AEW:Full Gear 11/13/21の分析
名勝負 | AEW世界王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.アダム・ペイジ |
好勝負 | MJF vs.ダービー・アレン フォールズ・カウント・エニウェア:クリスチャン・ケイジ、ジュラシック・エクスプレスvs.アダム・コール、ヤング・バックス CMパンクvs.エディ・キングストン |
①ヒカル・シダ、サンダー・ローザvs.ジェイミー・ヘイター、ナイラ・ローズ
①MJF vs.ダービー・アレン
アクション自体は軽快で見栄え良いものの
決してオンリー・ワンではありません。
重要なことはそれを感情とともにアクションをチェーンさせているということで
その点でフェイス/ヒールの攻防として満点を与えることが出来ます。
アレンの弾丸トペ、子フィン・ドロップ自爆を経てMJFの腰攻め。
こじんまりとさせない動きの広げ方、スケール・アップのさせ方良いですね。
転じてアレンの脚攻め。
MJFは脚の痛みを受けでも攻めでも
両方において上手くコントロールして攻防に結び付けています。
丸め込み合いから最初のレスリングの動きに戻したりと自在に攻防を操ります。
最後は古典的演出で幕閉じ。
オープニングとして温めながら
ショーをスティールし得る程に完成度の高い、実にお見事な内容でした。
文句なしに好勝負。
②タッグ王座戦:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.FTR(ダックス・ハーウッド、キャッシュ・ウィーラー)
③AEW世界王座イリミネーター・トーナメント決勝:ダニエル・ブライアンvs.ミロ
④フォールズ・カウント・エニウェア:クリスチャン・ケイジ、ジュラシック・エクスプレス(ジャングル・ボーイ、ルチャサウルス)vs.アダム・コール、ヤング・バックス
Jボーイとバックスの華やかで高度な演舞。
バックスは鉄板ですが、Jボーイの目覚ましい活躍には改めて目を見張ります。
もうすっかりスター然としていますね。
ルチャサウルスのダイナミックさ、コールの協調性も光りました。
コールの流血、テーブル、入場ゲート上ダイブと見所は多く、
ハードコアで盛り上げていきました。
上記の通り、クリスチャンがスキル的には見劣りしていましたが、
最後コンチェアトをJボーイに譲る、というシーンは
Jボーイの今後につながるストーリー上のターニング・ポイントになるかもしれず、
そういう意味ではクリスチャンがいたからこそ最後この試合の意義がもう一段、二段あがりました。
ぎりぎり好勝負。
⑤コーディ・ローデス、Pac vs.アンドレード・エル・イドロ、マラカイ・ブラック
⑥女性王座戦:ドクター・ブリット・ベイカーDMD(ch)vs.タイ・コンティ
⑦CMパンクvs.エディ・キングストン
キングストンが不意打ちでバック・フィストを叩きこむと笑い飛ばします。
パンクも感情の表出をコントロール。
遺恨戦として雰囲気感の維持は何より、
感情に基づいたアクションとして実に優れています。
エプロン、場外と試合構成も間違いなくてパンクの良さが出ている一方で、
キングストンの強みの部分も凄く押し出され溶け込んでいます。
パンクが流血するアクシデントが起こり、ギアが切り替わった中で、
そこで敢えて動きを止めて会場を見渡すパンクの度胸、センスには恐れ入りましたね。
試合時間は決して長くないが濃密なドラマを堪能しました。
文句なしに好勝負。
⑧ストリート・ファイト:インナー・サークル(クリス・ジェリコ、ジェイク・ヘイガー、オーティズ、サンタナ、サミー・ゲヴァラ)vs.アンドレイ・アリヴォスキー、ダン・ランバート、ジュニア・ドス・サントス、イーサン・ペイジ、スコーピオ・スカイ
⑨AEW世界王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.アダム・ペイジ
カウボーイ・ギミックなんてWWEであれば表面的に先行して
ペイジはミッドカードをウロチョロしながらそのままフェード・アウトする所でしょう。
それを本質的なカウボーイの精神として表現し、
ここまでの何度もの挫折を経ての道のりを、丁寧に時間をかけて
このビッグ・マッチに繋げて見せた、というのは
まず試合について語る前にAEWに最高の賛辞を与えたい所です。
試合はまずオメガがヒール・ワーク。
セカンドのドン・キャリスを目立たせて、
ポイントで自分の存在感を消しにいっていますね。
このメリハリのつけ方は見事です。
オメガのヒールとしての緩さに対して
ペイジが気性の激しさを入れ込んでいきます。
綺麗にギアを上げていきますね。
トップ・ロープに立ったペイジに
オメガがサンセット・フリップ・パワー・ボムを放つなど
オメガの過激なスタイルが火を吹く中で
ペイジも雪崩式フォール・アウェイ・スラムを決める等応戦。
オメガがIWGP王座戦で見せてきたような激戦が展開されましたね。
流血に実況席破壊、と演出も十分。
クライマックスの変転も申し分ありません。
バックスが最後現れて応援しに来たのか邪魔しに来たのか、と想像を掻き立てる中で、
ペイジのフィニッシュの前に視線を交わしてストーリーを語る雄弁さもまたお見事。
運命に応えなければならない中で、
少し規定されすぎた嫌いはあるものの間違いなく激戦です。
AEWの歴史に残る一ページです。
試合後はダーク・オーダーが祝福に現れハッピー・エンド。
ぎりぎり名勝負です。
(執筆日:11/?/21)
Rating:★★★★★
注目試合の詳細
なし試合結果
①ヒカル・シダ、サンダー・ローザvs.ジェイミー・ヘイター、ナイラ・ローズ①MJF vs.ダービー・アレン
②タッグ王座戦:ルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)vs.FTR(ダックス・ハーウッド、キャッシュ・ウィーラー)
③AEW世界王座イリミネーター・トーナメント決勝:ダニエル・ブライアンvs.ミロ
④フォールズ・カウント・エニウェア:クリスチャン・ケイジ、ジュラシック・エクスプレス(ジャングル・ボーイ、ルチャサウルス)vs.アダム・コール、ヤング・バックス
⑤コーディ・ローデス、Pac vs.アンドレード・エル・イドロ、マラカイ・ブラック
⑥女性王座戦:ドクター・ブリット・ベイカーDMD(ch)vs.タイ・コンティ
⑦CMパンクvs.エディ・キングストン
⑧ストリート・ファイト:インナー・サークル(クリス・ジェリコ、ジェイク・ヘイガー、オーティズ、サンタナ、サミー・ゲヴァラ)vs.アンドレイ・アリヴォスキー、ダン・ランバート、ジュニア・ドス・サントス、イーサン・ペイジ、スコーピオ・スカイ
⑨AEW世界王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.アダム・ペイジ(新チャンピオン!)