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IWRG:Best of IWRG 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 ブラック・テリーvs.チコ・チェ(1/22/12)

ファビー・アパッチェ、ネグロ・ナヴァーロ、トラウマII vs.グラン・アパッチェ、マリー・アパッチェ、トラウマI(4/8/12)

レイ・デル・リング(5/31/12)

@ブラック・テリーvs.チコ・チェ(1/22/12)
 古きよき乱戦。
 秩序から生み出した混沌ではなく
 魅せるために少し秩序を加えた混沌です。
 テリーの何も動かないことでの
 流血、苦しさの見せ方は素晴らしい。
 最近はアクションをしない=何もしないになりがちなレスラーが多い気がします。
 チェが煽り立てた後、ダイナミックにテリーのリベンジを見せていきます。
 テリーは大ベテランですし
 ムーブに凄いキレがある訳でも驚異的な技をやる訳でもないけれど
 NWAで見られたあの荒々しい乱戦、
 80年代のダイナミズムが蘇ってくるのです。
 良い意味で試合から逸脱している。
 最後もチェの受身が上手くないことが功を奏して
 バック・クラッカーは力技で決めたような印象を与えました。
 2012年最初のMOTYCです。
 文句なしに好勝負。

Aカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブラック・テリーvs.チコ・チェ(1/29/12)
チェのセコンドが椅子を持って登場したテリーに
 ロープ越しに蹴りを食らわせる所からスタート。
 チェ本人は巨漢なのでこういうムーブは出来ないでしょうね。
 それはともかく試合は前回と同じく見事な乱戦。
 乱戦において脚を使う重要性を理解していますね。
 テリーの静止的表現、チェのテンション高い煽りが対比的に試合を盛り上げます。
 チェが開始時からそのまま押し切って流血したテリーを沈め1本。
 2本目もテリーが追い込まれる展開。 
 流血が広がり、苦しそうな表情を見せるテリーに惹きつけられますね。
 重ね重ね言うと乱戦においては歩きながら、ということが重要です。
 テリーの受けながらの後退に注目して欲しいですね。
 これは食らっては駄目だろう、というものまで食らい
 絶体絶命のテリーでしたが2発目に対しカウンターを決め、
 そこから一気に必殺技のバック・クラッカーまでつなげてフィニッシュ。
 若干強引な気もしますが1-1に追いつきました。
 3本目はチェが流血する番。
 このままヒート・アップと行きたい所でしたが
 両セコンドが軽くちょっかいを出してきな臭くなっていきます。
 また巨漢のチェ、老齢のテリーでは
 ニア・フォール的見せ方には限界がある。
 ダウンしたテリーがチェのダイビング・ボディ・プレスをかわす際、
 チェックしていたレフェリーを身代わりにするシーンなんて無理がありましたね。
 レフェリー気絶後、テリーのフォールが数回見逃されたのに
 チェが技を決めた際に丁度レフェリーが復活してしまう、という理不尽フィニッシュで幕閉じ。
 2本目までは前回と同じくIWRGならではの素晴らしい乱戦でしたが、
 3本目はカベジェラ戦であることが逆に試合の脚を引っ張る結果に。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:2/12/12)

Bファビー・アパッチェ、ネグロ・ナヴァーロ、トラウマII vs.グラン・アパッチェ、マリー・アパッチェ、トラウマI(4/8/12)
 (カットあり)
 まずはトラウマIIvs.グラン。
 トラウマIIが工程を踏んだジャベを見せれば
 グランが当たり前のようにすり抜け、ダンスを踊っているかのような華麗さを見せる。
 続いてトラウマIとナヴァーロの親子対決。
 間合いから見事なロックを決めたと思えば、
 決められた方はずらして自分の形に切り返します。
 ファビーとグランの親子対決。
 相手が知己ということを差し引いてもファビーが見事な演舞を見せます。
 フェイク・ダイブ・アピールに行こうとしたところでマリーが襲いかかります。
 この姉妹対決は感情的に見せる。
 トラウマ対決。
 トラウマIIはトラウマIに劣るイメージがありますが
 今回トラウマIIは自分の形をしっかり持っており、
 トラウマIのバランス感覚の下、良い一進一退を見せています。
 再びの姉妹対決。
 マリーの意地の悪い蹴りを耐え忍んだファビーがロメロ・スペシャルを決めます。
 トラウマIがリングに入り、その間に入ってファビーをカバー。
 ギブ・アップ&3カウントで姉妹が脱落となります。
 ここでグランとナヴァーロの大ベテラン対決。
 締め方を良く分かってるな、という上質の流れ。
 最後はナヴァーロが見せ付けるようにトラウマIのフィニッシャー、
 変形4の字によってグランをギブ・アップさせ終幕。
 カード通りどの意味ある絡みにおいても素晴らしいレスリングを見せてくれました。
 カットが実に惜しい。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/3/12)

Cレイ・デル・リング(5/31/12)
 トップ・ロープの上を越えなければ脱落しない裏ルール及び
 トペコンのような自ら超えるものの黙認によって
 リング外でも積極的に戦いを繰り広げているのが面白い。
 多次元の戦いが展開されます。
 VIIPやオフィシャル、フリーランスが良かったですね。
 またルナを彷彿とさせる悪女のセコンドが見せ場をいくつももたらしていました。

 そろそろ新たい局面を求めたいところで
 先ほどの悪女が脱落し、ドクトル・セレブロが参戦。
 一気に加速し脱落も次々と起こっていきます。
 RRと違って通常フォールも認められており、
 ニア・フォールの攻防で盛り上げていましたね。
 この中盤ではゴールデン・マジックの動きが良かったですね。
 
 ペースを落とし30分も経過すると徐々に見どころが少なくなってきます。
 その分スター選手が増えてきてはいます。
 ピラータ・モーガンやヘッド・ハンター、CIMAもいますね。
 ダメージ表現が素晴らしいトラウマIIもいました。
 再び人が増えてきたので場外を使って見やすくしていますね。
 ラスト手前で加速し、最後のオフィシャル911が入った所で次々脱落。
 最後はファクターvs.ピラータJrでスピーディな攻防を繰り広げました。
 後半がだれた印象ながら前半は革新的でした。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/1/12)

Dカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ドクトル・セレブロvs.セレブロ・ネグロ(12/16/12)
 ドクトルの不意打ちからスタート。
 トペからのジャベで押し切るもセレブロの反撃の可能性も僅かに見せています。
 2本目はセレブロがラフ・ファイトで盛り返し、
 鉄柱に加え椅子もぶつけるリベンジで盛り上げます。
 コーナーのボードに叩きつけてからジャベを決め1本。
 3本目は一進一退の攻防。
 トペや流血で天秤を揺らしながら
 最後はセコンドの介入絡みから蛍光灯でのフィニッシュにつなげました。
 セレブロのスター性が出た内容。
 中々良い試合です。
 (執筆日:1/6/13)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ブラック・テリーvs.チコ・チェ(1/22/12)
Aカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブラック・テリーvs.チコ・チェ(2-1)(1/29/12)
Bファビー・アパッチェ、ネグロ・ナヴァーロ、トラウマII vs.グラン・アパッチェ、マリー・アパッチェ、トラウマI(4/8/12)
Cレイ・デル・リング(優勝者:ファクター)(5/31/12)
Dカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ドクトル・セレブロvs.セレブロ・ネグロ(2-1)(12/16/12)