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Noah:Best of Noah 2021 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 タッグ王座戦:杉浦貴、桜庭和志(ch)vs.中嶋勝彦、マサ北宮(3/7/21)

Jr.ヘビー級王座戦:吉岡世紀(ch)vs.小峠篤司(3/14/21)

清宮海斗vs.小川良成(6/13/21)

@Jr.ヘビー級王座戦:吉岡世紀(ch)vs.小峠篤司(3/14/21)
 吉岡のストレートなキレの押し出し。
 
 小峠もスピードスターなので、
 そのまま合わせても良い演舞合戦で一定の成功を収めたはず。
 そこを小峠が意識的に変化させて調整を図っていますね。
 以前の小峠とは違う新しい姿を見せています。

 エプロン、場外など場を使ったスポットで
 しっかりと攻守の切り替えを演出。

 技種の組み合わせも上手かったですね。

 吉岡が短期間で陥落したのは残念ですが、
 間違いなく結果を残しているので今後も重用して欲しいですね。

 ぎりぎり好勝負。

Aナショナル王座戦:藤田和之(ch)vs.杉浦貴(4/29/21)
 藤田のコンディションが良く、
 KO打撃の予告、レスリングの動きもキレがあります。

 これならヘビー級の迫力押しで行けますね。

 それでもインパクト技だけで構成することはできない中で、
 杉浦が丁寧に受けてくれたことが大きい。

 静と動の組み合わせも良い感じです。

 前哨戦の攻防、同門対決の絵図も活かして
 中盤の作り方も問題ありません。

 音が制限されている会場に響き渡る
 ハード・ヒットな打撃戦で終盤も予想以上。

 藤田が期待以上のパフォーマンスを見せてバトン・タッチ。
 最初どうかな、と思いましたが、藤田参戦を上手く活かしたものだな、と感じましたね。

 好勝負に少し届かず。

B田中将斗vs.清宮海斗(5/2/21)
 ベーシックなグラウンドで落ち着かせ動かして、の試合運び。
 
 そこから田中がエプロンに清宮を連続でぶつけ腰攻め。

 清宮のまっすぐな試合に対する向かい方が良いですね。
 変速を絡めずシンプルな内容ながら見応えがあります。

 清宮は武藤に敗れて一歩引く形になっていますが、
 やはりノアの未来だな、と実感させます。

 細かな調整からダイナミックな移行。
 ここでも全く不協和音なし。
 ボリュームもあり王座戦相当の内容です。

 こういう形でブックを続けてくれるならば
 武藤政権が続いても案外試合を残せそうですね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/21)

Cナショナル王座戦:杉浦貴(ch)vs.桜庭和志(5/31/21)
 杉浦軍同士、スポーツ・レスリングの素地がある者同士ならではの心理戦。
 均衡を崩す前に彩りと幅を持たせることが出来れば出来る程
 桜庭という存在感は輝くというものですね。

 桜庭の一撃性を上手く表現し
 後半の攻防でもバランスを取っています。
 
 後半の伸び幅は桜庭が桜庭であるが故にリミットがかかりましたが、
 この独自の試合内容に適切なフィニッシュ方法を用意していて良かった。

 味わい深い一戦でした。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

D清宮海斗vs.小川良成(6/13/21)
 普段の感覚で切り返し合いになりでしたくなる所を我慢して
 切り返し一回に抑えることで、
 シークエンスの多重層感、パズル的攻防を際立たせていますね。

 清宮の執拗なヘッド・ロックに対して
 小川が鉄柱攻撃から腕攻め。

 小川は部位攻めのバリエーションさがあるので、
 一方通行でも成立する所がありますが、
 清宮のヘッド・ロック狙いが利いていて
 微妙にポイントをずらし合う緻密な戦略論があったのが素晴らしかったですね。

 小川が清宮を場外に落として柵にぶつけたりと環境を使った攻撃で
 テンポ・荒々しさを上げて後半戦。

 清宮も典型的なシークエンスな動きを行いつつも
 感情は激しく、豊かに表現していて輝いていましたね。

 ここで小川が清宮をショルダー・スルーで落とし、
 それで痛めた足に狙いをつけるという展開は蛇足。

 最近の小川の試合には良くあるのですが、
 筋道が通っていても全体構成上は余分な寄り道です。
 ここをカットして丁度30分くらいに収めた方がスマートでしたね。

 しかし課題点はそれくらいで
 基本的には小川が未だに特別な存在であり続けることを誇示し、
 清宮がそういう特殊なカテゴライズの中でも
 自分を輝かせる方策を見つけたという点で更なる成長を示した素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり好勝負。