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Noah:Best of Noah 2022 part.4の分析


名勝負 GHCヘビー級王座戦:清宮海斗vs.潮崎豪(4/30/22)
好勝負 鈴木秀樹vs.中嶋勝彦(4/8/22)

3ウェイ・ダンス:ニンジャ・マックvs.アルファ・ウルフvs.ドラゴン・ベイン(4/29/22)

タッグ王座戦:杉浦貴、鈴木秀樹(ch)vs.中嶋勝彦、拳王(4/30/22)

@鈴木秀樹vs.中嶋勝彦(4/8/22)
 密着したレスリング。

 実況が、鈴木が何かしらのテクを使って、と説明したように
 言語化しづらく視覚的摩訶不思議さもなく
 そこがもう一アクセント欲しく思ってしまう所ですね。

 ただ音が響く緊張感ある雰囲気自体は良く、
 5分経過のアナウンスと共に動くこともなく、
 おもねらない感じを出すのもまた良く分かっています。

 鈴木が独自の世界観で打撃を入れ込むと
 中嶋も打ち合いには持っていかずその世界観にのります。
 追撃と間を上手く使い分けていますね。

 中嶋がリング中央からコーナーに崩れこむ鈴木に来いよ、と呼びかける
 アクション状の停滞シーンは試合の中でかなり利いていますね。
 
 ここから打撃の耐え合いを混ぜますが、
 一気にギアを上げるという事もなくまったり。

 しかし前回とは違って集中力の脱落者が出ないよう
 フックを散りばめているのは良いですね。

 残り時間が迫る中、適切にまとめました。

 このカードを数え歌化する団体の選択含めて素晴らしい内容でした。

 ぎりぎり好勝負。

A3ウェイ・ダンス:ニンジャ・マックvs.アルファ・ウルフvs.ドラゴン・ベイン(4/29/22)
 ベイン、ウルフのルチャ同士手慣れた演舞に
 マックがそこに入って合わせられているのは
 マックが話題になって場数を踏んだ結果、成長していることを実感させますね。

 3人目が絡まって立体的に交錯。
 ムーブも凄いですが、複雑化する中で細かなリズムの調整が光りましたね。

 ベインとウルフが結託する展開へ。
 ベインが自分で仕留めたいというエゴを持っているせいで仲間割れしますが、
 これは少し分かりづらくて、
 イリミネーション・ルールのある3ウェイ・ダンスだったよね?と
 ルールを錯覚させてしまう可能性があり、改善の余地あり。
 日本人だったら言葉で注釈つけて強引に補足できるんでしょうけどね。
 
 技の配置間隔は少し渋滞、混雑していますが、
 変に意識して萎縮するくらいなら
 こういう風に魅力全面でやり合う方が歓迎。

 最初から最後まで勢いおちず度肝を抜きました。

 メキシコとアメリカから呼んでこういう試合が作れたのは大きいですね。
 この成功体験を積み重ねて、Noahの定番としたいですね。

 最後のシングルは大味でしたが、端的なので問題なし。

 ぎりぎり好勝負です。

Bタッグ王座戦:杉浦貴、鈴木秀樹(ch)vs.中嶋勝彦、拳王(4/30/22)
 鈴木は無闇に張り合わず、かといって引くわけでもなく、
 ハードヒッターの中で独自の緊張感を生み出していますね。
 Noahの中で存在価値高いですね。

 他3人も場に流されず、緊密に一進一退。
 セコンドとしてもフォローは素早く、
 集中力が高く保たれています。

 全体からすると小さな見所もハードで見応えがあり、
 今この瞬間を丁寧に見守らせる結果になっています。
 この4人ならフルタイムすらできそうな予感がありましたね。

 文句なしに好勝負です。

CGHCヘビー級王座戦:清宮海斗vs.潮崎豪(4/30/22)
 序盤の演舞でない所でも清宮が躍動感を見せて輝いています。
 一方で執拗なヘッド・ロック戦略も見せます。
 対小川でも磨いたそれですが、
 今回は型を超えてより攻防に拘りを見せていたのが良かったですね。

 対する潮崎もじっくりと、その攻めを尊重する良い受けを見せていました。

 潮崎がエプロンの清宮にラリアットを決めて中盤に移行。
 焦らずにじっくり作り上げていきます。

 清宮はGHCヘビー級王座を手放した後、
 本来のキャリア年数なりのポジションに下りて時間をかけて試行錯誤。
 武藤とのライバル関係で一度挑戦はしていましたし、
 今回も藤田の欠場による思わぬ形ではありましたが、
 実質的には遂に満を持しての再挑戦となります。

 それを本当に良い経験として消化したんだな、ということが分かる試合運びでしたね。
 潮崎と対等に試合を臨むことが出来ていました。
 ギアを上げつつ中盤としての抑制を効かせ続けます。

 チョップを蓄積させてボルテージを高めていきますが、
 その際に清宮が耐え姿で魅せるシーンは
 なぞってやっているのではなく様になって来ていましたね。

 こういう魅せ方も出来るので作り方に幅が出て来ます。

 弾劾式スポットを挟んで終盤戦。
 ふらふらになりながらも力を振り絞る様は
 Noahテイストの王道を行っており、満足感のある内容に仕上がっています。

 藤田の欠場によるアクシデントで組まれた試合でしたが、
 あるべき内容となっていました。天晴。

 ぎりぎり名勝負。

Dハードコア・マッチ:拳王vs.佐々木大輔(Cyberfest 6/12/22)
 ガンダム・ヘルメットにヨシヒコなど
 通常の凶器に加えてDDTらしい物も加わりますが…

 昨年と同じく、お前のプロレスは認めねぇ、的なストーリーで煽る割に
 試合においてはそれぞれのスタンスが表明されず、
 ストーリーが語られないという欠陥があります。

 セコンドの乱闘も殺気がなさ過ぎて、
 その点では昔の新日を見習いたいですね。

 毎年行われる風物詩とはいえそういう見せ方をするからには本気で入り込みましょう。

 拳王が普段しないハードコア・マッチを見せるというレア感はありますが、
 普通にハードコアに対する受けはそこまで良くなかったです。

 終盤は画鋲入り棺桶や分かりにくい毒霧など
 演出は盛り盛りでしたが、最後まで入り込めなかった。

 平均的な良試合。
 (執筆日:6/?/22)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@鈴木秀樹vs.中嶋勝彦(30分時間切れ)(4/8/22)
A3ウェイ・ダンス:ニンジャ・マックvs.アルファ・ウルフvs.ドラゴン・ベイン(4/29/22)
Bタッグ王座戦:杉浦貴、鈴木秀樹(ch)vs.中嶋勝彦、拳王(4/30/22)
CGHCヘビー級王座戦:清宮海斗vs.潮崎豪(新チャンピオン!)(4/30/22)
Dハードコア・マッチ:拳王vs.佐々木大輔(Cyberfest 6/12/22)