新日本プロレス:Complete Inoki V.5 Disc 2の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(8/8/88) |
約2時間5分です。
@IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(8/8/88)
藤波の4の字、猪木のスリーパーなど観客の中にあるそれぞれのイメージ像を活かして見所のある攻防を生み出し、
一方では藤波のジャイアント・スイングや猪木の現代的なハイ・スポットといった意表をついた動きを織り交ぜる。
観客のテンションを切れさせず集中力を呼び起こすレスリングの攻防を潤沢に見せています。
そこに猪木の感情表現やIWGP王座戦という格式、古館の名文句がついてきます。
これは猪木のラスト・マッチだろうと感じさせ、
猪木vs.藤波を”象徴”している(日付までぞろ目だし)、と誇りを持てる内容です。
しかしそれは同時に実体に乏しい事も意味している。
藤波が持ち前の上手さで引っ張っているにも関わらず、
試合の構築は崩れていき意味のない時間帯もしばしば。
終盤なんて滅茶苦茶で、もし59分で決着して意味合いを奪われたら一気に凡戦に転じてもおかしくない状況でした。
そこに藤波が仕留められないでいる原因なんて1つも提示できていません。
新日が掲げる勝負論が崩れ去った後に残されたのは藤波の同情だけです。
一方で猪木は4の字をかけられて「折れ」と呼びかけますが、
85年のようにその裏に優しさがある訳ではありません。
完全に形だけの行為、ただのリプレイです。
また後半は完全にロートルで動きが落ちていて、見得で補う事が出来ません。
観客が盛り上がってくれているのは目の前のシーンの裏にこれまでのキャリア、積み重ねを見てくれているからです。
決して内容自体が凄い訳ではありませんが、
猪木、藤波、ブッカー、観客の4つが揃ったからこそ実現した、
この中のどれが欠けてもなし得なかった、45歳でのフル・タイム戦。
良い意味でも悪い意味でもネバー・エンディング・ストーリーと称するのがぴったりです。
ぎりぎり好勝負。
Aアントニオ猪木vs.藤原喜明(2/6/86)
緊張感のある立ち上がりから
手に汗握るグラウンド技の掛け合いが見られます。
相性が良く猪木も想像以上に見せ場を作れています。
そこから調子を作り終盤は遊びを持ってクライマックスを演出。
猪木が対UWFでやれる物としてはベストに思える程充実した内容です。
中々良い試合。
(執筆日:9/20/09)
Bアントニオ猪木、ケビン・フォン・エリックvs.武藤敬司、木村健吾(11/3/86)
猪木が誤魔化しではなく、緩急を意識して本当の雰囲気を出せている。
この日の猪木は中々の表現者です。
ただパートナーのケビンが相変わらず素人ですし、
試合も流血した武藤が孤立してこれからという所で武藤がケビンを丸め込む形で終わってしまいます。
しかし試合後の猪木の乱戦が満足感を与えてくれる。
悪くない試合。
C馳浩vs.アントニオ猪木 (1/4/92)
政治家になって1年以上リングから離れていたので更にコンディションは悪化しています。
どちらも得意技の連発で補う情けない形ですが
猪木は初っ端にスリーパーで落とす、という奇抜な仕掛けで
演技力で存分に勝負しているし、
馳も中々の受けっぷりで支えていました。
この時代の中では貴重な見れる試合でしょう。
まあまあ良い試合。
(執筆日:6/24/10)
総評
88年の試合は日本でDVD化されていますが2枚組みで売られていてDisc 1のみだけでもお勧めという状態なので特にこれだけについて語る必要もないでしょう。
(執筆日:8/19/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆
注目試合の詳細
@IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(8/8/88)猪木が牽制でウィール・キックを狙う。
藤波がかわし蹴り。
コーナーに押し込む。
クリーンに離れる。
藤波が牽制でミドル・キック。
ナックル・ロック。
藤波が脇の下に頭を入れる。
猪木も脇の下に頭を入れる。
藤波がヘッド・ロック。
グラウンドへ。
猪木がグラウンド・ヘッド・シザース。
藤波が体勢を変えすり抜ける。
起こすとスナップ・メア。
チン・ロックを狙うも動かれたのでフロント・ヘッド・ロック。
スナップ・メアへ。
猪木は防ぐとスリーパー。
藤波がすぐに崩れ落ちダウン。
セコンドが藤波の顔に張り手を叩き込み起こさせる。
猪木が延髄切りへ。
藤波はかわすとジャイアント・スイング。
4の字を決める。
猪木が反転させる。
藤波が戻す。
猪木が反転させる。
藤波が戻すもロープ際。
ブレイク。
