TOP日本のプロレスUWF →UWFi:Best of UWFi 1992

UWFi:Best of UWFi 1992の分析


名勝負 なし
好勝負 金原弘光vs.前田雅和(5/8/92)

安生洋二vs.田村潔司(8/28/92)

山崎一夫vs.田村潔司(10/23/92)

@金原弘光vs.前田雅和(2/15/92)
 当時前座として毎回組まれていたカード。
 同一カード3戦目。
 
 のし上がる為に相手を倒す。
 ベーシックな原理の基で、
 荒削りではありますが、鬩ぎ合っていて、
 それはエキサイティングなMMAに見える質感です。

 試合時間が15分と限られている中で、
 焦り、燃焼する様は見ていて気持ち良い。

 中々良い試合。

A金原弘光vs.前田雅和(5/8/92)
 この前座数え歌の最後の試合となった5戦目。

 体勢低くしたところに蹴りを入れてKOを狙ったり、と戦術性も
 打撃自体の切れ味も"プロ"としての殺傷性を備えています。
 
 4戦目を見れなかったので2月からの比較になりますが、
 わずか3ヶ月でここまで進化したかと驚きました。

 その攻防から次にどう移って狙うか良く理解しています。

 リアルで高度な攻防は
 時間経過と共に品質劣化せず、
 トップ・ファイターのメイン・イベントに劣らない出来でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/22)

B安生洋二vs.田村潔司(8/28/92)
 昨年激闘を見せた両者。

 田村が開始前に張り手を構し意気込み。
 1年経って更に切れ味を増した攻めっぷり。
 
 安生も格下相手だと遠慮することなく
 その懐の深さを発揮し魅力的です。
 
 テクニカルな鬩ぎ合いの上で
 攻防の頂点となる絵も作られていますね。

 続いて仕掛けに対するカウンターで初ダウンなど
 展開を通して心理的な攻防も描かれます。

 密着性のあるグラウンドにおいて
 田村が更に極まる状態に持って行こうと殺気を放って向かうのに対し、
 安生は膠着してふと気が緩んだ隙に(戦い手が、そして観客が)
 するりとサブミッションに持って行っていて、
 これぞシューティング・スタイルのベテランvs.若手の理想形だな、と思いますね。

 昨年と同じく田村にはこの激しいプロレスを30分やる体力が
 まだ身についておらず後半は劣勢確定で攻めの切れ味は物足りなかったです。
 それでも30分生き延びられるかというお題目があったので、
 終盤にもストーリーが合って前回を超える試合となっていました。
 
 これだけ見応えのある試合をしたのですから
 4度目のシングル対決をほんと組んで欲しかったですね。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:5/?/22)

C山崎一夫vs.田村潔司(10/23/92)
 山崎のプロレスラーと田村のアスリートが混ざると
 こんなに面白くなるかとワクワクしっぱなしの試合でしたね。

 山崎はシュート・スタイルを
 非常にプロレスの枠組みの中で理解しているので、
 見せ場の演出が本当に上手いですね。

 田村は一瞬にかける気迫、切れ味が
 このスタイルのレスラー内の中でも桁違い。
 
 今にも決まりそうシーンが連発。
 それもお互い維持を張ってやり返すのでスリリングです。

 後半になってそのスリリングさが少し控えめになったものの
 最後の鋭くまとめたクライマックス・シーンは見事で満足度は限りなく高い。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:4/?/22)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@金原弘光vs.前田雅和(15分時間切れ)(2/15/92)
A金原弘光vs.前田雅和(5/8/92)
B安生洋二vs.田村潔司(30分時間切れ)(8/28/92)
C山崎一夫vs.田村潔司(10/23/92)