FMW:Best of FMW 2000の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
@60分アイアン・マン・マッチ:冬木弘道vs.ハヤブサ(9/26/00)
まずは通常のプロレス。
冬木は奇声を上げながら攻撃するタフ・マン・キャラを演じ、
ハヤブサは劣勢に陥りながらやられ姿で細かく見得を切ります。
意外にしっかりした序盤で感心しましたね。
これなら時間をかけるに値しましたが、
我慢できずに6分経過時に冬木がハヤブサをパワー・ボムで場外テーブル葬。
これは早計にして不適切なスポットです。
実際フォールにつながらず只冬木が優位性を確立しただけです。
冬木の支配時にターン・バックルを外し始めるのも意味不明。
奇人キャラなんでしょうが
60分アイアン・マン・マッチという理の世界においては不要です。
ハヤブサが形勢を逆転して腕狙い。
腕狙いと他の技とのバランスが中々良かったですね。
冬木のタフ・マン・キャラとも相性が良く
見応えのある攻め合いが続きました。
ただこれで決めるという気は感じられませんでしたね。
60分あるので飛ばせないのは分かりますが
この手の攻防には少しぐらいその色気があるべきで、
その結果としてまだその時でないことを知り
短期的な決着を諦めるという攻防です。
勿論60分故に飛ばせないという事情もありましょう。
だからこそやはり序盤のレスリングが6分で終わらせたのは短かったといえる。
20分経過しハヤブサが場外で冬木の腕に椅子攻撃、
場外パワー・ボム、コーナー・ポスト越えのトペコンとラッシュを仕掛けます。
スポットの配置は見事でしたが、スーパープレックスに切り返されて
ハヤブサが沈んだ際にはスポットのダメージ設定がどうなっているのか、と
首を傾げざるを得ないですね。
カウント3後、インターバルもなく冬木が連続してカバーし、その結果カウント2だったため
何故先ほどはカウント3になってしまったのか、と余計に疑問が膨らんでしまいます。
30分経過後、劣勢に立たされたハヤブサはラリアットを食らい2本目も取られてしまいます。
マスクも剥ぎ取られ、椅子攻撃で流血までする。
展開を明確化するための行為がくどいですが
日本人離れしたスターとしての見せ方を心得た
ハヤブサにとっては意を得た展開で素晴らしい流れで1本取り返します。
ここで35分。
その後、シーソー・ゲームが続き、素晴らしい内容でしたが、
4分でハヤブサが2本取り、45分で3-3に追いついてしまいます。
実に勿体無いですね。
そして15分残して本数が同じとなり背景がリセットされたために
その後のバランス・ゲームはクオリティが劣り、
また15分持たせられずで無理のある返しあいに陥ってしまっています。
試合後に俺たちは全力を尽くしてぶつかりあった、とハグしたりする
演出ありきで終盤の配分を考えてしまった印象ですね。
日本でこの形式が上手く扱われるのか心配していましたが、
予想を超えて形式を理解した良質の構成でした。
しかしもっと改善できる部分も目立ち、好勝負には少し届かず。
(執筆日:2/2/12)