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Noah:Best of Noah 2006の分析


名勝負 GHCジュニア・ヘビー級王座戦:KENTA(ch)vs.丸藤正道(1/22/06)
好勝負 三沢光晴vs.森嶋猛(3/5/06)

Jr.タッグ王座戦:金丸義信、杉浦貴(ch)vs.藤田みのる、日高郁人(3/5/06)

小橋建太vs.KENTA(3/5/06)

小橋建太vs.丸藤正道(4/23/06)

@GHCジュニア・ヘビー級王座戦:KENTA(ch)vs.丸藤正道(1/22/06)
 約30分間完全にコントロールし尽くされた緩急を見せ
 ロープを飛び越えて場外へドロップ・キックなど
 所謂Xディビジョンムーブと呼ばれる魅力を逆輸入し織り交ぜてきます。
 KENTAと丸藤にしかできない完成された一品、
 日本最高峰と呼ぶに値する絡みでしたね。
 まあ改善点を挙げるなら
 もう少し手綱を離すべきでした。
 試合が勝手に動き出し、2人がそれにのせられる、というのも生まれる でしょうし
 KENTAは蹴ってばっかり、丸藤はスーパー・キックが多すぎという 印象を抱かせることにもならない。
 もう1点は、Xディビジョン・ムーブを取り入れていても
 根幹には日本的ジュニアの血が色濃く流れている事でしょうか。
 アスリート的で物語、仕掛け、サムシングに欠けますね。
 アスリート的である事にサムシングを
 感じる人もいるでしょうしこれは好みの問題でしょうけれども・・・。
 総合的な評価としては
 個人的な好みの方向性とは違った事も考慮しぎりぎり名勝負でしょうね。
 何だかんだ言って好勝負という言葉は似つかわしくないですし。
 (執筆日:?/?/08)

A三沢光晴vs.森嶋猛(3/5/06)
 真っ向から打撃の打ち合い。
 両者の特性を考えれば
 決して不思議ではない試合内容ですが
 そのぶつかり合い具合が半端ない。
 森嶋は序盤からラリアット連打にハンマーを浴びせていく。
 単調な力押しにする分場所を移動させる重要性も理解しています。
 ハンマーに対して三沢は的確なエルボーで押し返して行きます。
 三沢は受けすぎ、黙りすぎでマンネリ化しそうでしたが
 森嶋がコーナー上から場外へのダイビング・ボディ・アタック含め
 花道やエプロンを使ってプラス1のスポットを生み出し前に進めました。
 ハンセン的構築の試合ですね。
 終盤も異常な技をそれぞれ出して
 盛り上がりとドヨメキが入り混じった特別なクライマックス。
 清らかさをかなぐり捨てたフィニッシュも印象的です。
 問題点としては今回森嶋がラリアットを使いまくって積極性を見せたけれど
 彼の本質である怪物性は意外にも溜めから生まれるものです。
 また単純な絶対値という観点において多用したせいで
 一部当たりの浅い物が散見されるという問題にもつながっている。
 森嶋が自らサブミッションを使うか
 三沢が技で森嶋を押さえ込んで溜め・休む場面を作りたかったですね。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:7/10/09)

B小橋建太vs.KENTA(3/5/06)
 いきなりタイガー・スープレックスにハーフネルソンスープレックスを打った2人。
 最後までテンションも動きも落ちる事なく戦いきりました。
 随所で意識を散らしたり腕攻め、攻防と工夫をこらしたり、
 はたまた壁となるべき小橋がリングの中心に堂と立って構図を描いたりと構築も良いですね。
 しかし彼らの見せるぎすぎすした感情が化けないのが問題。
 小橋の本気を出そうとKENTAが顔面を蹴りつけたりするのですが
 小橋はスタイルに型があるし、いつも全力ファイトなのでそういう表現がしにくい。
 結果としてキッチン・シンクやヘッド・ロックといった技を使わず
 顔面チョップなどを見せるのですが余り成功してはいません。
 どんな事をしてでも勝ちたい、もしくは真っ向から勝ちたい、
 という気持ちでやった方が良かったのではないでしょうか。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/10/09)

CJr.タッグ王座戦:金丸義信、杉浦貴(ch)vs.藤田みのる、日高郁人(3/5/06)
 サブミッションでしっかり足をつけた高クオリティの試合運びは藤田、日高組みならではですね。
 打撃の打ち合いや意識しあった動き、連携技をバランスよく取り入れています。
 連携力が売りのタッグとして誤爆なんて普通手を出してはいけないネタですが
 彼らはそれをやってしまっても直後の合体技で見事なものを見せ
 楽々とリターンを稼いでしまっています。
 また控えへのand控えが、意表を突く形のタッグ・スポットも独創的です。
 初期にAJ、ロウ・キーらを迎えたZero-Oneならでは、歴史を感じました。
 良い感じに時間が経つのを忘れさせてくれますね。
 個で見ても日高は崩れる表現、藤田は律儀に動きを加えるセル、と
 それぞれ違った受けで試合を盛り立てている。
 金丸、杉浦も見劣りしないタッグ・ワーク、個の力量を披露。
 独創性もあります。
 只その割りに終盤への盛り上がりは思ったよりいまいち。
 攻防にかなりずれが見られたように
 両タッグが完全には合致しないので
 凝縮しないまま淡々と最後まで続いた印象を受けます。
 フィニッシュに権利者、控え同士でサブミッションをかける、という定番シーンを使わなければ
 印象自体は変えられる余地はあっただけにこの選択には疑問を感じます。
 惜しいですね。
 中盤まで普通に合体技を決めていた状況から
 終盤になると合体技を決められたら勝利が近づく、と
 見せ方を違和感なく変化させていたりと最後まで上手かったんだけど。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:7/10/09)

D小橋建太vs.丸藤正道(4/23/06)
 小橋は悠然と胸を貸す形。
 
 丸藤はどう斜めから切り込むかが鍵ですが、
 なんでも勝てば良いというスタンスではなく、
 ショルダー・タックルやナックル・ロックといった
 力技も敢えて自ら志願するスタンス。

 如何にヘビー級に転向しようと力技だけでは勝ち目がないし、
 Jr.の動きに対して小橋は適切に反応しきれずミスが起きそうな状態なので、
 リアルとしても正解のストーリー・ライン。

 バランス感覚が難しい挑戦でしたが、
 丸藤は上手くこなしており、
 中盤の脚攻めを活かさずとも終盤しっかりと勝ち目を作れていたのはお見事。
 場外の小橋にスプリングボード式ミサイル・キックを決めたシーンは盛り上がりましたね。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/20)