EPW:Best of EPW 2021の分析
名勝負 | マーカス・ピットvs.ギャヴィン・マクガーヴィン(6/12/21) |
好勝負 | マーカス・ピットvs.ギャヴィン・マクガーヴィン(4/17/21) |
@マーカス・ピットvs.ギャヴィン・マクガーヴィン(4/17/21)
ピットが懐深く受け止めるので
ギャビンがむしゃらに振る舞える。
コロナにより試合実現まで時間がかかりましたが、
良い形で遺恨戦を迎えることができていますね。
ピットは試合を制止し過ぎず、
ギャビンの攻めを引き出していきます。
相手と観客のそれぞれを見る中で
一進一退を生む隙間を上手く作っています。
細かな部分のハード・ヒット、意図も光る素晴らしい攻防。
ギャヴィンはクロス・フェイスの前振りを上手くしたことで、
投げ技がカウント2だろうと、その一つ一つで
勝利に着実に近づいている実感をもたせられました。
イノベイティブな攻防の連鎖と大技に次ぐ大技、
終盤でのギャヴィンのサブミッション、クイック・シフトがはまって
飛び切りの激戦に仕上がっていました。
これは次回大会メインでの再戦にも期待がかかりますね。
文句なしに好勝負。
AEPW王座戦:マイキー・ニコルズ(ch)vs.ロビー・イーグルス(4/17/21)
オーストラリアが生んだ海外に通じるスターといえばやはりロビー。
大きな歓声で迎えられます。
マイキーもヘタレ・ヒールっぷりを見せて
序盤から大きく盛り上がりましたね。
単純に沸かすだけで満足せず、
マイキーがしっかり足を使って攻防に広がりを見せていたことに好感が持てます。
ロビーのトぺに対しマイキーが受け流しつつ柵にDVD。
この過激スポットから中盤へ。
それぞれ自分のターンに勢いにのるタイプで、
受け手の時は相手の勢いを殺さないようにするだけ、だったのは勿体ない。
序盤のマイキーのように受け手側からも試合を高めて欲しかったですね。
マイキーが煽って迎えた終盤。
しっかりメインとしての攻防量があり、
適切な落しどころに持って行くための演出も適正。
ロビーを呼んだかいのある見ごたえのあるメイン・イベントでしたね。
好勝負に少し届かず。
Bマーカス・ピットvs.ギャヴィン・マクガーヴィン(6/12/21)
レスリングの流れの中に心地よく変化を加え、
それは数え歌ならではの雄弁な語り口です。
場外に攻防が移っても相手の動きをかわし攻めを潰しつつ
攻防は乱れず数え歌としてのまとまりを崩しません。
試合のテンポを落とした時に真の地力が試されますが、
ピットの間の手繰りは絶妙で、
今回も観客とギャヴィンとを上手く視線を使い分けています。
ギャビンは前回クイックを終盤に温存しましたが、
今回は比較的早い段階から自身のスタイルの中心に据えています。
前回ピットの攻めに対し疲労感の不一致を一部感じる所がありましたが、
その課題を克服して良い所を伸ばした格好になりましたね。
面白いように攻防がチェーンしていきます。
ギャヴィンのクイック・シフトに伴いピットは
盤面としては完全優勢の場面も多かったですが、
反撃を食らう際に絶妙のダメージ表現を見せて
どちらが勝ってもおかしくない均衡感を作り出しています。
大技がニア・フォールにストレートに結びついた最高に激戦展開。
前回の試合を更に研ぎ澄ませてMOTYを狙いに行って
実際にそれに値する内容に仕上げました。
お見事です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:6/?/21)
CEPWヘビー級王座戦、ウェストランド・ウォーフェア:マイキー・ニコルス(ch)vs.ジュリアン・ワード(11/27/21)
ジュリアンの不意打ちからマイキーが早々に流血。
凶器もどんどん追加されていきます。
画鋲やコーナー柵まで飛び出ます。
一方でブル・ロープの次に同種の鎖を出す等
余り練られているとはいえない凶器使いではありましたね。
マイキーのレフェリーを武器にしたりする戦略がポイントで見られるくらい。
終盤は結局凶器を排除して技の攻防でまとめており、
いまいち構成的にピンとこなかったですね。
まあまあ良い試合。
(執筆日:5/?/23)