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新日本プロレス:Complete Inoki V.3 Disc 1の分析


名勝負 なし
好勝負 NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(3/19/74)

NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.大木金太郎(10/10/74)

NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(12/12/74)

約1時間45分です。

@NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(3/19/74)
 見よ、リングに佇むその獣を。
 獲物は追わぬ。
 その美が人を引き寄せるのだ。
 豪、獣がまた人を食らった。
 ・・・
 さて今でこそ日本人対決なんていう言葉が使われない程基本の物となりましたが
 当時は前座を除いて力道山の流れを継ぐ日本人対外国人が中心でありました。
 そんな中”禁断の果実”日本人対決を広めた伝説の試合がこれ。
 ストロング小林は国際プロレスのエースでしたから盛り上がるのも当然ですね。

 試合は柔と剛を強調して、殺気とは違う静かな静止で風景を作り上げます。
 挑発と静かなレスリングでかき乱してエネルギーを溜めていく。
 高度ではありませんがレスリングも格好がついています。
 まさしく序盤のセット・アップを地で言った内容でしたね。
 中盤は感情に身を任せながら猪木が上手くポイントとなる技を誘導して構築。
 巧みな拳の見せ方から終盤へ。
 スポットは得意技を複数回に渡る攻防でストーリー立て、落としのグラウンドも冴え渡っている。
 流血のおまけつきで、当時では難しい激戦の雰囲気の中素晴らしいジャーマンでフィニッシュです。
 70年代のリアリティーの適用、スポーツ・レスリングはないが
 序盤→中盤→終盤、緩急の構築論で言えばマスターピースと言っても過言ではない好勝負でした。
 文句なしに好勝負。

ANWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.大木金太郎(10/10/74)
 序盤はリアルなレスリング技術をスポットで光らせます。
 そのスポット・ベースから下地の雰囲気を作り出します。
 得意技の空振り、頭突きの予兆、と布石も上手い事おけていますね。
 また大技に対して綺麗さよりもリアリティー、スケールを優先させ、
 安易に組まず、カウント1で返せる所をカウント2としない事で
 デス・マッチ的緊張感を高めたのが素晴らしい。
 ここまで見事にお膳立てすれば終盤が頭突き一辺倒なのも許容範囲です。
 猪木が変化の少ないヘッド・バッドに対して表現の受けでストーリーを語り、ドラマチックに盛り上げました。
 ぎりぎり好勝負。

BNWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(12/12/74)
 試合開始時、不意打ちからのボディ・スラムがロープ・ブレイクを見逃されカウント3に。
 勿論試合は続行されますがこの仕掛けはどうでしょう。
 エピック・マッチの再戦で雰囲気が劣るのはいつの時代も同じなので理解できますが
 ちょっと諦めの入った方策なのが好きではなかったり
 どうせならここぐらい猪木側がカウント3取られようよ、と思ったり・・・。
 
 それはともかく試合です。
 面白い事に小林はこの試合の方が輝いています。
 熱のこもった荒っぽい過激な行動。
 彼はこの試合においてアンドレ並みの質量を纏う事が出来ています。
 80年代のアメプロを思い起こさせる存在貢献のプロレス。
 
 猪木は小林の原初的な魅力に対して
 しっかりと耐え、裏技とサバイバル様式にシフトしている。
 ただ小林が能動的に動いた事もあって攻防のストーリー・テリングは劣化。
 終盤はまどろっこしく、小林の流血という要素に助けられた形でした。
 最後に失速し印象で損をしているものの前回のエピック・マッチと肩を並べられる好勝負。
 ぎりぎり好勝負です。
 
CMSG予選:アントニオ猪木vs.坂口征二(4/21/78)
 序盤自由にやるのは良いけど無作法になっては元も子もない。
 最初でこけるとその後も見所がさして大きくないグラウンドを長々と。
 坂口はパイル・ドライバーなどスケールの大きな技がありますが
 Disc 2の試合に比べると周囲の時間と相互作用を与えていないし、
 猪木の試合運びもガタガタしていてよろしくありません。
 延長後の場外投げ、ダイビング・ニーで格好はつけたけど、試合時間だけの内容。
 悪くない試合。

