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Noah:Best of Noah 2020 part.2の分析


名勝負 GHCヘビー級、ナショナル王座戦:潮崎豪(GHC ch)vs.拳王(Na ch)(8/10/20)
好勝負 ナショナル王座戦:中嶋勝彦(ch)vs.拳王(8/4/20)

GHCヘビー級王座戦:潮崎豪(ch)vs.丸藤正道(8/5/20)

Jr.タッグ王座戦:小川良成、HAYATA(ch)vs大原はじめ、小峠篤司(8/30/20)

@ナショナル王座戦:中嶋勝彦(ch)vs.拳王(8/4/20)
 一定のクオリティのハード・ヒット対決になることは読めているカード。

 逆に予想がつきやすいということでもありますが、
 場外も利用したスピーディな展開でしっかり掴み。

 続いて中嶋が執拗にコーナーでエルボーに、足を押し当てチョーク。
 エゴを強く押し出してきました。

 対する拳王は少し引き気味なのであく弱め。
 やや見劣りしつつも対抗すべき一線を厳守。
 
 双方が自分のスタイルを理解した上で、
 相手に投げかけたので、
 良い関係性を築くことができましたね。

 愚直な打ち込み合いからの最後の蹴りによるTKOフィニッシュは実に美しかった。

 ぎりぎり好勝負。

AGHCヘビー級王座戦:潮崎豪(ch)vs.丸藤正道(8/5/20)
 丸藤が腕をひねってロープに押し込み全然離れず視殺戦。

 ストーリーを語ろうとしている不器用な語り口で言葉は詰まっている。

 ただスムーズな営業トークがベストとは限らないもので、
 空白の中にこのカードならではの情緒も感じることはできます。

 パズルのように攻め手を組み合わせつつ、
 理知的なところから逸脱する荒っぽい打撃を混ぜる。

 変換効率80%の化学反応ですが
 間違いなく化学反応を起こしています。

 Noah20周年というと小綺麗にプレイバックでまとめがちな中で
 今の塩崎と丸藤で勝負したのはむしろ歓迎で面白かった。

 後半になっても攻防合わせの精度の悪さは補正されておらず
 欠点のない試合ではないが、両者の魅力がそれ以上に出ていて
 2人の"今"を前向きに自己肯定した内容は素晴らしかった。

 文句なしに好勝負。

B清宮海斗vs.武藤敬司(8/10/20)
 清宮24歳、武藤57歳、の33歳差対決。
 
 年齢、膝の状態でアクションが制限される武藤ということで
 解決策として用意したのは武藤のドラスクを
 ことごとく防いで腕攻めを行うというもの。

 観客側も未来が見えやすいですし、堅実な選択ですね。

 方法論が統一されているとはいえ
 リズム、精度も高く、アイディア以上の出来栄えです。

 清宮がロープをまたいだ状態でドラスクが初めて決まったり、
 清宮の十八番のドロップ・キックを腕に対して放ったりと、
 この試合のオリジナルの為に固有ムーブを再定義できています。

 ただ武藤の4の字に相当するものを清宮が持っていないのが惜しい。
 ドラゴン・スープレックスは腕も少し絡む技ではありますけどね。
 それがないことで今回の試合の成功基軸が
 後ろ向きな理由によるものであることを認めてしまうような形になっている。

 清宮が武藤ばりのムーンサルトを放つのは絵になって受けるし、
 脚攻めに拘る武藤vs.大技転向の清宮といった攻防の構図の中で良くやってはいましたが、
 ここは清宮も拘りぬいたほうが特別になったのではないか。

 後は勝敗、ここは難しい所ですね。

 ここで清宮を敗北させるか。
 武藤というレジェンドの商品価値をぐんと引き戻したのは確かですが、
 年齢的にはいつコンディションが落ちても不思議ではないですからね。

 通常の4の字でギブ・アップというのも弱いですが、
 これも24歳ということを考えると回り道する余裕は十分にあるか。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

