TOPアメリカン・プロレスAEW 2020年 →AEW:Double or Nothing 5/23/20

AEW:Double or Nothing 5/23/20の分析


名勝負 なし
好勝負 女子王座戦、ノーDQ:ナイラ・ローズ(ch)vs.ヒカル・シダ

スタジアム・スタンピード:ザ・エリート(ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ、ヤング・バックス、マット・ハーディ)vs.インナー・サークル(クリス・ジェリコ、ジェイク・ヘイガー、オーティズ、サンタナ、サミー・ゲヴァラ)

@#1コンテンダーズ・マッチ:ベスト・フレンズvs.プライベート・パーティ

@カジノ・ラダー・マッチ:ブライアン・ケイジvs.コルト・カバナvs.ダービー・アレンvs.フランキー・カザリアンvs.キップ・セイビアンvs.ジョーイ・ジャネラvs.ルチャサウルスvs.オレンジ・キャシディーvs.スコーピオ・スカイ
 (時間差で入場してくる形式。)
 最後にブライアン・ケイジがサプライズで登場しAEWデビュー。

AMJF vs.ジャングル・ボーイ
 MJFの濃いヒール・キャラに喰われないために
 ジャングル・ボーイは間をしっかり取れていますね。

 MJFが着地時に足を痛めた振りをして不意打ち。
 この後で煽りアピールを最小限にして
 抑制を効かせた所にMJFの成長を感じさせます。
 ここで過剰にしていたら頑張りを見せるジャングル・ボーイから
 MJFに焦点が移りすぎていたことでしょう。

 ジャングル・ボーイは反撃時もチョップを活用したりと
 小柄なアンダードッグという典型に甘んじないファイトっぷり。

 MJFの腰の痛みを負いながら腕を攻める試合運びも良く、
 ミッドカードながらショーをスティールする
 意気込みを感じさせる内容になっていましたね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/?/20)

BTNT王座トーナメント決勝:コーディvs.ランス・アーチャー
 箔をつけるためマイク・タイソンがベルト授与者として登場。

Cクリス・スタットランダーvs.ペネロペ・フォード
Dダスティン・ローデスvs.ショーン・スピアーズ

E女子王座戦、ノーDQ:ナイラ・ローズ(ch)vs.ヒカル・シダ
 ノーDQということでナイラは竹刀を持って登場。
 この竹刀を巡る攻防から試合は始まりますが凶器に依存し過ぎず
 ナイラのパワー・ファイト、志田のハード・ヒットが
 しっかりと際立っているのが素晴らしいですね。

 志田のムーブはネイティブ・ビーストのナイラを
 連打せずとも動きを止めれるだけの説得力を持ち、
 これは今後もアメリカ・マットで活躍する大きな武器になりますね。

 ナイラが終盤に少しアピールを挟むと
 より脅威性が強調できたように思いますが、
 無観客だと中々難しい部分もあるでしょう。
 許容範囲内。

 フィニッシュも良いですね。

 竹刀という固有凶器は今後ヒールになっても使えそうだし、
 志田は長くAEWで活躍できるのではと期待させます。

 昨日亡くなった木村花に捧げる意味合いも少なからずある中で
 双方前向きに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
 
 ぎりぎり好勝負。

FAEW世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.ブロディ・リー
 モクスリーが突っかかりトぺを放てば、
 リーも場外ブレーン・バスターを決めます。

 ただ観客の反応がない中で
 こういうロケット・スタートな展開は難しさがありますね。

 テンポ・コントロールに苦しみつつも
 インパクトのある攻め合いになっていて
 スポット後のリーの顔芸も光ります。

 WWEでスポットが当たらないまま時間が過ぎてしまった分、
 この試合にかける意気込みが伝わってきますね。

 この試合でこの会場は終わりなので、
 DoNのセットを次々と使っては壊していき、
 クライマックスではタズvs.ビガロで有名な
 花道陥没スポットにリーの流血で一気に盛り上げました。

