FMW:Best of Megumi Kudoの分析
名勝負 | コンバット豊田引退試合、インディペンデントワールド女子&WWA女子王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線電流爆破デス・マッチ:コンバット豊田(ch)vs.工藤めぐみ(5/5/96) |
好勝負 | コンバット豊田、バイソン木村vs.工藤めぐみ、アジャ・コング(12/21/95) |
@コンバット豊田、バイソン木村vs.工藤めぐみ、アジャ・コング(12/21/95)
同期生対決。
コンバットの上手さが光りますね。
工藤相手の時にしっかりアピールし
アジャとの重戦車対決につなげている。
バランス感覚が見事です。
バイソンはリズムをつけたりタッグとしてのサポートが素晴らしい。
この試合がタッグ・スポットによって現代的に構成してのけたのも彼女に依るところが大きいでしょう。
アジャは自分のすべきことを分かっていて
コンバットとの攻防も安定感がありました。
工藤は軽量級として存在価値はありますが、
やられている時何もしないんですよね。
受け時は相手のままにするだけで何も貢献できない、と理解してしまっている。
やはり他3人とレスラーとしての差は歴然としていますね。
重量級が揃っていて緩急の急が弱いのでその点でもう少し貢献もしたかった。
FMW女子の通常形式だとベストの内容。
ぎりぎり好勝負です。
Aコンバット豊田引退試合、インディペンデントワールド女子&WWA女子王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線電流爆破デス・マッチ:コンバット豊田(ch)vs.工藤めぐみ(5/5/96)
2本が有刺鉄線で、もう2本が電流爆破となっています。
女子が電流爆破に臨むのはこれが初になります。
奇を衒った一戦に見えるかもしれませんが、
開始してすぐにその考えは間違いだと思い知らされます。
豊田が立ち位置を微調整しながら受け。
組んでの押し込もうとする様もしっかり見せています。
全女脱落組みで全女色を強く引きずらず
それでも尚プロレスを続け精進したコンバットならではの上手さです。
また試合形式のギミックを上手く扱いながらも
目の前の工藤を見据えた攻防が出来るんですよね。
素晴らしい。
一方の工藤も蟹バサミからの脚狙いや執拗なヘッド・ロック、と戦略を用意しており
爆破ありきでも、引退という記念試合でもない試合に一役買っています。
そして遂に爆破スポット。
工藤、コンバットとそれぞれ一発ずつ食らいます。
工藤が死んだようにぐったりダウンするのに対し、
コンバットは膝を突いて崩れる倒れる違いが良いですね。
工藤はサブミッション、コンバットは高さのある投げを武器に
自分の肉体のみでの攻防を十分見せた後この試合一番の見せ場。
コンバットが飛び掛ってきた工藤をキャッチし、そのまま背後の有刺鉄線にジャーマンを決め両者爆破。
思うように動いてくれない体を情念で何とか起こす様は感動を誘います。
爆破マッチという色物であるはずの形式が他のどの試合よりも本物であった試合。
ぎりぎり名勝負です。
(執筆日:3/4/12)
Bノー・ロープ有刺鉄線デス・マッチ:工藤めぐみvs.神取忍(LLPW)(3/14/97)
序盤レスリングと有刺鉄線を同一化させてみたものの違和感は否めず。
神取が有刺鉄線で殴りつけ工藤が流血。
工藤はその後もエプロンの有刺鉄線に身を投じるハード・バンプを披露します。
工藤が劣勢から盛り返すと神取もまた結構な流血。
しかし序盤のように形式を上手くこなしている訳ではなく
女子なのに顔面を真っ赤に据えているというのが売りでしかないですね。
ただ終盤にかけては工藤が技を駆使して予想を超えてボリュームある見所を用意している。
平均的な良試合。
(執筆日:3/4/12)
C有刺鉄線バリケード・マッチ:尾崎魔弓vs.工藤めぐみ(4/18/97)
まずは場外有刺鉄線ボードへの落下、
ロープ位置の有刺鉄線が危険であることをアピール。
ただ比較的あっさりと尾崎が有刺鉄線に絡まり流血します。
尾崎がパワー・ボムのフォールを返した勢いで
工藤が場外有刺鉄線ボードに落下したターニング・ポイントは面白かったですね。
2人の表情、アピールでより印象付けれたとは思いますが…。
その後もそうですね。
工藤の投げ技にキレがあるから良かったものの
どちらも技のインパクト、切り返しの見せ方、攻防の抑揚に改善の余地は十分にあった。
平均的な良試合。
(執筆日:8/1/12)
D工藤めぐみ引退試合、WWA女子、インディペンデントワールド女子王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線 電流爆破バリケード・ダブル・ヘル・デス・マッチ:シャーク土屋(ch)vs.工藤めぐみ(4/29/97)
ロープがあるべき2つのサイドに電流爆破付有刺鉄線が張られており
残る2つのサイドはノー・ロープで横のエプロンに電流爆発付有刺鉄線ボードが敷かれている形式です。
序盤は定番どおり有刺鉄線にぎりぎり触れない攻防。
普通の有刺鉄線と違い爆破付なので触れるか触れないかしかないとはいえ
ただその攻防を時間を埋め合わせるように羅列しているだけ。
工藤がダウンしてからのシーンを見ても
土屋はとても試合運びが出来ずダンプ松本の系譜にあるレスラーですね。
とても感心できる試合ではありませんが要所の爆破は派手で
その間を少なくとも埋めることは出来ている。
何より一通り爆破を終えた後のプロレス技による攻防は
引退試合としてのイニシエーションとなっており切なさがこみ上げてきます。
最後は土屋が有刺鉄線際の工藤にボディ・アタックで道連れ爆破、
衝撃で倒れると有刺鉄線側の工藤がそのまま上にかぶさる形となりカウント3。
これ以上ないドラマチックなフィニッシュでしたね。
ブックは素晴らしいしが、コンバット豊田引退試合と比べるとあまりにブックだけの内容。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:2/16/12)
注目試合の詳細
なし試合結果
@コンバット豊田、バイソン木村vs.工藤めぐみ、アジャ・コング(12/21/95)Aコンバット豊田引退試合、インディペンデントワールド女子&WWA女子王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線電流爆破デス・マッチ:コンバット豊田(ch)vs.工藤めぐみ(新チャンピオン!)(5/5/96)
Bノー・ロープ有刺鉄線デス・マッチ:工藤めぐみvs.神取忍(LLPW)(3/14/97)
C有刺鉄線バリケード・マッチ:尾崎魔弓vs.工藤めぐみ(4/18/97)
D工藤めぐみ引退試合、WWA女子、インディペンデントワールド女子王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線 電流爆破バリケード・ダブル・ヘル・デス・マッチ:シャーク土屋(ch)vs.工藤めぐみ(新チャンピオン!)(4/29/97)