TOP日本のプロレスその他 →大日本プロレス:Best of 2013

大日本プロレス:Best of 2013の分析


名勝負 デス・マッチ王座戦、ブラッド・レイン・デス・マッチ:石川修司(ch)vs.竹田誠志(6/30/13)
好勝負 ストロング・ヘビー級王座戦:関本大介(ch)vs.円華(8/27/13)

高岩竜一vs.岡林裕二(8/27/13)

@2つの十字架の殺戮:葛西純vs.沼澤邪鬼(1/3/13)
 基本的に緩いレスリングからスタート。
 続いて2つのコーナーの十字架と
 板張りのリングという形式上の仕掛けへ。
 前者に関して言えば剃刀が沼澤を大流血に追い込み、
 それを注目ポイントに生んでいる。
 ただしボードなので使い方に幅がなく今回も例外ではない。
 後者に関して言えばリングが板張りであることがどう影響するか
 それを含めて再構築しなければいけない訳で
 それ程の上手さは当然に存在しない。
 結局はボードを外して穴を開けるスポット頼み。
 それは確かに強烈なスポットですが、
 毎回やって価値を下げるのはどうかと思いますね。
 そう思わせる程度のクオリティでしかなかった。
 平均的な良試合。
 (執筆日:4/7/13)

A一騎当千公式戦、サムライ魂デス・マッチ:竹田誠志vs.木高イサミ(3/30/13)
 試合時間もない中、自分達の良さを出すために
 スピード感を出してきたのは良いですね
 いきなり流血したのも良い感じ。
 スポットを終えてもテンポを落とさず突き抜けます。
 ただ終盤はドラマ性を出すために
 もう少し間を開けてもと思う部分はありました。
 また単純に相同性へと転じるのも勿体ない。
 情熱で駆け抜けた一戦。
 好勝負に少し届かず。

B一騎当千決勝、デス・マッチ3本勝負:伊東竜二vs.木高イサミ(4/10/13)
 (1本目がTLCマッチ、2本目が蛍光灯&ブロック・デス・マッチ、3本目が残骸デス・マッチ)
 アピールや攻防に緩い部分があり、
 決勝という舞台とは思えない出だしです。
 ラダーを始めとしたスポットは良さげですが、
 スポット以外の落とし込み、繋げ方が甘かったですね。
 また3本勝負ということで1本目の決まり方も弱い。
 デス・マッチに3本勝負は向いていない気がするんですけどね。
 しかし2本目のフィニッシュは熱があり改善傾向。
 3本目開始時に根性比べに変調させたのもOK。
 しかし、そこで椅子でバリアしようとする緩さなんで出してしまうのが残念。
 高所を使ったスポットで盛り上げるも特別な試合にはなりきらず。
 まあまあ良い試合。

Cデス・マッチ王座戦、蛍光灯+ガラスボード+剣山○○個デスマッチ:石川修司(ch)vs.伊東竜二(5/5/13)
 伊藤らしいオーソドックスな入りでスタート。
 丁寧に蛍光灯をわりあって着実にクオリティを高めます。
 責任感、タフさには定評がありますからね。
 剣山の上でも普通に攻防を続け、
 ガラスボードを加えて更なるステップ・アップ。
 良くも悪くも伊東らしい内容で特別な要素に欠ける印象があったものの
 最後の真っ向の打撃戦は気持ちが完全に入っていて、
 足りなかったサムシングを提供して試合を終えることができました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dストロング・ヘビー級王座戦:関本大介(ch)vs.河上隆一(6/30/13)
 河上は体の芯ががぶれていないのは良いですね。
 体重の重みを減衰することなく伝えられています。
 しかし普通に関本が主導権を握る形になっていて、
 Risingを優勝して臨んでいることを考えると掴みが弱い。
 尖りすぎないような広い構築で良質ではありますけどね。
 大きな意味性はないが少なくとも意味のない試合運びもありません。
 ボストン・クラブを耐え抜いた河上が
 エルボーを武器にラリアットに立ち向かいます。
 感情むき出しの肉弾戦で追い上げていく様に会場も盛り上がりました。
 しかしストロングBJの試合としては
 元々そういう性質がある事を考慮するとこれまた弱し。
 河上が余りに等身大で、
 レスラーとしての化け物感を覚えなかったことが
 今ひとつこの試合に魅力を感じなかった原因でしょうね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Eデス・マッチ王座戦、ブラッド・レイン・デス・マッチ:石川修司(ch)vs.竹田誠志(6/30/13)
 初対決のせいもあってか最初のレスリングは微妙ですが、竹田が軌道にのせる。
 観客の絶対的な支持の中、それを楽しむ度量を見せている。
 受けっぷりといい見事にポスト葛西になっていますね。
 良い感覚の一進一退を行って中盤戦。
 石川は受け手の時はしっかり受けますが、
 攻め手に回った際には無駄に疲労感を出さず強靭さをアピール。
 ここぞのクレイジー・パフォーマンスで一気に終盤はヒート・アップ。
 全日の四天王プロレスとも新日の気合の打ち合いとも違った
 自然で、それでいて純粋な一進一退の作り方は
 デス・マッチ・ファイターならではの過激なスポット、投げ方以上に感心しました。
 2013年のデス・マッチ・オブ・ザ・イヤーであることは間違いないが、
 プロレスとして見ても同じくらい評価して良い程、レベルの高い一進一退でした。
 ぎりぎり名勝負。

