と思うレベルでしたね。

 ぎりぎり名勝負。

BROH王座戦:クリス・ジェリコ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソンvs.クラウディオ・キャスタニョーリvs.サミー・ゲヴァラ
 クラウディオとブライアンは連携しながらも
 邪魔者を排除すれば2人で戦うスタンス。

 一方のジェリコとサミーは連帯感強いものの
 程よいタイミングで仲間割れに転じます。

 ベテランのジェリコが入っていますが
 4ウェイということ差し引いても
 ここまでハード・ヒットな内容になるとは!?と驚くほど見応えがあります。

 四人の関係性に忠実に外さない試合展開も評価高いですね。

 サミのエルボー連打をブライアンがノー・セルで起き上がる
 盛り上がるシーンからクライマックスへ突入。

 鉄板のブライアンvs.クラウディオで〆るのかなと思いきや
 もう一広がり伸ばしてスケールを膨らませたのは見事。
 キャリアで劣るサミーのアピール力も光っていました。

 ぎりぎり好勝負。

C女性王座戦:トニー・ストーム(ch)vs.ジェイミー・ヘイター
 トニーは王者としての振る舞い。

 ジェイミーはそれに気圧されず
 次のスターとして堂々とした振る舞いで応じます。

 試合は飛び切りとまではいわないものの
 しっかり広がりを持たせていて評価はできますね。

 ただジェイミーはこれから王者としてやっていく目線で見ると
 試合運びの中で試合を次のステージに押し上げる力に物足りなさを感じます。

 この試合は人気者ジェイミーの戴冠に向けて
 これでもかというくらいニア・フォール演出があり、
 トニーが良い不死身っぷりを見せたので盛り上がりましたが、
 自分が王者になる次からは試練ですね。

 中々良い試合。

DAEW世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.MJF
 モクスリーはラフ殺法でMJFはアメプロ。
 
 MJFはヒールのムーブを使いつつも人気爆発中の背景を活かします。
 モクスリーはラフさからヒールっぽさも出して逆転現象を起こしていますね。

 雰囲気から入った形ですが、
 MJFロジックでちゃんと理解していることが分かるアレンジメントでしたね。

 モクスリーがエプロンでMJFにツームストンを決めるも脚を痛めてしまいます。
 この展開はちょっと唐突。
 MJFプッシュの読める展開もある中で
 もう少し興味を惹きつけたかった感があります。

 最後はレフェリー気絶を絡めてリーガルがMJFにつくサプライズ・フィニッシュ。
 次代を担うMJFの王座戴冠劇としては
 クオリティが今一つのらず、数少ない心配は残りましたが、
 このサプライズにより今後のストーリーは楽しみになりましたね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

 (執筆日:9/?/22)

Rating:★★★★☆