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Noah:Best of Noah 2021 part.7の分析


名勝負 ナショナル王座戦:望月成晃(ch)vs.拳王(11/13/21)

GHCヘビー級王座、ナショナル王座戦:中嶋勝彦(Heavy ch)vs.拳王(National ch)(11/28/21)
好勝負 藤田和之vs.田中将斗(12/27/21)

@ナショナル王座戦:望月成晃(ch)vs.拳王(11/13/21)
 ロー・キックから拳王が脚攻めの流れ。
 展開を強調しすぎず
 望月のリアクションによるフォローも適切。

 攻め手/受け手それぞれが同時に表現を加えて、攻防を輝かせていましたね。

 1試合の中で攻守両面でここまで輝く拳王も中々見られないですよ。

 スピード、過激度ともにMAX水準ではないですが最高に上質感があります。

 まさかこのカードがここまでになるとは思っても見せませんでした。

 終盤も拳王の攻め疲れの表現が絶妙。
 望月が鼻血を流しながら行う渾身の表現と相まって最高のクライマックスで
 これぞ化学反応という内容です。

 そしてそれにふさわしい衝撃のフィニッシュ。
 これは痺れましたね。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:11/?/21)

AGHCヘビー級王座、ナショナル王座戦:中嶋勝彦(Heavy ch)vs.拳王(National ch)(11/28/21)
 身体の揺らぎでフェイントをかけあいながらきょるえつな打撃。
 最小の動きに意味を持たせ、
 フェイントはリアルさと仮想の間を行き、
 そのラインで踏みとどまらず、
 区切りをつけて表現を迸らせています。

 それぞれ中嶋、拳王スタンスの違いが良い形で出ています。
 違う方向から同じ世界観に踏み込みつつも不協和音を生み出さず、
 むしろ引き込む重力波を増強しています。

 7分経過。

 エルボーの打ち合いに演舞。
 中嶋がドラスクからの脚攻めで完全に主導権を握ったのが10分経過。
 通常の長さの試合のようにと見せかけつつ
 間合いの開け方には繊細な注意を払っています。
 この絶妙のバランスはたまらないですね。

 拳王が脚の痛みをこらえながら反撃。
 アンクル・ロックまで持って行きつつ韻を踏んで中盤に回帰。
 ジャーマンの打ち合い、ハイ・キックの同時打ちで両者ダウンし19分経過。
 上手く試合の局面を落ち着かせましたね。

 今度は拳王がエプロンからの蹴りを受け止めドラスクで中嶋を柵にぶつけます。
 ハイ・スポットでありつつあくまで展開は中盤。
 
 この20分から40分の間の20分間は
 バランス感の良さを見せつつも中途半端な部分もありましたね。
 中嶋のダウンの見せ方を変えるポイントなどありましたが、
 他の時間帯と比べると新しい刺激に欠ける所がありました。

 40分を経過すると雪崩式を連打し、
 技の重みのベースラインを底上げします。
 この5分で完全にダウン状態まで持って行く激しい攻防。

 45分を超えて60分の試合時間の可能性も見えて来て、
 そういう時間の使い方をしますが、
 その中でハードな打撃を使ってお約束の一体感を高めていきます。

 一方で定型から意図的に外す場面もあって
 この外す勇気は感服しましたね。

 55分経過し再びの蹴りあい。
 普通ならハードでありつつ
 時間を稼ぐようにも見えるシーンですが、
 何かあるかもしれない、と思ってみてしまうのが今のNoahの信頼感。

 集中力が研ぎ澄まされる中で残り1分のコール。
 打撃音が響き渡る中、最後の情感のこもったラリアットの一撃まで魅せ切りましたね。

 文句なしに名勝負。

 試合後に潮崎がサプライズ登場し、中嶋への挑戦表明。
 ある意味激闘の余韻を断ち切っていますが、
 それもバックステージ・インタビューで回収できる拳王が素敵でした。

B田中将斗vs.丸藤正道(12/7/21)
 タッグ前哨戦。
 
 丸藤が腕に狙いをつけ、田中は脚狙い。
 同じようなことしながらベース・ラインを積み上げていきます。

 お互い部位のダメージを負いながら
 得意技を的確にあてはめて盛り上げていきました。

 分かりやすく的確な内容。
 それが故に特別性には今一歩の物足りなさも残りました。

 好勝負に少し届かず。

C藤田和之vs.田中将斗(12/27/21)
 グラウンドは緊張感があり、
 基本は打撃の打ち合いですが、
 この見せ方も随分上手くなって安定しています。

 藤田がここに来て成長している感があります。

 そして藤田をフォローする田中のボディ・スラムと低空ドロップ・キックのセンスは素晴らしいですね。

 脚攻めも重厚感を醸造していきます。
 20年前のベテランはグラウンドを休むために行う傾向もありましたが、
 今は一生懸命さを際立たせる為に行えています。

 終盤には激しいエルボー合戦。
 残り3分からの変化もしっかり用意し
 ヘッドバット合戦ではわずかながら流血もして盛り上げました。

 見事な試合でしたね。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:11/?/21)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ナショナル王座戦:望月成晃(ch)vs.拳王(新チャンピオン!)(11/13/21)
AGHCヘビー級王座、ナショナル王座戦:中嶋勝彦(Heavy ch)vs.拳王(National ch)(60分時間切れ)(11/28/21)
B田中将斗vs.丸藤正道(12/7/21)
C藤田和之vs.田中将斗(30分時間切れ)(12/27/21)