TOP他大陸のプロレスFrench Catch →French Catch:Best of Frence Catch 1965 part.2

French Catch:Best of Frence Catch 1965 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 ジーン・ラバットvs.マイケル・サルニール(6/20/65)

3本勝負:レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカvs.アントン・テへーロ、パンチョ・サパタ(7/18/65)

ヘンリー・ル・マオvs.アイーシャ・イスラエル(8/22/65)

アンドレ・ボレvs.エディ・ウィックス(9/20/65)

@ジーン・ラバットvs.マイケル・サルニール(6/20/65)
 俊敏な仕掛けは受けの動作も相まって驚くほど鋭い。

 密着して落ち着かせた中でも
 韻をアーム・ロックに戻す攻防は唸らされますね。

 ショルダー・スルーなど華やかなムーブを混ぜつつ焦らし
 お互い一歩も引かない一進一退。

 テクニシャン同士の試合故にストーリー性はやや弱いものの
 これぞテクニシャン対決という攻防に仕上がっています。

 終盤の意図的な切り替えが少し不協和音になっていましたが、
 最後は綺麗に印象的なフィニッシュで締めくくりました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/21)

A3本勝負:レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカvs.アントン・テへーロ、パンチョ・サパタ(7/18/65)
 チモールの躍動感あふれる攻めと
 セスカの受けっぷりは本当に相性良く、
 この2人はまさに当時のベスト・タッグですね。
 連携技も光ります。

 サパタは道化色も入れた派手な受け身が目立ちますが、
 エンターテイメントに寄り過ぎず、
 レスリングの裏打ちも意外にあったりして好感が持てます。
 アントン含めてヒールとして非常に良い仕事をしましたね。
 連携力も前面に押し出した試合運びでしたが、
 チモール、セスカに全然引けを取っていません。

 1本目の後のインターバルも熱量を失わせず
 2本通じてフェイス/ヒールのダイナミズムをタッグで表現しました。

 逆にここで完結しているので3本目は少し訴求力が弱くて
 ロープに絡まったセパタにアントンをぶつけたり、
 瞬間の絵作りが先行してしまった印象。
 ここの繋がりがもう少し強調できればトータルの完成度が上がって最高でしたね。

 文句なしに好勝負。
 MOTY#3
 (執筆日:4/?/21)

Bヘンリー・ル・マオvs.アイーシャ・イスラエル(8/22/65)
 軽快な円運動。
 両者積極的に動いて、
 レスリングの中にプロレス技を織り込んでいきます。

 華やか且つリアルな良い塩梅の攻防を見せます。

 切り返し合いの演舞を交えて10分経過。

 盛り上げ場で様々な変化を見せますね。
 打撃での切り替えに強烈なバック・ブリーカーからダウン・カウントの見せ場。
 ロープに首絡まる過激な受け身シーンもあります。
 
 20分経過すると再び対角ロープ走りにヘッド・バット、と
 まだまだ変転していって行き止まりを見せます。

 ガツンガツンと打ち合うアッパーカートは大迫力でしたね。
 このハード・ヒットには驚いた。

 最後の最後で時間切れが見えて停滞しましたが、
 60年代のプロレスでここまで変化を楽ませるとは唸りましたね。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/21)

Cアンドレ・ボレvs.エディ・ウィックス(9/20/65)
 ヘビー級ならではの力強く、じっくりとした攻防。

 ボレがハード・ヒットな打撃を打ち込むと
 エリックも同じく良い打撃を返していきます。

 打撃偏重ながら非常に見応えがあり積み重なっていきますし、
 ボレの細やかな変化、エディの受けっぷりが光りました。

 後半になると場外転落にコーナー・ムーンサルトなど
 派手なスポットを混ぜて勢いをつけていきます。

 最後は観客席の前で大迫力の殴り合い。
 
 リングアウト決着ながらこれは満足感ありますね。
 フランス版アンドレvs.ハンセンといった感じの試合です。

 良い仕事しましたね。

 ぎりぎり好勝負。
 MOTY#5
 (執筆日:4/?/21)

Dサロン・カップ決勝:アンドレ・ボレvs.エディ・ウィックス(9/21/65)
 エディがボレを花道に落とし、
 岩なようなショルダー・タックルで押し倒して掴みはOK。

 ボレはコーナーに押し込むと腹パンしてヒール道を真っすぐ行きます。
 レフェリーを押し倒して見えないように腹パンし、
 エディがやったと嘘をつくようなことまでします。

 これでイエローカードを受けてキレたエディは
 ボレをロープに絡ませて動けなくしますが、
 レフェリーも同じくロープに絡ませ動けなくする。

 その後もボレもエディもやたらレフェリーを巻き込んでいきます。
 いつもとは違う試合、荒々しさを強調する演出ですが、
 もう少しメリハリをつけても、と思ってしまいますね。

 後半はエディの拳が冴えわたり、
 ボレもダウン表現で盛り上げ、
 決勝らしいドラマを作り上げてキレイな流れでフィニッシュ。

 昨日よりも特殊なことをし過ぎてクオリティは後一歩という所ですが、
 決勝としてふさわしい印象的な内容でしたね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:4/?/21)

E3本勝負:アンドレ・ボレ、ジャック・ラクセルvs.エディ・ウィックス、ワニア・デ・ザーゼッキ(11/14/65)
 観客の反応を丁寧に拾いながらのグラウンドを見せます。

 ボレ、ラクセルがヒール・タッグとして完璧なコントロール。
 自陣の使い方が素晴らしく、
 煽りと攻めのバランスも良かったですね。

 エディ、ワニアもここぞの華やかな動きは良く、
 振り返して落とした相手をセコンドが殴りまくるシーンは盛り上がりましたね。

 ただ時々あることですが、
 1本目、2本目でフェイス、ヒールがそれぞれ形をつけた結果として、
 3本目がいまいち盛り上がりに欠ける内容になっています。

 行っている積み上げ方、観客への働き方は決して間違っていないし、
 攻防としては流れがあって悪くなかったんですけどね。

 中々良い試合。
 (執筆日:4/?/21)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ジーン・ラバットvs.マイケル・サルニール(6/20/65)
A3本勝負:レネ・ベン・チモール、ギルバート・セスカvs.アントン・テへーロ、パンチョ・サパタ(2-1)(7/18/65)
Bヘンリー・ル・マオvs.アイーシャ・イスラエル(30分時間切れ)(8/22/65)
Cアンドレ・ボレvs.エディ・ウィックス(リングアウト)(9/20/65)
Dサロン・カップ決勝:アンドレ・ボレvs.エディ・ウィックス(優勝!)(9/21/65)
E3本勝負:アンドレ・ボレ、ジャック・ラクセルvs.エディ・ウィックス、ワニア・デ・ザーゼッキ(11/14/65)