TOP日本のプロレスNoah 2000年代の大会 →Best of Noah 2010

Noah:Best of Noah 2010の分析


名勝負 潮崎豪vs.佐々木健介(7/24/10)
好勝負 Jrヘビー級王座戦:金丸義信(ch)vs.丸藤正道(7/10/10)

GHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.高山善廣(7/10/10)

@#1コンテンダーズ・マッチ:KENTAvs.丸藤正道(6/8/10)
 KENTA復帰戦。
 いきなりテンションの高い打撃の打ち合い、キレのある攻防を見せます。
 万全の状態ではないはずなのに期待を下回りません。

 その後は丸藤が執拗に脚狙い。
 KENTAは始めの内は痛みを無視していたものの徐々に痛みで動きが落ちてくる、という展開です。
 KENTAの負傷箇所を厳しく攻める意味深い内容ですが、
 これが試合の伸びを抑える原因になっています。

 丸藤はちょっと相手を見すぎです。
 KENTAの事はもっと分かっているはずでしょう。
 そしてその理解がこれまでの数え歌の発展の原動力になっていたというのに。
 またサブミッションを決めた後にレスリング要素の攻防が無い事を考えるとこの一極攻めが前面で主張しすぎです。
 KENTAの腹攻めぐらいの控えめさでよかった。

 終盤はKENTAが気合で脚の痛みから復活し良い攻防を見せていますが、 これまでの数え歌よりかは劣ります。
 何故ここでコーナー・トゥー・コーナーのS式ドロップ・キックを脚に打つとか、
 G2Sを決めるも脚の痛みからカバーに遅れるとか、この試合の特徴を活かしてこないのか大いに疑問に思いましたね。
 
 復帰戦で丸藤相手に見劣りする事なく30分弱の試合をやってのけたのだから褒めてしかるべきでしょう。
 ただこれまでの数え歌と並べれるレベルではなかった。
 中々良い試合。
 (執筆日:8/13/10)

AJrヘビー級王座戦:金丸義信(ch)vs.丸藤正道(7/10/10)
 Noah本体では意外なことに初対決だそうです。
 俊敏な攻防から金丸が大きく決める技で掴み。
 場外ブレーン・バスターなど厳しい攻めを叩き込みます。
 丸藤は柵を使った技などで反撃。
 やや無理があり真剣に引き込まれるとは言い難いものの
 他では見られない動きは面白く、何をするんだろうという意味で惹きつける。
 エプロン技など過激なのを入り混ぜて身体の心配をさせながら
 要所のエルボー打ち合いで張り合う気持ちを見せるNoahスタイル。
 後半になってもそのスタイルを貫いて
 無茶なスポットを無駄に贅沢に大盤振る舞い。
 信じられない切り返しも飛び出て
 良くも悪くも滅茶苦茶でした。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:?/?/12)

B棚橋弘志vs.潮崎豪(7/10/10)
 棚橋は潮崎のことを良く見ていて色々なリアクションを取る。
 それでいて嫌みったらしい余裕を見せさえする。
 それに対して潮崎が真面目且つ飄々としていたのは勿体無い。
 もっとリアクション取ってあげないと。
 中盤以降もユニークなヒール・ワークでブーイングを引き出し、
 得意の脚攻めも相手を倒さずNoahマットを意識したもの。
 ドラスクも封印していますね。
 ただそうやってこの試合だけのオリジナルな展開にした結果か
 攻防がずれていて汚いのが目立つ。
 その点で新日の試合と比べると劣りますね。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:?/?/12)

CGHC王座戦:杉浦貴(ch)vs.高山善廣(7/10/10)
 エルボーの打ち合いから始めるように
 試合開始時から真っ向勝負の構えです。
 帝王の異名を持つ高山の得意とする戦いですね。
 高山が一進一退の中のカウンターで大きなインパクトを生みながら
 本部席のテーブルへの投げ落としで主導権をつかみます。
 高山の試合運びは方法論が限られていて少々苦しいものがありますが
 一方の杉浦は技の組み合わせにより緩急を作る試合運びをして足りないものを補っている。
 高山がUWF経験を少々活かした見せ場と
 額に血を滲ませた表情で迫り来れば
 杉浦が自衛隊経験から来るものなのか、
 リアルに対するダメージ表現としては打ってつけなもので迎え入れました。
 最後は後に何度も行なわれるグー・パンチ合戦ですが
 この試合の世界観ととてもフィットしているし
 その本気具合といったら他が到底及びもつかないものでした。
 Noahらしい凄まじい試合です。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:?/?/12)

D潮崎豪vs.佐々木健介(7/24/10)
 ロックアップの静から動への変換としてショルダー・タックルを使い、
 それとはまったく独立した位置づけにチョップ合戦を見据えている。
 各動きの性質を見極め、その組み合わせを考え抜きましたね。
 最初をチョップではなくヘッド・バッドで打ち合いをしているのもにくい。

 まずは潮崎が脚狙いを入れて主導権を掴みます。
 打撃の打ち合いと一方的な攻めのバランスは若干改善の余地がありますね。
 しかし健介vs.小橋との比較が試合前からあるなかで
 チョップの扱いは本当に繊細な感覚の下使われています。
 チョップではないという選択肢含めて
 チョップというものがここまで考え抜かれたこともないでしょう。

 またその鋭い感覚はチョップに留まらず、
 健介のラリアットの位置づけも的確で良いですね。
 健介が潮崎を場外で投げ、エプロンに上がってきた所でラリアット。
 厳しい攻めで追い込んでいきます。
 表情含めたトータルでの態度の表現としてみるとまだまだですが
 そういうできない部分も含めて健介らしさでもあるし
 ここは特に大きな問題でもない。

 チョップを一つ後ろに下げることで特別にして、
 その特別なものを乗り越えることで他を特別にしている。
 同時に他ならぬチョップでその上にいっている。
 チョップ単独の使い方ではなく
 チョップ合戦の使い方に関して唯一疑問はある。
 必殺技を返されるところまで来て
 ようやくのチョップ合戦解禁でしたからね。
 過激技も目立つNoahにおいては
 チョップが必殺技を超える位置づけという所に違和感がありました。

 しかしここまでチョップを哲学した試合を差し置いて
 チョップ合戦で終える権利・価値を持った試合など存在しない。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:?/?/12)