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Noah:Best of Noah 2004の分析


名勝負 GHC王座戦:小橋建太(ch)vs.秋山準(7/10/04)
好勝負 Jr.タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch) vs. ケンドー・カシン、杉浦貴(7/10/04)

Jr.ヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch)vs.SUWA、リッキー・マルビン(10/22/04)

GHC王座戦:小橋健太(ch)vs.斉藤彰俊(10/24/04)

Jr.ヘビー級王座戦:金丸義信(ch) vs. 杉浦貴(12/4/04)

@Jr.タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch) vs. ケンドー・カシン、杉浦貴(7/10/04)
 カシンが素晴らしい役割を果たしました。
 スポットに絡んで工夫した物に改造しているし
 振る舞いでも杉浦との微妙な関係(カシンがオリンピック・スラムを決めてカバーすると杉浦がカットしたり)で魅せてくれました。
 これって日本人に欠けている表現力、アイデア力じゃないですか。
 見直しましたよ。
 これを持っていて、なんでROHで失敗したんだろう、って思ってしまいますね。
 話を戻すとパートナーの杉浦もこの頃はパワー・ファイターとして充実していて良い仕事をしました。
 象徴的な終盤のオリンピック・スラムは旋回力があってベスト・ムーブです。
 一方の丸KEN。
 他と比べれば高値安定ではありますが今回丸藤が良くなかったですね。
 相手が見せ場を作った後にすぐ反撃して切ってしまう。
 もう少し視野を広くして作っていく必要があります。
 加えて杉浦、カシンは微妙な関係にありながら
 それは1シーンのみの表現で(日本の限界か)
 終盤は連携力の弱いタッグに成り下がりますから
 杉浦、カシンの可能性をつんでしまった部分がある。
 KENTAも一部反撃の方法が良くないですね。
 サブに回っていたのでそんなに気になりませんけどね。
 十分面白かったけれど、丸KEN次第では名勝負も狙えたはずです。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/4/09)

AGHC王座戦:小橋建太(ch)vs.秋山準(7/10/04)
 小橋が断崖式ブレーン・バスターをかけて吐血した事がクローズ・アップされますがそれは重要じゃない。
 1つに時間配分を含めた試合構築が絶妙です。
 場外に出そうとする秋山に対し、小橋が応じず
 まず10分間はリングで静かに相手への意識を迸らせま火薬を蓄積します。
 10分経過後えぐい打撃のスポットからエプロン技で秋山が主導を握り15分辺りまで。
 そこから小橋が執拗なヘッド・ロックという地味に効果を発するシーンを上手く滑り込ませてくる。
 そして20分経過時に上記断崖式ブレーン・バスターで四天王プロレスが爆発。
 25分経過時に秋山が断崖式をやり返して35分まで壮絶な死闘を繰り広げます。
 まったく勢いに頼らず生のリズムで人間の限界にまで挑みました。
 2つに秋山。
 四天王に彼を含めて五強と言われていたんだけれども彼は決して五天王になれなかった。
 それは他にバック・ボーンを含めた四天王の強烈な関係性に依る所が大きい。 
 しかし五天王になれなかった、という劣等感(彼が感じてようと感じていまいと)が
 時間を経て蓄積し小橋への偏愛と結びついた事で
 この試合の瞬間だけ、彼は五天王の一人になれたんですね。
 こうなると四天王プロレスの意味合いが出てくる訳で文句を言えない。
 秋山が追い込み側で、そこから気合で投げの打ち合い、小橋がフルコースという
 クライマックスは偏愛の表現としてもっと個人的で歪であるべきでした。
 只この唯一惜しまれる点もメジャー団体としてはこう締めるしか無かったかな、とも思います。
 歴史的な名勝負です。。
 (執筆日:7/4/09)

BJr.ヘビー級タッグ王座戦:丸藤正道、KENTA(ch)vs.SUWA、リッキー・マルビン(10/22/04)
 SUWAの挑発から激しくぶつかりSUWAがトペ。
 大きく盛り上がりましたが一度仕切ります。
 丸藤とマルビンは演舞による見得を切り、
 そこからマルビン孤立へとつながる。
 丸藤のクイックなカウンター合戦、
 SUWAのハード・ヒッティング
 マルビンの大技使い、KENTAの蹴り、と
 それぞれの個性を爆発させて盛り上げると
 ここで前哨戦でもキーになっていた
 SUWAによるKENTAの股間へのダイビング・エルボー。
 まったくもって遠慮のない一発で
 KENTAの痛がりっぷりも真に迫っていました。
 孤立させたKENTAに華麗な連携技とテープでの首絞め。
 直接的に煽り立てます。
 その後の終盤も技の威力、インパクトが異常。
 タッグ的な進行に関してずれはあり、
 完成度はまだまだ向上させれるものの衝撃的過ぎる試合でしたね。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/?/12)

CGHC王座戦:小橋健太(ch)vs.斉藤彰俊(10/24/04)
 小橋が早くも各種チョップを乱れ打ち、
 斉藤は危険な角度のバック・ドロップで均衡を戻し仕切ります。
 斉藤の試合運びはいまいちですが
 試合自体が大局的にゆったりと積み重ねていく構築なので
 1シーンの試合運びに拠らず大きく脚を引っ張っていません。
 ネガティブな対応策ともいえますが
 エプロン技などの過激技を要所で配置して
 試合のクオリティが落ちないように維持していました。
 中盤まではこの方法論が通じますが後半はどうだろうか、
 斉藤のニーの当りが弱いし、と心配していましたが
 小橋が流石絶対王者!といいたくなるような確かな段階付けで反撃。
 斉藤も小橋に対して同じような動作で対抗する、というアイディアで盛り上げます。
 序盤と被る危険なバック・ドロップから大技の打ち合いに。
 斉藤がGHC王座のレベルに到達していないのは明らかだが
 ここまでの激戦が出来る程に持ち上げ
 その上で上回って落としたことで
 防衛回数の新記録の試合として納得させました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:1/?/12)

D決勝:KENTA、小橋建太vs.力皇猛、丸藤正道(11/28/04)
 KENTA、小橋とは特別なタッグですが
 身長差などからたいした連携技は使えず。
 タッグ内だけでなく相手に対しても同様で
 ヘビー級に対してJrヘビー級が子供扱いされるような按配です。
 しかしヘビー級同士、Jrヘビー級同士の絡みで
 後半にかけて徐々にギアをあげていきましたね。
 また丸藤、力皇の側は後にタッグとして活動していくように
 戦略性もばっちしでこの時から既に相当の魅力を持っていました。
 最後の力皇が小橋からフォールを取る流れも素晴らしかった。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:1/?/12)

EJr.ヘビー級王座戦:金丸義信(ch) vs. 杉浦貴(12/4/04)
 基点を持ったレスリングも一極攻めも、
 そして花道のスポットや杉浦のMMAサブミッションだって
 何もかもがメイン・ストリームにスムーズにフィットしている。
 驚異的です。
 基本に忠実で適切な時間配分のなせる業でしょう。
 掟破りからのお互いの力を出し尽くした終盤も素晴らしいです。
 只全力を尽くした、といっても杉浦、金丸から予想される範囲内での全力だったのは確か。
 名勝負と呼ぶにはもう1つ何かサムシングが欲しい。
 それは単純に王座移動という筋書き、
 バリエーションの少ない切り返しでの努力、
 はたまたハードなスポットかもしれない。
 しかしここまでの出来になるのは予想外な程見事な試合でした。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:6/26/09)