TOP日本のプロレスNoah 2010年代の大会 →Noah in Europe 5/30/11

Noah:Noah in Europe 5/30/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

SlamBamJam製。
1枚、約2時間です。

5/13/11の大会より。
@森嶋猛、青木篤志vs.キングス・オブ・レスリング
 (17分を8分にカット。ストーリーが見えず)
 相手の色の活かし方に関してはアメリカン・プロレスが
 日本のプロレスの一歩も二歩も先を行っている。
 KoWが森嶋を適切にスケール・アップ。
 分かりやすい形を作るので盛り上がりやすいですね。
 体格で劣る青木はヒーローとテクニカル・レスリング。
 ヘビー級の世界に入れない青木への歩み寄りという印象がありましたが、終盤になると青木が大活躍。
 KoWが森嶋をリングに入らせず青木を狙うという戦略を取っていたものの
 決して青木が侮られた、という印象を受けない程素晴らしい攻防を繰り広げました。
 好勝負に少し届かず。

A潮崎剛、谷口周平vs.KENTA、ボビー・フィッシュ
 (19分を16分にカット)
 いきなり潮崎とKENTAの熱い打撃の打ち合い。
 潮崎はロープに走ってのエルボーと
 なぎ払うように打つチョップの両方を使っていましたが、
 それぞれの打撃が黄金色に輝いていて、
 これが潮崎のベストの形ではないか、とまで思わされる程でした。
 序盤なので打撃の打ち合いしかなかったけれど
 このKENTAとの打撃の打ち合いは
 一日目のベスト・シーンでしょう。
 その後においてはこの絡みである事がさほど強調されなかったものの
 他で色々と良いものが見られました。
 谷口は控え受けをしてもらいながら無骨な強さを作り上げ、
 潮崎との相手を壊すような連携も魅力的でした。
 フィッシュは上手くKENTAをサポートしていましたね。
 当然やられるシーンは他の3人より多いですが、
 ヨーロッパという事で格付けに縛られず、
 潮崎相手でもひるまず、谷口相手でも肉弾戦を繰り広げ良かったですね。
 個々が伸び伸びと戦った結果、
 自然と格付けと同じ形に収まっていますが、
 それは格付けありきで雁字搦めになった試合とはまったく別物です。
 好勝負に届かずも中々良い試合。 

BGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.デイブ・マスチフ
 (20分フル収録)
 マスチフは150kgを超える巨漢。
 体系の割りに動けますが、
 ヘビー級としてのゆったりした魅せ方を逸脱していないのが良いですね。
 腕狙いも地味に良い。
 この意外に攻めどころの難しい敵と出会い、
 杉浦の苦境に折れない真っ直ぐなファイトと力強さが輝く形となっています。
 後半もマスチフがここぞでカウンターを決めて流れを渡さず
 ドラマチックな攻防が見られました。
 最後は遂にマスチフを上回り、確固とした強さの下フィニッシュ。
 ローカル・スターの接待かと思いきや、
 想像以上の中々良い試合でした。

5/14/11の大会より。
C潮崎豪vs.中嶋勝彦
 (20分を6分にカット。とても流れを読み取れません。)
 ヘビー級とJrにカテゴライズせず
 それぞれレスラーとして互角に描いています。
 チョップと蹴りをそれぞれの武器として位置づけ、
 あくまで一要素として体格差も忘れていない。
 中嶋も蹴りを中心とした潰すファイトは鳴りを潜め、
 柔軟な試合運びを繰り広げていますね。
 観客も2人のする事なら何でも受け入れるって感じで素晴らしい空間でしたね。
 Noahで苦しむ潮崎にとっては伸び伸びとやれたのではないでしょうか。
 その分観客の盛り上がりに甘えて
 流れの作り方が甘い部分もあったけれども
 最後まで一進一退の攻防が続き見応えがありました。
 好勝負に少し届かず。

Dザック・セイバーJr. vs.KENTA
 (19分を8分にカット。楽しむには不十分です。)
 セイバーがレスリング・テクニックを遺憾なく発揮。
 終盤も腕攻めで素晴らしい切り返しを見せていました。 
 KENTAはメジャー選手として試合運びは落ち着いていますが
 その追い込みは凄まじいの一言。
 セイバーにハードな蹴りを叩き込み終盤では
 アーム・バーから逃れるために顔にストンピングを打ち込んでいましたね。
 安易に蹴り合いにしなかった事で
 両者の魅力をストレートに出せた内容。
 逆にワン・ナイト・オンリーであろうカードにしては
 後一歩踏み込んで交わって欲しいという気持ちも少し残ったけれど。 
 好勝負に少し届かず。

EGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.鈴木鼓太郎
 (20分フルに収録)
 勝てば小橋の防衛記録に並ぶ一戦ですが、相手はJrの鼓太郎。
 尤も鼓太郎の充実度を考えれば本気でやれば凄い試合が出来そうな気がします。
 しかしその内容はというと手堅いがそれ以上ではないもの。
 杉浦は力強いムーブを見せているものの、
 鈴木も得意技がエルボーだからと打撃を普通に打ち合っています。
 エルボーの打ち合いを要所に配置したNoahお得意の形なので
 変化の織り交ぜ方も概ね成功しているけれど
 試合の方向性は違っているだろ、と感じてならない。
 そのくせ鈴木は一歩引いた形で試合に関わっているんですよね。
 一進一退の攻防は面白いし、悪い試合では決してないけれど
 Jrヘビー級王座戦を見ている印象を受ける。
 平均的な良試合。

総評
 G+ではなくBattle Stageから。
 そのため編集が入っていますが、これがひどい編集。
 試合数を絞ってフルで放送すべき。
 というかこの2大会はNoahの2011年のベスト1位、2位の大会ですから2週に渡って丸々放送しても良いぐらい。
 (執筆日:11/1/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@キングス・オブ・レスリングvs.森嶋猛、青木篤志
AKENTA、ボビー・フィッシュvs.潮崎豪、谷口周平
BGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.デイブ・マスチフ
C潮崎豪vs.中嶋勝彦(20分時間切れ)(5/14/11)
Dザック・セイバーJr. vs.KENTA
EGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.鈴木鼓太郎