猪木がコーナーを背に起き上がる。
ナックル・ロック。
猪木が足で切ると腕を取ってグラウンドに倒す。
ハンマー・ロック。
チン・ロック。
藤波は起き上がると脇固めに返しマットに押し付ける。
上になり引っ張り上げる。
ハンマー・ロック。
起き上がった所でジャーマンを狙う。
猪木がバックを取り返す。
離れる。
猪木がダブル・アーム。
藤波が腰を落とす。
それならと藤波の頭部を下げて絞り上げる。
脚を使う形に。
藤波は身体を起こすとハーフ・ボストン・クラブに切り返す。
インディアン・デス・ロックを狙う。
猪木が脚を掴んで倒しレッグ・ロック。
起き上がりインディアン・デス・ロックへ。
藤波が這って逃げる。
仕切りなおし。
藤波が脚を抱える。
ドラゴン・スクリューで倒す。
猪木がしたからアーム・バー。
耐えていた藤波を完全にグラウンドに引きずり込む。
ロックされるやキー・ロック。
藤波が体勢を起こし押し込む。
猪木がカウント2で返し戻す。
藤波が後転。
脚を伸ばしロープの外に出す。
猪木が不意をついて延髄切り。
藤波は耐えると猪木をロープに振りドロップ・キック。
ボディ・スラム。
カバー。カウント2。
ヘッド・ロック。
猪木がすぐバック・ドロップに切り返す。
仕切りなおし。
15分経過。
藤波が張り手。
距離を測り張り手。
張り手。
ふらついた猪木に蹴りを打ち込む。
コーナーで崩れこんだ猪木を蹴りつけ喉に足を押し当てる。
ヘッド・ロック。
グラウンドに倒す。
両手を掴む。
猪木がブリッジ。
藤波が上にかぶさるも崩れない。
横にずれる。
猪木がブリッジで起き上がり脇の下に頭を入れスープレックス。
上にかぶさるもカウント2。
そのまま体重をのせる。
レッグ・ロック。
インディアン・デス・ロック。
弓矢固め。
戻してインディアン・デス・ロック。
弓矢固めへ。
藤波が回転して逃れドラゴン・スリーパー。
落ちたと見たか離す。
猪木は起き上がれずダウン。
藤波は身体を起こした猪木にバック・ドロップを狙う。
猪木が耐える。
回転し脇固めへ。
藤波が逃れスリーパー。
レフェリーがチョークとしてカウントを数える。
藤波は外すとボディ・シザース。
猪木がレッグ・ロック。
藤波がスリーパー。
再びチョークとして取られる。
猪木が体を起こしレッグ・ロック。
アキレス腱固め。
藤波もアキレス腱固め。
両者同意したのでレフェリーが放させる。
両者別のロープに走る。
猪木が伏せる。
藤波が飛び越え、ロープに跳ね返ってきた所でスクール・ボーイ。カウントは2。
藤波はくやしがる。
ヘッド・ロック。
猪木がアブナミドル・ストレッチに切り返す。
藤波が腰を落とす。
猪木は外してしまうも逃がさずレッグ・ロック。
離れる。
25分経過。
組むと猪木が顔に手を押し当てる。
藤波がバックを取る。
腰を落とした猪木にチン・ロック。
猪木が起き上がり腕攻めの体勢。
しかしやらずにバックに回りジャーマン。カウント2。
猪木が起き上がった藤波にウィール・キック。
藤波はたまらず場外に転がり出る。
リングに戻る。
藤波が牽制。
組むと藤波がコーナーに押し込みパンチ。
ヘッド・バッド。
もう1発。
バック・ブリーカー。
カバー。カウント2。
4の字を決める。
猪木が足を抑えて耐えるも藤波が決める。
猪木が折れ、と声をかける。
30分経過。
猪木が回転してロープ際。
ロープの外に体を出すも藤波ははなさずそのまま両者場外に落下。
藤波がまだ離さない。
ようやくブレイクとなる。
藤波は悠々とリングに戻る。
カウント15でエプロンに上がってきた猪木に蹴り。
中央に引きずり込み足に蹴り。
シャープ・シューターを決める。
レッグ・ロック。
チン・ロックも決める。
フロント・ヘッド・ロック。
猪木が起き上がるも脚が崩れる。
藤波がブレーン・バスターを狙う。
猪木が耐える。
藤波が無理矢理持ち上げブレーン・バスター。
猪木が蹴り飛ばす。
コーナーに上りミサイル・キック。
エプロンに出て藤波を見つめる。
リングに戻る。
藤波は腰を落として待ち受ける。
立ち上がると同時にドロップ・キックへ。
しかしかわされる。
35分経過。
藤波がコーナーに追い詰めてドロップ・キックへ。
と見せかけて両脚で猪木の首を挟む。
猪木は耐えてレッグ・ロックに持って行く。
離してストンピング。
ボディ・スラム。
ボディ・スラムを狙う。
藤波がインサイド・クレイドル。カウント2。
藤波がアリ・キック。
脚に蹴り。
もう1発打ち込み倒す。
レッグ・ロック。
猪木がロープに逃げる。
藤波がそのままエプロンに出る。
猪木が組み付きロープを挟んでのスリーパー。
カウント4で離す。
藤波がエプロンで崩れ落ちダウン。
何とか起き上がった藤波をロープに振りショルダー・スルー。
起こして卍固め。
藤波がヒップ・トスに切り返す。
距離をつめると猪木にバック・ドロップ。
