French Catch:Best of Frence Catch 1959 part.3の分析
名勝負 | ホセ・アローヨvs.マイケル・チェイスン(11/20/59) |
好勝負 | 3本勝負:アンドレ・ボレvs.イスカ・カーン(10/2/59) リノ・ディ・サントvs.ル・ビッグ・チーフ(10/15/59) |
@3本勝負:アンドレ・ボレvs.イスカ・カーン(10/2/59)
ボレが完璧ですね。
レスリング・ムーブの鋭さは目を見張るし、
受け身は派手且つ実態が伴っています。
ポージング技術も最高で、まさにトータル・パッケージ。
カーンは東洋キャラですからヒールの方がはまる訳ですが、
このボレの前では全然フェイスの役回りでも十分。
東洋キャラに求められるモンゴリアン・チョップなど
ギミック・ムーブをしっかりポイントに落とし込んでいます。
ボレの素晴らしいコーナー自爆スポットもあり終盤も見応えがありました。
最初から最後までボレに惚れぬく内容。
ぎりぎり好勝負。
Aピエール・ルコックvs.アラバート・サイード(10/10/59)
ルコックが徹底的にハンマー・ロック。
様々な入り方が見られて面白かったですね。
そして一度間が開いた所からの隙の作り方、突き方が出来ていて
このスタイルを突き詰めているのが良かった。
アラバートも荒々しい拳にヘッド・バットで
ストーリーの通った攻防を展開しましたね。
観客の前での殴り合いからアラバートがインパクトのあるスラム3連発で制裁完了。
綺麗にまとまった内容でしたね。
中々良い試合。
Bリノ・ディ・サントvs.ル・ビッグ・チーフ(10/15/59)
フランス版ワフー・マクダニエルのチーフ良いですね。
動かないことによる圧力の表現を良く分かっている。
腰を据えて鑑賞するに足る落ち着きのあるレスリングでスタート。
そこから一転チーフがヒール・ワーク。
レフェリーの目を盗み、
攻撃的な打撃を放ち、テンポを切り替え牙を剥きます。
サントもドロップ・キック連打で応戦して盛り上げます。
サントの激しいエルボーとチーフの独特の受けの化学反応も素晴らしい。
場外転落スポットは鉄板として
その後チーフがダイビング・ボディ・プレスを自爆でしたが試みたのには驚き。
この年代にしてはかなりレアな一発でしたね。
最後にスリリングな攻防がなく、
クライマックスといえるものがなかったことぐらいが残念な点。
チーフは是非他の試合も見てみたいですね。
ぎりぎり好勝負。
C3本勝負:ギルバート・ルダックvs.カジモド(10/23/59)
カジモドはグリズリーみたいなデフォルメされた立ち構えが強く印象に残りますね。
背中に逆さまに背負ってからの前面への投げと
ツームストンの体制でのサブミッションという迫力のある大技。
そこからショルダー・ロックで仕留める、という
格ゲーのキャラみたいな明確なキャラ作りが素晴らしいですね。
カジモドの魅力を最大に活かして
かなり分かりやすく3本勝負を作り上げています。
ルダックのテクニック、
フェイスとして的確な合わせも光った良い試合でした。
好勝負に届かずも中々良い試合。
Dホセ・アローヨvs.マイケル・チェイスン(11/20/59)
ロックを離さず韻を踏んでの押し引き。
それぞれのタイミング取りの良さ、変化の多彩さ、
甲乙つけがたい高いレベルで
演じる鬩ぎ合いも実が伴っています。
派手な動きも適度にありバランスの取れた内容。
場外落下スポットを挟んでの
中盤以降もサブミッション・ベースに
序盤と同じ攻防の作り方をしていましたが、
全く既視感を感じるシーンは2つとなく
千の攻め手を持つ両者ががぷり四つに組んだ格好。
流れ作りと寸止めを上手く使いこなして印象を作りました。
最後はふらふらになりながら打撃を打ち込みあって
崇高な一戦の幕を閉じました。
ユーロ版テーズvs.ガニアとでもいうべき見事なフェイス対決です。
ぎりぎり名勝負。
Eレネ・ベン・チモールvs.ギルバート・セスカ(11/27/59)
韻を踏んだグラウンドは
道化的で、テクニカルで
様々な変化に魅了されていきます。
荒々しい動き、立体感のある動きを織り交ぜて
前半の見応えは素晴らしいものがありましたね。
後半は少し落ち着かせた後、
突っ込んだチモールがかわされて場外転落。
完全に劣勢に回ったセスカをチモールが投げていきます。
攻守寄せたダウン・シーンは展開としては良いものの
当時の攻防の性質を考慮すると少し退屈でもあります。
その後も良質な形をしつつも
決め手に欠ける印象のまま終了。
中々良い試合でした。
(執筆日:11/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@3本勝負:アンドレ・ボレvs.イスカ・カーン(2-1)(10/2/59)Aピエール・ルコックvs.アラバート・サイード(10/10/59)
Bリノ・ディ・サントvs.ル・ビッグ・チーフ(10/15/59)
C3本勝負:ギルバート・ルダックvs.カジモド(2-1)(10/23/59)
Dホセ・アローヨvs.マイケル・チェイスン(30分時間切れ)(11/20/59)
Eレネ・ベン・チモールvs.ギルバート・セスカ(11/27/59)