CMLL:Best of 2012の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | ライトニング・マッチ:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(1/27/12) ウェルター級王座戦、3本勝負:ラ・ソンブラ(ch)vs.ネグロ・カサス(Puebla 2/13/12) カベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(3/2/12) 3本勝負:レイ・コメタ、スターマン、ストゥーカJr. vs.プーマ・キング、サングレ・アステカ、ヴィルス(6/22/12) |
@ライトニング・マッチ:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(1/27/12)
カサスがジャケットで首を絞めれば
パンテルがアンクル・ロックを極めながら噛み付く。
荒々しい遺恨の中に技術が光る、
この抗争に期待するものをばっちし見せてくれます。
ライトニング・マッチなので前哨戦として見ていましたが
エプロンからテーズ・プレスを狙ったカサスを
パンテルがキャッチして鉄柱にぶつけており、
本人たちには抑え目のファイトにしようという気なんてまるでない。
身を削る攻防は実に熱い。
最後は4の字を決めた状態でいざこざを起こしている内に10分時間切れ。
試合後カサスがパンテルに股間を蹴り上げ、スキップを踏んで悠々と退場。
ルチャで且つ、10分という試合時間のため
他のプロレスに比べボリュームが劣ることは否めないが
オール・イン・オールの遺恨戦として世界トップ・レベルです。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:3/14/12)
Aウェルター級王座戦、3本勝負:ラ・ソンブラ(ch)vs.ネグロ・カサス(Puebla 2/13/12)
まずは冷静にレスリング。
ソンブラがカサスに相応するものを見せています。
張り手を始めてお約束的展開かと思いきや
ソンブラが能動的に工夫を織り交ぜ自ら道を築いていきます。
この意思表示は良かったですね。
ダブル・ムーンサルトでまずはソンブラが1本。
カラスが場外で間を置き、エプロンに戻った所からの攻防で
ラ・マヒストラル決着に持って行き1-1。
どちらも綺麗に自分の形で纏め上げましたね。
3本目。
相手がロープに走るのを防いだり、
ビッグ・ブーツを打ち合ったりと張り合いの展開へ。
50歳を超えるカラスに容赦ないニーを叩き込んで削りにいったりと
フォール以外の所での鬩ぎ合いが見応えあります。
ソンブラはプロレスが上手くなりましたね。
数年前より見せ方の幅が広くなりました。
カラスのエプロンのからのテーズ・プレスを
ソンブラがキャッチし鉄柱にパワー・ボム。
この決定的なスポットからソンブラが押し切るかと思いきや
カラスの粘りに悪徳レフェリー、ティランテスが加わってというのが終盤の見せ場。
最後は早めのカウントによる決着でしたが
試合をぶち壊すレベルではなく演出としては悪くないですね。
素晴らしい試合でした。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:2/27/12)
B3本勝負:ヴィルス、アルカンヘル・デ・ラ・ムエルテvs.ヴァリエンテ、フエゴ(2/25/12)
じっくりとレスリング。
1本目開始時にレスリングを行なうのは珍しくないですが
今回は時間的な制約もなく、かなり長いこと行なっていますね。
フエゴは他よりも劣りますが貴重なハイ・フライヤーとして機能。
ダイブを防いだところから控えを絡めたジャベで1本目をフィニッシュ。
2本目。
それぞれがその場に必要な攻防を
持ち前の鉄板の動きでこなしていきます。
只凄い技やスピードに頼らない分熱狂はないですね。
3本目はヴィルスらのリング支配。
1対2スポットからニア・フォール合戦に移り、
最後にダイブを持ってくるという構成でした。
全体的にじっくり見せようという心構えがあって
ヴィルスらの技術を堪能できたけれども
試合としてはなんだかギアもかからずまったりしていましたね。
平均的な良試合。
(執筆日:3/14/12)
Cカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(3/2/12)
これまでの戦いのような乱戦要素がないので
決着戦としては少々拍子抜けするところもあります。
しかしその分技術の髄を尽くす内容となっています。
1本目はカサスが頭部に容赦ない打撃を叩き込み、
パンテルはどうやって対抗するのか、と思わせたところで
隙を突く脇固めでパンテルが先取。
2本目はパンテルが引き続き腕狙い。
カサスがサブミッションの体勢を変えストレッチ・マッファー。
パンテルに比類する技術を示した上で
余裕を確立し他の技でも決めれる状況で敢えてラ・マヒストラルでフィニッシュ。
1,2本目どちらも素晴らしいフィニッシュでしたね。