カバー。カウント2。
猪木を起こして卍固め。
猪木が逃れて卍固め。
自ら外して両膝を突く。
40分経過。
猪木が張り手。
左右で連発。
藤波が耐えて背を伸ばす。
猪木はならばとナックルを胸に打ち込んで行く。
ひざを突いた藤波に延髄切り。
起き上がった藤波にヘッド・バッド。
もう1発。
ブレーン・バスター。
カバー。カウントは2。
カバー。カウント2。
スリーパー。
下に回りアルゼンチン・バック・ブリーカー。
膝を立てるも起き上がるまではいけない。
下りた藤波にバック・ドロップ。
カバー。カウント2。
藤波がパイル・ドライバー。
カバー。カウント2。
猪木が不意をついてドロップ・キックへ。
藤波がかわしカバー。カウント2。
ブレーン・バスター。
起き上がると首4の字。
背中に蹴り。
脚に蹴りを放つ。
猪木は受け止めると脚をかけて倒す。
起こすとバック・ブリーカー。
コーナーに上りダイビング・ニー・ドロップ。
カバー。カウント2。
45分経過。
コーナーに上る。
藤波が起き上がり捕まえる。
スーパープレックスを狙う。
トップ・ロープに立つ。
猪木がこらえている。
腹にパンチ。
藤波もパンチ。
猪木がパンチ。
藤波が引き上げようとするも猪木が耐える。
藤波が諦めてエプロンに下りる。
レフェリーが間に入り引き離す。
両者リングに戻る。
組むと藤波が一本背負い。
アーム・バー。
猪木がアーム・バーに切り返す。
外すとスリーパー。
レフェリーがチョーク扱いとする。
カウントまで待ってられないと藤波が起き上がりロープを掴む。
猪木が離れる。
ロープに走る。
藤波が対応しフロント・ヘッド・ロックに引きずり込む。
転がして両肩をつける。カウント2。
フロント・ヘッド・ロック、バックを取ろうとするも逃げられる。
フロント・ヘッド・ロックへ。
猪木が脚をかけて倒す。
藤波がアリ・キックへ。
猪木がかわす。
仕切りなおし。
藤波が脚をかけて倒しレッグ・ロック。
猪木が後ろに逃れ上にかぶさる。
藤波が転がりロープ・ブレイク。
組むと猪木がクラバート。
スナップ・メアからチン・ロック。
50分経過。
離すと起こす。
殴りつける。
殴りつける。
藤波が耐え打って来いという身振り。
猪木が殴りつける。
藤波がその反動を利用してロープに走りドロップ・キック。
猪木が起き上がりフライング・ヘッド・シザース。
チョーク。
カウント2で離すとチョーク、チン・ロック。
離れる。
組み付くと猪木がコーナーに押し込む。
レフェリーが引き離そうとする。
レフェリー越しに藤波がパンチ。
もう1発。
猪木が脚を取って倒し4の字。
藤波が反転させる。
猪木が戻してロープ際。
猪木が脚にストンピング。
起き上がられるやロー・キックを叩き込んで行く。
藤波は受け止めるとドラゴン・スリーパー。
猪木の体が崩れる。
藤波が体勢を起こし締め上げている。
猪木がスナップ・メアで前に両肩をつけにいく。カウント2。
55分経過。
猪木はふらつきながらも起き上がる。
組み付くと猪木がロープに押し込む。
ロープに振りキッチン・シンク。
ファイヤーマンズ・キャリーでカバー。カウント2。
フロント・ヘッド・ロック。
起き上がった所でダブル・アーム・スープレックス。カウント2。
上にかぶさる。カウント2。
藤波が脚を取りレッグ・ロック。
起こしてボディ・スラムを狙う。
猪木が防ぎパンチ。
スナップ・メア。
ロープに振りチョップ。
藤波は耐えると卍固め。
残り3分。
猪木が何とか崩れこむようにロープに逃げる。
藤波は猪木を起こすとロープに走りラリアット。
カバー。カウント2。
藤波が猪木にドラゴン・スープレックスを狙う。
猪木がヒップ・アタックで外すとロープに走りショルダー・タックル。
残り2分。
ブレーン・バスターからカバー。カウント2。
起こすとバック・ドロップ。
カバー。カウント2。
コーナーに上る。
藤波が捕まえデッドリー・ドライブ。
上にかぶさる。カウント2。
卍固め。
残り1分。
藤波がアブナミドル・ストレッチに切り返す。
残り30秒。
猪木がアブナミドル・ストレッチに切り返す。
残り20秒。
グラウンドに引きずり込む。カウント2。
残り10秒。
猪木が何度もカバーするがカウント2で時間切れ!
60分時間切れ引き分け!
長州が現われるもただ見守るだけ。
猪木はベルトを藤波にまいてやりハグ。
長州がリングに入り猪木を肩車。
藤波も肩車してもらい両腕を上げる。
会場からは猪木コール。
試合結果
@IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(60分時間切れ引き分け)(8/8/88)Aアントニオ猪木vs.藤原喜明(2/6/86)
Bアントニオ猪木、ケビン・フォン・エリックvs.武藤敬司、木村健吾(11/3/86)
C馳浩vs.アントニオ猪木 (1/4/92)