 好勝負に少し届かず。

Gスタジアム・スタンピード:ザ・エリート(ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ、ヤング・バックス、マット・ハーディ)vs.インナー・サークル(クリス・ジェリコ、ジェイク・ヘイガー、オーティズ、サンタナ、サミー・ゲヴァラ)
 AEWの社長がNFLチームを保有しているからこその
 まさかのアメフト・スタジアムで戦うという試合形式です。
 (フォールズ・カウント・エニウェア・ルールもあり)

 スケール感が大きすぎて
 普通の人は思いつかないし、普通の人は思いついても実現できない奇策。

 アメフトに固執するWWEのビンスへの当てつけにもなっているのがにくい。

 インナー・サークルはアメフトのユニフォームで統一し、
 チア・ガールを連れて登場したりと
 入場シーンから工夫を凝らしていますね。

 無人のスタジアムを意気揚々と闊歩しながら乱戦。
 凶器を変えながら場を使ったハイ・スポットを行う、という
 乱戦の肝を抑えていますね。

 ハイ・スポットで言えば路上プロレスのオメガがいますから、
 前回のDynamiteのフォールズ・カウント・エニウェア戦に続き
 橋渡しにした柵に叩き落とすパワー・ボムなど
 過激すぎるスポットが揃っています。

 また、バー・ブロウルはアメリカン・プロレスの定番戦場の一つですが、
 ラフ・ファイトだけでなくハイ・フライ、連携技を混ぜて、
 アクションを定型から抜け出して見せたのも面白かった。

 ただ一方で全てのシーンに工夫を凝らすという意気込みは
 一部行き過ぎに思えるユーモア、コメディーにもなっています。

 ペイジが馬でゲヴァラを追っかけるも見失ってバーで酒浸るネタなんかは
 他がチームとして集まって戦っている序盤で行われたので、
 自分勝手すぎる行動に移ります。

 スタジアムという過去に例を見ない広すぎる戦場で、
 空間をどう移動していくかに構築的意味合いを持たせにくいことを考慮すると
 幾つかのネタは軽率にも思えましたね。

 イリミネーション形式でも付与していたら
 ネタの意味性が増してこの試合に欠けているものを一気に補完したのではという印象。

 WWEの本社MITB戦と同じく針の振り切れた内容なので、
 大きな課題もありましたが、
 コロナ禍の今だからこそ思いっきりやってやろう、という
 団体と演者の強烈な意思表示が十二分に上回っている。
 
 WWEが爆発的人気を博した90年代アティテュード・テイストが
 他の団体で2020年代に最高峰のレベルで再現されるとは思わなかった。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

Rating:★★★★★

注目試合の詳細

なし

試合結果

@#1コンテンダーズ・マッチ:ベスト・フレンズvs.プライベート・パーティ
@カジノ・ラダー・マッチ:ブライアン・ケイジvs.コルト・カバナvs.ダービー・アレンvs.フランキー・カザリアンvs.キップ・セイビアンvs.ジョーイ・ジャネラvs.ルチャサウルスvs.オレンジ・キャシディーvs.スコーピオ・スカイ
AMJF vs.ジャングル・ボーイ
BTNT王座トーナメント決勝:コーディ(初代チャンピオン!)vs.ランス・アーチャー
Cクリス・スタットランダーvs.ペネロペ・フォード
Dダスティン・ローデスvs.ショーン・スピアーズ
E女子王座戦、ノーDQ:ナイラ・ローズ(ch)vs.ヒカル・シダ(新チャンピオン)
FAEW世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.ブロディ・リー
Gスタジアム・スタンピード:ザ・エリート(ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ、ヤング・バックス、マット・ハーディ)vs.インナー・サークル(クリス・ジェリコ、ジェイク・ヘイガー、オーティズ、サンタナ、サミー・ゲヴァラ)