French Catch:Best of Frence Catch 1959 part.2の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | カール・ヴォン・シャノック、ロバート・ガストゥルvs.クラウド・モンターシー、ギルバート・ルダック(5/23/59) 3本勝負:ロジャー・デラポルテ、ポール・ヴィラーズvs.イーヴス・アモーレ、ジョージ・ギャレット(9/5/59) |
@3本勝負:ジーン・バウトvs.ジャック・ヴァン・ドゥーレン(5/7/59)
ドゥーレンは独特の魅力がありますね。
仮想的に作っていく意識が高い。
もう少しリアル要素強めて
思うように切り替えられると面白い。
バウトのトップ・ギア・シーンが少し浮いているので
試合構成の面では課題が残る内容でしたね。
ただ2本目からは攻防の流れがより生まれていました。
スピニング・トー・ホールドが地味ながら
それをフィニッシャーに据えて全体構成もまとまっていましたね。
中々良い試合。
Aカール・ヴォン・シャノック、ロバート・ガストゥルvs.クラウド・モンターシー、ギルバート・ルダック(5/23/59)
フェイス/ヒールの意識統一しながら
自分の個性を存分に発揮していますね。
同じグラウンドに転がすにしても
テクニカルに行うものもいれば、パワーで押し込んだり、
はたまた相手の髪を引っ張り押し込んだり。
セコンドもただ突っ立っているだけでなく、
介入したり抗議したり本質をしっかり理解しています。
4人でシーンを端的に作って
綺麗に流れを紡いでいきます。
まさかの60分試合なので中盤はどうしてもまったりせざるを得ませんが退屈はしません。
大局を示すことができていて、
尚且つ見せ場も派手でエンターテイナーとしての才覚を見せていますからね。
60分の時間切れが見えてきた中で、
ギアを上げるとツームストンなど
見栄えの良い技の大盤振る舞いで盛り上げました。
ロング・マッチの弊害もありましたが素晴らしい内容です。
ぎりぎり好勝負。
Bイーシャ・イスラエルvs.ジーン・ラビュート(6/4/59)
低い軌道で独特な俊敏な動き。
逆立ちしてシザースしたりと
一部演出は不器用な面も感じるが
優れたアスリートであることを証明して見せます。
本当にこの時代のレスラーは"速度"ではない"俊敏性"が凄いですね。
落ち着いたグラウンドが一転
ギアが入った時の緊張感は良いですね。
とはいってもナックル・ロックを押し返す際に
腕をぶんぶん振り回したりと現代的感覚からすると
変な絵になっている所や融通の利かなさが惜しまれます。
最後も高速の切り返し合いで盛り上がりましたが、
カバーを蹴り飛ばして抑え込んだだけですからね。
フィニッシュとしては味けない。
好勝負に届かずも中々良い試合。
C3本勝負:マイケル・アリーvs.ジョニー・スタイン(8/21/59)
スタインが怪物っぷりが良いですね。
凶悪なクロス・フェイスがその印象付けに大きく貢献しています。
アリーもこの怪物を抑え込むだけのテクニックがあります。
情熱的なネック・ブリーカー、アッパーカートで応じて、
果たし合いの雰囲気が生まれています。
それぞれ主張する中で
相手を振り切って両者が印象を残す良い攻防です。
スタインのアイリッシュ・ウィップを使って背中を攻めアピール。
これは憎たらしく強くて格好良い。
ただ大きく入れ込んでいった中、
グラウンドで落ち着いて、そのままスタインの暴走でDQ。
試合後にアリーがスタインの首にかけたタオルを締め上げ制裁するので
締まってはいるもののそこへの流れが弱く、
ちょっと勿体なかったですね。
フレンチ・キャッチには魅力的なレスラーが多いですね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
D3本勝負:ロジャー・デラポルテ、ポール・ヴィラーズvs.イーヴス・アモーレ、ジョージ・ギャレット(9/5/59)
(途中から)
イーヴスは今回フェイスの役回り。
不器用なのでこちらの方がはまっていますね。
巨人の存在感を如何なく発揮しています。
そのパートナーのギャレットが素晴らしかった。
見得を利かせて一気にテンションを上げる芸はトップ・クラス。
ヒール側のタッグも魅力的。
デラポルテは細部まで気の通った間違いないワークで
この試合も高値安定しています。
ヴィラーズもデラポルテのパートナーにふさわしく、欠点を感じさせないパフォーマンス。
連携技が増えればデラポルテ、ヴィラーズのタッグはより最高になったでしょうね。
3本目の観客前乱闘は4人とも体格があるだけに大迫力。
フィニッシュが3本全てインパクトに欠けた所が残念ですが、
ストーリーに裏打ちされた決め方で試合の評価を大きく下げるには至らない。
ぎりぎり好勝負です。
E3本勝負:チェリー・ビビ、ピエール・ベネットvs.アーミー・ソラ、ジョー・ラバット(9/6/59)
予期せぬ動きで+1のチェーン。
ソラの軽快な動きは素晴らしく、ビビとのハイパー・アーマーとの相性も良いですね。
セコンド介入も織り交ぜてホットに盛り上げ、まず1本。
2本目も誤爆などタッグ要素をしっかり活用しています。
ただツームストンでコテンパンにした印象付けが出来たのに
そこでフィニッシュしなかったせいで冗長でしたね。
3本目。
4人がリングで入り乱れて乱闘し一気にギア・アップ。
ここぞの盛り上げが上手かったですね。
ただドロップ・キック自爆で後頭部を打ったということなのでしょうが
それでフォールされてしまうのは現代的感覚からすると弱いのは否めない。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:11/?/20)
注目試合の詳細
なし試合結果
@3本勝負:ジーン・バウトvs.ジャック・ヴァン・ドゥーレン(2-1)(5/7/59)Aカール・ヴォン・シャノック、ロバート・ガストゥルvs.クラウド・モンターシー、ギルバート・ルダック(60分時間切れ)(5/23/59)
Bイーシャ・イスラエルvs.ジーン・ラビュート(6/4/59)
C3本勝負:マイケル・アリーvs.ジョニー・スタイン(2-1)(DQ)(8/21/59)
D3本勝負:ロジャー・デラポルテ、ポール・ヴィラーズvs.イーヴス・アモーレ、ジョージ・ギャレット(2-1)(9/5/59)
E3本勝負:チェリー・ビビ、ピエール・ベネットvs.アーミー・ソラ、ジョー・ラバット(2-1)(9/6/59)