CGHCヘビー級、ナショナル王座戦:潮崎豪(GHC ch)vs.拳王(Na ch)(8/10/20)
 まずは打撃の素早いかわしあいを選択。

 かと思うとオーソドックスなレスリング。
 当たり前でオーソドックスになっているものを
 丁寧にやって別物にしている潮崎の妙技は素晴らしい。

 ただこのレスリングにおいては潮崎優勢にしても良かった。
 二冠王座戦としては最高峰の対決を演出したいところですからね。
 サッカーボール・キックの耐え合いは拳王に当然譲るので。

 10分経過。

 潮崎の表現力、拳王の気迫が光る中、
 潮崎が脚にラリアットを叩きこみ脚攻めで展開。
 場外で抵抗する拳王の脚にチョップを打ち込む等
 徹底されていて良かったですね。

 拳王がしっかり痛みを抱えながら蹴りでひっくり返し20分経過。

 拳王も脚攻めに転じますが、
 リベンジという感情面の表現であって
 ロジックの意図は弱いですね。

 この試合の特徴として強い絵で前の記憶をかき消して
 都合の良い部分だけ引っ張って構築している。
 ある意味ではプロレス紙に優しい試合作りですけどね。

 30-40分においてTKO、カウントアウト要素を交えている中での
 断崖式スポットはその中でももう少し重く処理できないものかと思います。

 激しいジャーマンの打ち合いで気持ちを前面に出すと
 双方がフィニッシャーに類するものを打ち合う残り20分間。

 普通なら1試合分の時間ですが、
 KO要素で時間をかけた見せ方ができる強みを生かしていますね。

 場外ダウンの潮崎にダイビング・ダブル・ストンプなんていう過激技もありますが、
 その技を放った後に拳王がリングで鬼気迫る表情で待つ、という見せ方に繋げているのが
 この試合の成功を代表している。
 
 新応援様式にもあって固唾を呑んで見守らせる激闘。
 
 最後は潮崎が三沢DNAを出して
 GHC王座20年間の中で最初の60分時間切れ試合、
 ダブル・タイトル戦、にふさわしい最高の絵作りで格式を整え〆。

 三沢の死以降、ずっと付きまとっていた問題に関して
 答えにはいまだ辿り着けないものの、
 なぜなら答えなんてないのだから、
 その功罪を受け入れて新しいNoahにバトンを託して
 一つの見える形にまとめあげたという点では
 欠点もありますが、この試合の良い部分により目を向けて評価したい。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:8/?/20)

DJr.タッグ王座戦:小川良成、HAYATA(ch)vs大原はじめ、小峠篤司(8/30/20)
 有観客を楽しもう、一体感を作っていこうという意識が高いですね。
 中でも大原の見得は今回キレまくっています。
 ジャベの入り方も素晴らしく、トップ・レスラーの輝きでした。

 小峠も脚攻めに対する受け方も良かったですね。
 終盤はそのセルの制限の中で
 攻めの見せ方の幅が狭まった感はあるものの
 ダメージ感を守らないよりずっと良い。

 その小峠の脚を徹底的につぶしたのは勿論小川。
 拘りの部位攻めはシングルだと試合を規定しすぎることもありますが、
 タッグだとデメリットなしの一流の御技です。

 HAYATAもスピーディな攻防の担当として
 小川と切り替えて相手の良さを出していて、
 この四者だからこその試合を作り出しました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:10/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ナショナル王座戦:中嶋勝彦(ch)vs.拳王(新チャンピオン!)(8/4/20)
AGHCヘビー級王座戦:潮崎豪(ch)vs.丸藤正道(8/5/20)
B清宮海斗vs.武藤敬司(8/10/20)
CGHCヘビー級、ナショナル王座戦:潮崎豪(GHC ch)vs.拳王(Na ch)(60分時間切れ)(8/10/20)
DJr.タッグ王座戦:小川良成、HAYATA(ch)vs大原はじめ、小峠篤司(8/30/20)