総評
 好勝負が3試合。3種3様の熱い内容でお勧め。
 (執筆日:10/24/10)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

@NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)対ストロング小林(3/19/74)
  間合いを測る。
  猪木が手を払う。
  組み合う。
  ロープ・ブレイク時に猪木が突き飛ばす。
  張り手。
  タックルを狙うもかわされる。
  猪木がヘッド・ロック。
  小林が外そうとする所を引き倒す。
  小林がアーム・ドラッグから腕を取る。
  猪木が腕を取り返す。
  カバーの体勢を狙い合って離れる。
  猪木が脚を取りに行く。
  そのまま丸め込みも狙いにいくがロープ・ブレイク。
  小林が両腕を取りにいくも猪木がエルボーを入れ逃れる。
  猪木は腕を取って倒すとインディアン・デス・ロックに持っていこうとする。
  抵抗する小林にヘッド・ロックへ変える。
  小林が猪木を投げハンマー・ロック。
  ロープに逃れた猪木にエルボーをいれ離れる。
  猪木がパンチ。
  不意を突いてアナヤーズ・コブラツイストに持って行くもロープ・ブレイク。
  小林がベア・ハグ。
  猪木が体の間に腕を入れ投げるも
  小林はロックを外さずカバーにも持って行かせない。
  ロープの外に出て離れる。
  猪木が張り手。
  小林もパンチ。
  猪木がボディ・シザース。
  小林は抱えながら体を起こすとアナヤーズ・コブラ・ツイスト。
  脚のロックを外されるもすかさずクルーシーフィックスに持っていく。
  猪木がロープに脚をかける。
  小林がベア・ハグを狙う。
  猪木がパンチを入れ防ぐ。
  猪木がダブル・アーム・スープレックスの体勢。
  小林が体を落とす。
  猪木が持ち上げ投げるも低くカウント1で返される。
  小林が殴りつける。
  猪木のパンチが顎に入る。
  小林ダウン。
  何とか小林が立ち上がる。
  猪木が首へのグラウンド・サブミッション。
  小林がロープ・ブレイクから離れる。
  小林がロープに押し込み殴りつける。
  猪木が卍固め。
  小林がロープに逃れる。
  組む。
  猪木は外すと殴りつける。
  小林も返す。
  小林がヘッド・ロック。
  猪木がロープに飛ばし卍固めを狙う。
  小林が抵抗し両者落下。
  小林がヘッド・ロックから猪木を鉄柱にぶつける。
  猪木が流血。
  先にリングに戻った小林はエプロンの猪木を殴りつけ落とす。
  戻ってきた所をブレーン・バスター。
  カバーするもカウントは2。
  カナディアン・バック・ブリーカー。
  猪木は逃れるとリバース・スープレックス。カウントは2。
  小林がヘッド・ロックへ。
  猪木がバック・ドロップに切り返す。
  両者何とか起き上がる。
  猪木がジャーマンで1,2,3!
  猪木の防衛!


ANWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.大木金太郎(10/10/74)
  ゴングも鳴っていないのに猪木がいきなり大木を殴り倒す。
  大木がガウンを脱いで構える。
  セコンドが分け落ち着かせる。
  ゴングが鳴る。
  猪木が組むのを避ける。
  組むと猪木がロープに押し込む。
  レフェリーが引き離す。
  猪木がタックルへ。
  防がれるも回転して腕を取り転がす。
  組むと大木がフロント・ヘッド・ロック。
  猪木が腰を落として防ぐ。
  組むと猪木がヘッド・ロック。
  卍固めを狙うも大木がロープに逃げる。
  組むと猪木がロープに押し込む。
  レフェリーが間に入り何とか離す。
  組むと猪木がヘッド・ロック。
  大木が腰を落として逃れ転がす。
  4の字を狙う。
  猪木が蹴り飛ばす。
  手を掴み猪木が頭を抑えるも離れる。
  猪木が組み付き卍固めを狙う。
  大木が耐え足を掴んで倒そうとする。
  猪木がすぐに体勢を立て直しロープに押し込む。
  レフェリーが間に入る。
  組むと猪木がファイヤーマンズ・キャリー。
  前腕を頭部に押し付ける。
  大木が体勢を変えロープを掴む。
  大木が離れず構えるもレフェリーに離れさせられる。
  猪木が牽制でエルボー。
  大木が髪をつかむ。
  外す。
  組む。
  大木がフロント・ヘッド・ロック。
  ブレーン・バスターでカバー。カウント1。
  組み付くと猪木がダブル・アーム。
  バタフライ・スープレックスからカバー。カウント1。
  ダブル・アーム。
  大木が逆にリバース・スープレックス。
  猪木は暗いながらも外さない。
  大木が回転してハンマー・ロック。
  ロープ・ブレイク。
  組む。
  大木がロープに押し込み腹にヘッド・バッド。
  コーナーに押し込み腹にヘッド・バッド。
  ヘッド・バッド。
  猪木が距離を取る。
  組むと大木がヘッド・バッド。
  猪木が距離を取る。
  組むと大木がヘッド・バッド。
  猪木がダウン。
  組むと大木がヘッド・バッド。
  猪木がダウン。
  猪木が蹴り。
  大木がヘッド・バッド。
  猪木がダウン。
  組むと大木がヘッド・バッドを狙う。
  猪木が何とか頭を掴み阻止。
  大木がコーナーに押し込みヘッド・バッド。
  猪木が後ずさり。
  大木が追い詰めヘッド・バッド。
  猪木が場外に崩れ落ちる。
  起き上がるとリングに戻る。
  大木が掴みかかりヘッド・バッド。
  もう1発。
  起こしてヘッド・バッド。
  起こしてヘッド・バッド。
  猪木が流血しながらも立ち上がり打ってみろと構える。
  大木がヘッド・バッド。
  大木がヘッド・バッドで倒しカバー。カウント1。
  起こして溜めてのヘッド・バッド。
  もう1発狙おうとする。
  猪木がパンチ。
  パンチ。
  ボディ・スラム。
  バック・ドロップ。
  カバーし1,2,3!
  猪木の勝利!


BNWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(12/12/74)
  ゴングが鳴るなり猪木がドロップ・キック。
  もう1発。
  ボディ・スラムでカバー。
  小林はロープに足をかけるもレフェリーが見逃して1,2,3!
  猪木が勝利!