Fストロング・ヘビー級王座戦:関本大介(ch)vs.円華(8/27/13)
 円華のスピードにつきあうと見せかけて関本がパワフルな投げ。
 ここで円華が沈むかと思いきや、
 すぐに起きあがってビッグ・ブーツ。
 対等にビッグ・ブーツを撃ち合います。
 連続的なシーン展開の中で関本の腕を鉄柱にぶつけ腕攻めの布石。
 円華が新しい領域に踏み込んだと感じさせるファイトですね。
 受けの表現がやや弱い印象もあるが、
 体が軽くて身長もあるので
 単純に技を受けるだけで作り出せるものもあるので良いかもしれませんね。
 後は本来のハイ・フライとの融合という点で甘い部分もあるかな。
 しかし、そういう粗さこそが
 新しいスターが生みでようとしているのだという
 エモーショナル空間創出に一役買っているのも確か。
 まさしくインディーならではの試合と言えるでしょう。
 ぎりぎり好勝負。

G高岩竜一vs.岡林裕二(8/27/13)
 グラップルすれば体格で勝る岡林は打撃で倒せるので、
 高岩は腕狙いのサブミッションで動きを封じにかかります。
 これにより岡林の試合運びが誘導させられている感を
 テンポでもってしっかり演出しているのが上手いですね。
 終盤もキー・ポイントが分かりやすく、
 これが決まれば勝敗が決まってしまう、と
 観るものも盛り上がりやすいですね。
 外敵対決に打ってつけです。
 最後は一発逆転のアーム・バーで劇的に高岩の快進撃を印象付けました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/?/17)

Hデス・マッチ王座戦、カルチャー・オブ・デス:石川修司(ch)vs.木高イサミ(11/4/13)
 (ケージ・マッチ+蛍光灯、ブロック)
 木高が普通に振り返したりと体格差の見せ方が甘いですね。
 ただ石川の攻めは木高の軽さを存分に利用している。
 しかし、被虐/応援を煽る意図は不十分で
 効率的に構築されているともいえません。
 終盤にかけてもギア・チェンジできずギャップが生まれない。
 最後の攻防ぐらいは熱があったけれども普通の内容。
 まあまあ良い試合。

注目試合の詳細

なし

試合結果

@2つの十字架の殺戮:葛西純vs.沼澤邪鬼(1/3/13)
A一騎当千公式戦、サムライ魂デス・マッチ:竹田誠志vs.木高イサミ(3/30/13)
B一騎当千決勝、デス・マッチ3本勝負:伊東竜二vs.木高イサミ(4/10/13)
Cデス・マッチ王座戦、蛍光灯+ガラスボード+剣山○○個デスマッチ:石川修司(ch)vs.伊東竜二(5/5/13)
Dストロング・ヘビー級王座戦:関本大介(ch)vs.河上隆一(6/30/13)
Eデス・マッチ王座戦、ブラッド・レイン・デス・マッチ:石川修司(ch)vs.竹田誠志(6/30/13)
Fストロング・ヘビー級王座戦:関本大介(ch)vs.円華(8/27/13)
G高岩竜一vs.岡林裕二(8/27/13)
Hデス・マッチ王座戦、カルチャー・オブ・デス:石川修司(ch)vs.木高イサミ(新チャンピオン!)(11/4/13)