SMASH:SMASH 20 8/11/11の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
@初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:TAJIRI vs.石川晋也
石川がヘビー級のごつさを持ったスタイルを提示したにも関わらず
タジリは初手ネック・ブリーカー、スリーパーというひどい攻め方。
タジリの行動に後手に回った石川も石川だけどね。
タジリは試合が進んでも改善されず、
持ち技ハンドスプリング・エルボーの高度は低いし、
急に疲労モードに入るしでしっちゃかめっちゃかな行動でした。
ひどすぎる試合。
A初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:ゼウスvs.AKIRA
AKIRAは腕と脚二兎を追って一途をも得ず。
散らしていると実況に説明してもらっているが
ゼウスが何も反撃していないのだからそんな必要性はありません。
相手との関連性から見る試合運びとしては意味をなしていないが
団体側がAKIRAは技巧派なのだと言い張る上では効果的です。
そういうキャラ付けへの意識に関してSMASHは他の団体より高いレベルにある。
ゼウスはパワーを示す際に工夫する意識はあるが、
元のベースが粗くて安定していないのが何よりの問題。
悪い試合。
B初代ディーバ王座決定トーナメント準決勝:真琴vs.セリーナ
真琴はリスト・ロックの攻防すら満足に出来ない。
拍手を要求する動作も素人でとてもWWEを目標に掲げている人間とは思えません。
見栄えの良い技を適当に出しているだけ。
攻めの比率が増したせいで応援を引き出す生来の魅力も失っている。
SMASH入りは間違った決断にしか見えない。
悪い試合。
C宮本裕向、Ray、YO-HEY vs.木藤拓也、紫雷美央、児玉ユースケ
YO-HEYは側転など円の形を意識していて動きが大きく見えます。
宮本は身軽さとパワフルさ両方の技を見せてアピール。
Rayは特に印象に残るような技使いではないが
マスク・デザイン含めたビジュアルが本当に素晴らしい。
児玉は蹴りの打ち方が独特で緩急がある。
木藤と紫雷は他より劣るもこの試合のセクハラ・ストーリーの主役です。
トリオ・マッチの構成としてはとても優れているとはいえないが
全員がそれぞれの意味合いで絵になるので楽しめる。
悪くない試合。
D藤波辰爾vs.Mentallo
序盤は誰でも出来る基本的な事をやっただけ。
その後はMentalloの技披露
→藤波がドラスクX2、スリーパーでフィニッシュ
それぞれ1ターンで終わる簡易構成。
こんなのサンドバック相手にやってれば良い。
悪い試合。
◆栗原が参戦を表明。
E初代ディーバ王座決定トーナメント準決勝:華奈vs.朱里
華奈は少々太りましたね。
髪型を変えた事も相まっておばさん臭くなっている・・・。
霞で食っているレスラーなのだからイメージは大事です。
ファイト・スタイルは蹴りをベースにMMAサブミッションで仕留めるという形。
相手から3カウントを奪う以上の、潰す、という意味合いを持たせる目的があります。
それに伴いサブミッションに説得力を持たせるため
MMAサブミッションへの入り方をいちいち工夫していますが過剰です。
それよりも入るスピード、キレを持たなければいけません。
格闘技スタイルとはシンプルさの追求です。
頭を使った工夫の前に汗をかく必要がある。
体重コントロールも出来ず、蹴りを打つ際のバランスが悪くなっているようではいけません。
一方の朱里は優れた蹴りと、覚悟を感じさせる面構えを持っている、
現在の日本の女子レスラーの中でもトップ・クラスの資質を持った選手です。
しかしこの華奈との抗争は真っ直ぐ伸びれば良い朱里に
いらぬ毒を食わせて迷いを生んでいるようにも見える。
元々心に訴えかけられる選手なのに
必要以上に感情の吐露を求められ(SMASHはとにかく分かりやすさを強いる)、
この後だったか階段の踊り場で泣き叫ぶ、おかしなプロモを行う事になるし、
この試合でも感情移入にあたって重要な「受けて痛がる」、
相手のMMAサブミッションに対するスケール・アップという要素が欠落する事になっている。
SMASHで3度目の対決にも関わらず5秒先の未来が共有できていないシーンも散見され、
取り合えず感情的に打撃を打って埋めようという姿勢などの低いレベルの構築。
一応もう1試合と違って準決勝らしいニア・フォール、総力戦にはなっているのが救いか。
まあまあ良い試合。
F初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:VENENOvs.大原はじめ
VENENO良いねぇ。
悠然とした立ち構えでメキシコの神というギミックを演じている。
お客さんが一緒に出来る手の動き、掛け声のウッハッも良い。
試合面を見ても構築するためにどう空間を使うべきかを分かっている。
トータルで見て今回の参戦者の中で一番価値があるレスラーでしょう。
大原もFCF入りのギミック追加は良く、
それによって得た必殺技FCFの十字架を使って
最後にVENENOの奇跡の右手と漫画みたいな攻防をしている。
しかし試合面で言うとこちらは落第点で、
受け手に回るのは当然ながら何もしていないのが問題。
そこで小さい反撃をこつこつ入れないと
相対的に手数の多いVENENOは無駄手の多い小物に見えてきます。
相手は神ギミックだというのにね。
悪くない試合。
G初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:スターバックvs.天龍源一郎
藤波はレスリング・ベースだから格好はつけれるけど
天龍は打撃ベースだからそれすら出来ない。
天龍の実体を持たないチョップに痛がってやらなくてはならず
スターバックが下手なスカッシュ・マッチをした内容でしかない。
ひどすぎる試合。
試合後スターバックが天龍に勝ったぞ、とアピールしているとVENENOが現れ脳天チョップ。
大原がスターバックを助け出しロープ越しにウッハッとシャッのアピール合戦。
その後AKIRAとタジリがリングに上がり、という事は準決勝もう1試合は俺たちの対決だなといって固く握手。
総評
FCFに続きVENENOというキャラを生み出した事には感心する。
プロレス初心者でもどんなレスラーか説明できるキャラを集める
漫画のような世界観、方向性はぶれていない。
しかし相変わらず男子の試合内容がひどい。
(執筆日:9/1/11)
注目試合の詳細
なし試合結果
@初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:TAJIRI vs.石川晋也A初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:ゼウスvs.AKIRA
B初代ディーバ王座決定トーナメント準決勝:真琴vs.セリーナ
C宮本裕向、Ray、YO-HEY vs.木藤拓也、紫雷美央、児玉ユースケ
D藤波辰爾vs.Mentallo
E初代ディーバ王座決定トーナメント準決勝:華奈vs.朱里
F初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:VENENOvs.大原はじめ
G初代SMASH王座決定トーナメント2回戦:スターバックvs.天龍源一郎