  小林が抗議する。
  レフェリーがミスを認め試合続行となる。

  組むと小林が蹴り。
  組むと猪木がヘッド・ロック。
  グラウンドに倒す。
  小林がグラウンド・ヘッド・シザース。
  締め上げる。
  猪木が反転させるも締め上げられ動きが止まる。
  猪木がブリッジですり抜けレッグ・ロック。
  後ろを取る。
  背負って起き上がろうとした小林を丸め込む。
  ロープに足がかかる。
  組むと小林がヘッド・ロック。
  猪木が足をかけて倒すも逃げられる。
  組むと猪木がロープに押し込む。
  離れる。
  組むと猪木がロープに押し込む。
  離れる。
  猪木がかかってこい、と言い張り手を狙うもかわされる。
  組むと猪木がバックを取る。
  小林が強引にマットに投げアーム・ロック。
  ハンマー・ロック。
  猪木が起き上がりバック・エルボー。
  ロープに逃げる。
  小林が離れず殴りつける。
  殴りつける。
  引っ張り蹴り上げていく。
  倒れるとストンピング連打。
  猪木がたまらず場外に転がり出る。
  リングに戻る。
  組むと猪木がフロント・ヘッド・ロック。
  小林は起き上がるとロープに押し込む。
  離れずショルダー・ブロック連打。
  腹にバック・エルボー。
  猪木が殴りつけはなれる。
  組むと猪木がクラバート。
  締め上げ急に離す。
  小林が崩れる。
  組むと猪木がクラバート。
  離すと小林が崩れる。
  組むと猪木がコーナーに押し込む。
  小林が顔にパンチ。
  パンチ。
  殴りつけチョップ。
  崩れた猪木にストンピング。
  猪木が場外に転がり出る。
  リングに戻る。
  猪木がドロップ・トー・ホールド。
  インディアン・デス・ロック。
  ブリッジでチン・ロック。
  レッグ・ロック。
  小林がチン・ロックを決める。
  猪木が外してレッグ・ロック。
  小林がチン・ロック。
  猪木が逃れて弓矢固め。
  小林がロープを掴み場外に転がり出る。
  リングに戻る。
  猪木が足を取って倒す。
  小林が足をかけて倒し両足を抱え込む。
  ブレイク。
  小林がベア・ハグ。
  持ち上げる。
  そのままコーナーに叩きつける。
  ショルダー・ブロックを連打。
  アトミック・ドロップでカバー。カウント2。
  腰にストンピング。
  ボディ・スラム。
  カバー。カウント2。
  起こすとアトミック・ドロップ。
  カバーするも猪木の脚がロープにかかる。
  猪木が近づいてきた小林にパンチ。
  小林は頭を差し出す猪木にパンチ。
  パンチ。
  パンチ。
  猪木は耐えるとパンチ。
  もう1発。
  組むと猪木がスリーパー。
  目に指を入れて引っ張っている。
  拳を叩き込みスリーパー。
  チョークとみなされるもカウントされると離してかけなおす。
  ブレイク。
  ナックル・ロック。
  猪木の腰が落ちる。
  猪木が顔にヘッド・バッド。
  組むと小林が後ろからチョーク。
  チョーク。
  頭部を蹴りつける。
  猪木が両脚を掴んで倒しボストン・クラブ。
  小林が上体を起こして倒す。
  猪木が丸め込む。
  小林が逃れ上になる。
  レッグ・ロック。
  ヘッド・ロック。
  猪木がロープに逃げる。
  レフェリーが離れさせる。
  組むと猪木がロープに押し込みニー。
  ロープに振りショルダー・スルー。
  カバー。カウント1。
  殴りつける。
  スナップ・メアからかぶさる。
  小林がニーを突き上げる。
  小林が腹にパンチ。
  ヘッド・ロック。
  ロープに振られるもショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  猪木がフライング・ヘッド・シザースを狙う。
  小林がバランスを崩し両者ロープに激突。
  場外に転落する。
  猪木が小林を鉄柱にぶつける。
  リングに戻る。
  流血した小林が何とかエプロンに上がる。
  猪木が殴り倒す。
  小林は怒りながらリングに戻る。
  猪木に張り手にパンチ。
  殴り倒す。
  ヘッド・バッド。
  もう1発。
  猪木が崩れる。
  小林がヘッド・バッド。
  猪木が近づいてきた小林にストレート・パンチ。
  崩れ落ちた小林を殴りつける。
  殴りつける。
  小林のパンチをかわすとパンチ。
  卍固め。
  小林が耐える。
  崩れる。
  猪木が構える。
  何とかロープを掴んで小林が起き上がる。
  猪木が小林に卍固め。
  小林が耐える。
  レフェリー・ストップ!
  猪木の勝利!

試合結果

@NWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(3/19/74)
ANWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.大木金太郎(10/10/74)
BNWF王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.ストロング小林(12/12/74)
CMSG予選:アントニオ猪木vs.坂口征二(30分時間切れ→10分時間切れ)(4/21/78)