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CMLL:Best of CMLL 1992の分析


名勝負 3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(7/3/92)
好勝負 世界ライト・ヘビー級王座戦、3本勝負:リスマルク(ch)vs.エル・サタニコ(7/17/92)

@3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(7/3/92)
 1本目が絶品です。
 ルチャはそのスタイルからレスリングが様式的になる事が多い。
 ジャベの披露会であったり変化の妙であったり
 スピードに乗った心地よい攻防であったりします。
 この試合は珍しくリアルなレスリングが見られます。
 それを他ならぬカサスが見せてくれるとは思いませんでした。
 ここまでテクニックがあるのかと驚愕するレベルでした。
 ダンディは技術よりも圧力を前面に出して抵抗。
 積極的に密着レスリングに応じスポーツ的な戦い方となっています。
 こちらもここまで緊張感あるレスリングを見せるとは思いませんでしたよ。
 お互いの意思を交えた上で生まれる上質な一進一退の中フィニッシュ。
 1本目だけで14分半あり1本勝負といっても十分満足していたでしょう。
 2本目は王道通り短めで5分。
 ショルダー・スルーは基本的に自爆の合図、と
 共通認識のルールの下、攻防を繰り広げています。
 3本目でも要所に忠実に仕返しを織り込み、
 同じ技を敢えて連発することで激戦を演出。
 王道の理で試合を盛り上げていきます。
 その上でコーナー上からの飛び技で更に1ステージ上に行く。
 お見事です。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:?/?/12)

C世界ライト・ヘビー級王座戦、3本勝負:リスマルク(ch)vs.エル・サタニコ(7/17/92)
 熟練のグラウンドを見せます。
 リスマルクが素晴らしいタックルに迫力あるバックブリーカー。
 技を大盤振る舞いしつつも、じっくり追い込めるのがリスマルク。
 派手な技の一方で静かさにも意味性を感じます。

 2本目もリスマルクが勢いよく攻め立てますが、ここの攻守転換はもう少しはっきりと描ける余地はありましたね。

 3本目再びのグラウンドから開始。
 一つ一つのサブミッションの締め具合がハードだからこそ成り立つ攻防。

 リスマルクが脚攻めで攻め口を測ったところで、
 サタニコがロープワーク解禁で一気に動かします。
 我慢どころをよく分かっていてリターンを確保しに行きますね。

 最後のフィニッシュの仕方も渋かった。

 翌年の試合には劣るも素晴らしい内容でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:12/?/21)


注目試合の詳細

B3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(7/3/92)
 ダンディがコーナーに押し込み平手打ち。
 カサスが腕を取って倒す。
 ダンディが両肩をつけにいく。
 カサスが後ろに逃れ脚をたたむ。
 ダンディはロープに逃げながらも両足を取りに行く。
 カサスは返すも更に返されロープに逃げようとする。
 ダンディが弓矢固め。
 カサスがレッグ・ロック。
 転がそうとするもダンディが対応し両肩をつけにいく。
 カサスがブリッジで耐える。
 グラウンド・ヘッド・シザース。
 起きようとする。
 ダンディが脚をかけて倒す。
 カサスが体勢を変えアーム・ロック。
 ダンディが脚をかけて倒す。
 キャメル・クラッチ。
 カサスがロープに逃げると勢い余って両者場外転落。
 カサスが胸に張り手。
 ダンディが打ち返す。
 両者すぐにリングに戻る。
 カサスが突き倒し股裂き。
 ダンディがやり返す。
 逃げるカサスに決めなおす。
 カサスは食らいながらも顔を掴んで外させようとする。
 ダンディが脚を絡めてレッグDDT。
 カサスがロープに逃げる。
 ダンディが腕を取って倒し脇固め。
 カサスがのがれヘッド・ロック。
 首4の字。
 ダンディが裏返して逃れチン・ロック。
 後ろに引っ張りカベルナリア。
 カサスが腕を取る。
 ダンディが前転から取り返す。
 カサスが蹴り飛ばす。
 ダンディはその衝撃を利用してロープに走りニール・キックへ。
 カサスはかわしてドロップ・キック。カウント2。
 胸に蹴りを打ち込んでいく。
 ダンディが脚を掴んで倒しレッグ・ロック。
 起きたカサスを倒す。
 カサスが蹴り飛ばす。
 ダンディはロープに走ると股下を通り抜け延髄切り。
 カバー。カウント2。
 レッグ・ロック。
 カサスが下から張り手をいれ倒す。
 チョップを打ち込んでいく。
 ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
 ダンディは着地するとチョップを打ち込んでいく。
 ロープに振ろうとする。
 耐えるカサスを蹴りつけロープに振ろうとする。
 振り返されるもショルダー・スルーを狙ったカサスにニー・ストライク。
 蹴りを食らうもパワー・スラム。カウント2。
 腕を取りラリアット。
 もう1発狙う。
 カサスがかわしチョーク・スラム。
 もう1発。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 シャープ・シューターを決めギブ・アップさせる(14分半)!

 カサスがドロップ・キック。
 レッグ・ロック。
 コーナーに叩き付ける。
 もう1発。
 両腕を取って喉に足を押し付ける。
 レフェリーに見えないように股間を蹴りあげる。
 ショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 ダンディがカウンターでバック・ブリーカー。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 ドラゴン・スリーパー。
 カサスはロープに逃げ場外で間を置く。
 ダンディは戻ってきたカサスの腕を取り前に投げる。
 2回、3回。
 ダンディが体勢を入れ替えヒップ・トス。
 蹴りあげられるもそれを利用してロープに走る。
 ショルダー・スルーを狙ったカサスにドロップ・キック。
 振り返されるもショルダー・スルーを狙ったカサスにニー・ストライク。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 脚をかけるとブリッジで固めてカウント3!
 これで1-1(5分)!

 笛が鳴るなりダンディがドロップ・キック。
 もう1発。
 エプロンで起き上がったカサスに3発目。
 コーナー上からダイビング・ボディ・アタック。
 カサスが先にリングに戻る。
 戻ってきたダンディの上にかぶさる。
 起こすとコーナー上にのせる。
 ダンディがヘッド・バッドで落としミサイル・キック。カウント2。
 コーナーに上り2発目。
 カサスが先に起き上がりエルボー・ドロップ。
 セントーン。カウント2。
 コーナー上にのせると雪崩式フロント・スープレックス。
 コーナーに上りダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。
 担いでコーナーに叩き付ける。
 逆さ吊りになったダンディにニー・ストライク。
 担いでレイザーズ・エッジ。カウントは2。
 ロープに走りラリアット。
 コーナーに上る。
 ダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。
 起こす。
 ダンディが不意をついてノーザンライト。
 カサスが先に起き上がり胸にニー。
 持ち上げてコーナー上に載せる。
 スーパープレックスを狙う。
 ダンディが逆に持ち上げフェイス・バスターで落とす。
 ダイビング・ダブル・アックス。
 ボディ・スラム。
 コーナーに上り背中にミサイル・キック。
 バック・ブリーカー。カウント2。
 パワー・ボム。カウント2。
 インサイド・クレイドル。カウント2。
 もう1発。カウント2。
 カサスがラリアット。
 ダンディがラリアットをかわすと倒してラ・マヒストラル。カウント3!
 ダンディの勝利(8分)!

試合結果

@3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(2-1)(7/3/92)
A世界ライト・ヘビー級王座戦、3本勝負:リスマルク(ch)vs.エル・サタニコ(新チャンピオン!)(2-1)(7/17/92)