3本目はじっくりとレスリングで魅せる。
背で逆さまに締め上げられても肩車の状態に持っていってヴィクトリー・ロール。
伝統的な力強さを感じさせるムーブを今尚出来るのには感心しました。
終盤はパンテルが疲労を滲ませて盛り上げ最後はダブル・フォール。
ルチャ的で演出がやや足りませんが、ふさわしい決着です。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:3/14/12)
Dヒストリコ王座戦:ヴォラドールJr.(ch)vs.プリンス・デヴィット(CMLL 3/30/12)
とりあえず素早い攻防でスタート。
ルードに対してはルードに対しての応援がありますが
今回はデヴィットに対しブーイングが起こっているのが興味深いですね。
やや戸惑いながら相手との合わせ方を測りつつ1本目をバック・クラッカーで締めます。
同じような形でデヴィットが1本取る。
序盤のレスラーの自己紹介を最初の2本で行なう、メキシコの典型的な構成ですね。
3本目はハードな技で一進一退。
デヴィットが上手く転がしてジャベを決めたのは予想外でしたね。
1本目と同じく2人流れに任せて動けないからこそ
それぞれ気を緩めず最後までやりきりました。
シンプルで特別な試合にまではなりきらず。
中々良い試合。
(執筆日:4/15/12)
Eオキシデンテ王座戦、3本勝負:奥村重雄(ch)vs.ヴァリエンテ(5/1/12)
まずは防御に徹する奥村に対しヴァリエンテがこじ開けるレスリングを提示します。
奥村は演舞後、握手を求めつつクローズラインでヒールっぷり。
一進一退の中で奥村が丸め込みで1本です。
2本目はヴァリエンテが勢いのある攻めでトペ。
ジャベにつなげて追いつきます。
3本目は演舞の中でカウンターを豊富に取り組んでいます。
インパクトに劣る奥村が調整力で一線級の勝負をやってのけました。
最後の持って行き方が弱かったのが惜しまれるものの奥村のシングル・ベストです。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:6/5/12)
F3本勝負:レイ・コメタ、スターマン、ストゥーカJr. vs.プーマ・キング、サングレ・アステカ、ヴィルス(6/22/12)
1本目はスターマンとヴィルスがレスリングを、
プーマ・キングとコメタが抑え目にハイ・フライを、
ストゥーカとアステカがエース・プレイヤーとしての攻防を見せました。
控えも含めて攻防をチェーンさせると
ダイブを敢えて温存したまま、まとめあげました。
3本目に配慮しつつもあっさりしているとは思わせない程
アクション量があり期待感を生み出しているのはルチャにしては珍しいですね。
2本目。
ヴィルスとスターマンが再び合い見えますが1本目よりスピード感が上がっていますね。
ストゥーカのアピールやプーマの受身、アステカのラフ・ファイトと続いて行く。
時にスター選手の試合より高度な戦いが要求される戦場で
継続的に結果を残してきただけのことはありレベルは高かった。
中でもヴィルスとストゥーカの攻防は素晴らしかった。
いつもと同じくらいの長さの2本目でしたが密度が濃かった。
プーマらルードがそのままマスク剥ぎを狙いに行きます。
ルード支配の展開と思いきや間を置いて惹きつける狙いだったのは意表を突かれました。
ニアフォールを含みながら加速し始めます。
このスピード感でこれだけ豊かなものを見せるか、と感嘆する攻防。
ロープ悪用からヴィルスが脱落します。
普通この後は典型的流れに(合体技に行き1人が注意を反らすと丸め込みに返されて、とか)いくことが多いですが
1回フォールが決まったとは思えない攻防を続けます。
花道の相手を場外プレイヤーにモンキー・フリップでぶつける等迫力あるスポットもありました。
最後はルードが股間を蹴り上げDQフィニッシュ。
しかしその結末で傷がつかないほど充実の内容でした。
文句なしに好勝負。
注目試合の詳細
なし試合結果
@ライトニング・マッチ:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(10分時間切れ)(1/27/12)Aウェルター級王座戦、3本勝負:ラ・ソンブラ(ch)vs.ネグロ・カサス(新チャンピオン!)(2-1)(Puebla 2/13/12)
B3本勝負:ヴィルス、アルカンヘル・デ・ラ・ムエルテvs.ヴァリエンテ、フエゴ(2-1)(2/25/12)
Cカベジェラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:ブルー・パンテルvs.ネグロ・カサス(2-2)(ダブル・フォール)(3/2/12)
Dヒストリコ王座戦:ヴォラドールJr.(ch)vs.プリンス・デヴィット(新チャンピオン!)(CMLL 3/30/12)
Eオキシデンテ王座戦、3本勝負:奥村重雄(ch)vs.ヴァリエンテ(5/1/12)
F3本勝負:レイ・コメタ、スターマン、ストゥーカJr. vs.プーマ・キング、サングレ・アステカ、ヴィルス(2-1)(DQ)(6/22/12)