Triple W:Best of Triple W 2019の分析
名勝負 | Aキッドvs.ウィル・オスプレイ(3/30/19) |
好勝負 | Aキッドvs.デイヴィッド・スター(12/7/19) |
@Aキッドvs.ウィル・オスプレイ(3/30/19)
軽妙なレスリングからオスプレイがフェイク・ダイブ。
定型の流れですが、リングに戻ろうとするキッドに
オスプレイがドロップ・キックを叩き込み、
オスプレイのこの試合における厳しい姿勢を鮮明にアピール。
Aキッドが真っ向から挑む果敢さを表現しつつ、
オスプレイが集中力高く、
その一つ一つの仕掛けを丁寧に拾っているのも凄い。
Aキッドのヘッドスプリング系の反撃方法は独特で印象的でしたね。
少し攻守の作り方が画一的で、終盤が不安でしたが、
終盤になるとクロス・フェイスやスライディング・ジャーマンなど
攻め方をしっかりシフトし、
ここからこんな技に繋げて畳み掛けるのか、と感心させる。
オスプレイも最後のラッシュに象徴されるように
センスの良い技選びで合わせている。
セイバーとはレスリングがテーマでしたが、
今度は技の攻防をテーマにAキッドの
潜在能力の極限にまで挑戦した試合。
完全燃焼しましたね。
お見事です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:4/?/19)
Aピート・ダンvs.Aキッド(6/23/19)
Aキッドが挑発するとピートは冷徹にグラウンドで支配し
噛んだり鼻フックした上でエプロンにリリース・スープレックス。
攻撃的な見せ方、間の置き方でピートが
余裕間、格の差を演出しながら厳しい追い込み。
Aキッドの反撃の流れ作りはオーソドックスながら
実行するムーブは一工夫二工夫あり華麗に仕上がっていますね。
ただ終盤がAキッドのvs.セイバー、オスプレイ程には
攻防間に強烈なストーリー性、意味合いによる繋がりがなかった。
ピートのライバル、ベイトのムーブを使ったのは面白かったものの単発だったし。
もう少しメリハリも付けたかったですね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:7/?/19)
BAキッドvs.マイク・クァッケンブッシュ(10/27/19)
まさかのカード。
クァックが独特の韻踏みキャッチ・レスリング。
一方で体を絞っているのでスピードで魅せる動きもあります。
対するキッドも力学に基づき切り替えしますが、
ブックに描かれた筋書きは
クァックに対抗できずに苛立ってしまい、
そこを突いてクァックが主導権を握るというもの。
これはこれでもありだけど
キッドが最初に見せていたような裏技でも使って
レスリング同士でも別の角度から対抗する筋の方が、
このカードのポテンシャルを追求できたか。
終盤は硬軟利かせた攻防。
ストーリーに載って攻防に意味が付随していたので
最後まで目が離せなかったですね。
好勝負に少し届かず。
CAキッドvs.デイヴィッド・スター(12/7/19)
レスリングは細かな体勢変化や手の持っていき方が意味を持つリアリスティックのあるもの。
プロレスだからと根拠を失わないことは大事です。
レスリングから展開し走ったかと思っても
ロープまで走らず、リング中央内で切り返したりと
流しで動かない攻防は良いですね。
序盤と中盤の間に細かなステップで序中盤戦があって、
そこがまた見応えがあります。
スターは鋭いドロップキックでキッドをダウンさせると足を殺しにいきます。
これも盤面を完全には固定せず
相手が動ける余地、余韻、余白があって
観客も緊張感を切らさずに見守ります。
チョップで胸から流血したキッドが、
ムーブではなく感情でのせる為の試合運びを選択しましたが
これはまだ荒削りで彼のムーブを先に出して感情をついていかせる方が現状では良かったですね。
終盤の攻防は手綱が効いている分
胸から流血なんて跳ね要素があったのに
セット毎で小さくまとまっている印象。
名勝負も狙えたのに少し勿体無かったですね。
オスプレイ戦、セイバー戦には劣るも
それと並んでキッドの2019年トップマッチ三部作に挙げられるべき試合でした。
文句なしに好勝負。
(執筆日:12/?/19)
注目試合の詳細
なし試合結果
@Aキッドvs.ウィル・オスプレイ(3/30/19)Aピート・ダンvs.Aキッド(6/23/19)
BAキッドvs.マイク・クァッケンブッシュ(10/27/19)
CAキッドvs.デイヴィッド・スター(12/7/19)