TOP日本のプロレスNoah 2010年代の大会 →2011 Heavyweight part.1

Noah:2011 Heavyweight part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@KENTA vs.高山善廣(1/15/11)
 ゴングが鳴るなりKENTAが飛ばし高山の顔面に打撃をぶちかまします。
 高山を完全にサンドバック状態にしていますね。
 高山も強烈な強さが伴った打撃で反撃。
 攻防のアイディアはなく正面からの潰し合い。
 流血した高山を場外でダウンさせるとダイビング・ダブル・ストンプまで放ちます。
 少々高山が受け過ぎでKENTAの攻めがいをなくしているのが問題。
 あの状態でグー・パンチの打ち合いに突入しフィニッシュしたのは 凄かったものの
 まったくもってナンセンスでKENTAが自らミスして負けたような印象を抱かせます。
 ヘビー級に挑戦する事が、自分がJrである事を忘れる事につなげる必要はない。
 ハード・ヒットに特化した驚異的な試合。
 好勝負に少し届かず。

AGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.バイソン・スミス(1/15/11)
 スタイル・チェンジを強く意識しているNoahですが
 下手なスミスという事でその課題を棚上げし
 この試合を単純に捉えて望む事が出来ている。
 スミスの柵越えダイブ、杉浦の観客席へのアングル・スラムと
 序盤から驚きのスポットが飛び出し
 カウント19でぎりぎり戻るリアリティーがあります。
 バイソンは愚直な反撃方法ですが
 この試合の売りのインパクトをしっかり提供していて
 それを場外などを使う事でワン・パターンに陥らないようにしている。
 ただ要所の大技を基調とした構築なので試合時間は余り稼げません。
 それなのに体裁を気にして20分弱の時間設定にしてしまったのは勿体ない。
 杉浦も王者として変化を気にしていた割に
 単純性で怪物と化したバイソンを単純な連発、雪崩式を沈めており、終盤が今一つでしたね。
 ただスミスの王座戦という事で予想していたより遥かに良い激戦でした。
 中々良い試合。

BGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.鈴木みのる(5/8/11)
 鈴木が軽快に展開させ
 ロープを使ったアキレス健固めから脚攻め。
 しかしその前に杉浦が十分強さを確立させていません。
 その後もゆったりした展開で
 杉浦が一方的に追い込まれていきます。
 王者が逆境を跳ね除けるというシンプルな見せ方を選択しているものの
 それは決して2人のベストの方法論ではなく小さな攻防でしかありません。
 鈴木の本質的な表現技法でもないですしね。
 最後は試合後のノー・サイドを演出するためとはいえ
 最近流行のグー・パンチ合戦に安易に走っている。
 地震後の試合という事で2人共感傷的になり過ぎてしまったかいまいち。
 まあまあ良い試合。

C秋山準vs.中嶋勝彦(7/10/11)
 中嶋が仕掛けて場外で蹴りを叩き込んでいきます。
 秋山は怖さを垣間見せるも手数は少なく、
 随分と受けてからビート・ダウンしてましたね。
 ハイ・テンポ且つアクション量も多いので
 後々を考えると前半を一方的な攻めにしたのは正解。
 またリング外を上手く使って印象的にしていたので退屈しませんでした。
 後半は時間も限られているので
 予想通りの展開にしかなりませんでしたが、
 間を使ったニーから始まった秋山の攻めは過激で
 中嶋がそれをカウント2で返していくだけで盛り上がりました。
 波乱なく10分で終結するも見応えのある内容。
 中々良い試合でした。

DGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.潮崎豪(7/10/11)
 歪なシークエンスからスタートしますが気持ちは伝わってきます。
 トペを狙うもカウンター食らい潮崎がダウン。
 ここから杉浦が王者として強さを見せつけ潮崎を試す展開になります。
 王座交代劇にふさわしいストーリーですね。
 ただ攻防自体は幅広く織り交ぜる事が出来ている一方で
 基本技のチョップを余り受けてもらえない状況を打開できず
 潮崎自身の表情も飄々として見えるのでいまいち感情面はのってこない。
 杉浦もロープ越しスピアーなどインパクトの大きいスポットを隙あらば決めてきますが
 技の後の間をもう少し使って効果的に見せたい所です。
 王者、挑戦者としての価値、相互の関係性を十分に築けないまま
 小手先の膝、脇腹狙いという理屈だけでクライマックスに突入してしまいました。
 杉浦がKO必死のハードな打撃を潮崎に叩き込んでいましたが
 これは相手が同じ土俵で同じレベルで打てなければ意味ないですね。
 潮崎のこの試合の中で築いてきたものの中にこれを上回るリアリティーはなかった。
 潮崎が次期王者で本当に大丈夫なのか不安が残る内容。
 中々良い試合。

E杉浦貴vs.佐々木健介(7/23/11)
 ひたすらチョップとエルボーの打ち合い。
 Noah得意の絶対値のぶつかり合いですね。
 しかしそれだけでなく杉浦は意図的にぐったりとダウンして
 大きな緩急を作り出し変化をつけています。
 そうはいっても引かずにぶつかりあうので変化のふり幅は小さく
 構成のレベルを更に上げたいのが正直な所。
 観客の盛り上がりも良く、最後はもはや定番となったグー・パンチの応酬で〆。
 好勝負に少し届かず。

 (執筆日:12/11/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@KENTA vs.高山善廣(1/15/11)
AGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.バイソン・スミス(1/15/11)
BGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.鈴木みのる(5/8/11)
C秋山準vs.中嶋勝彦(7/10/11)
DGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.潮崎豪(新チャンピオン!)(7/10/11)
E杉浦貴vs.佐々木健介(ダブルKO)(7/23/11)