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新日本プロレス:Complete Inoki V.2 Disc 1の分析


名勝負 旗揚げ戦:アントニオ猪木vs.カール・ゴッチ(3/6/72)
好勝負 なし

約1時間45分です。

@旗揚げ戦:アントニオ猪木vs.カール・ゴッチ(3/6/72)
 70年代の新日。
 それが目指すべき防御のレスリングを提示しています。
 ゴッチが鬼神的表情、見得を見せているのは興味深いし、
 ショルダー・タックルやアブナミドル・ストレッチといった技があくまでそのレスリングの世界観の中で描かれているのも面白い。
 猪木が全編を通してリアルであったスポーツのレスリングです。
 この仕切る作法のあるスタイルの最大の欠点はストーリー・テリングの弱さですが、この試合は時間配分が絶妙です。
 スタイル上パッと見は同じ風景が並ぶので
 試合時間を増して60分時間切れとか狙う傾向があるのですが、
 この試合は20分弱という試合時間を設定し絶妙の試合時間配分で試合を展開させていく。
 ゴッチが脚攻めの展開を(足を引っ張る1回→仕切る)X繰り返しで実行していたのには感心しましたね。
 ゴッチは新日スタイルにおいては確かにプロレスの神様と称されるだけの技術とセンスがある。 
 終盤は猪木の受け表現が光りぐいぐいと試合に惹きつけて行きましたね。
 ただフィニッシュがいまいち。
 敢えてエースの猪木を勝たせないのなら考えて考え抜いてフィニッシュを用意しなくては。
 非常に中途半端です。
 その点が惜しまれますがぎりぎり名勝負に入れましょう。
 充実度はピカイチです。

A3本勝負:アントニオ猪木、坂口征二vs.カール・ゴッチ、ルー・テーズ(10/14/73)
 序盤はセット・アップ。
 まず坂口を相手にテーズ、ゴッチが技術的優位性をアピールし、
 猪木がその技術に対して引けを取らず、むしろ抑える形でエースとしてアピールします。
 ここで立ち位置を作ったのは良いですが、タッグという形式がまだ未完の状態なので
 似たような内容が長ったらしく続き、その充実度に試合のクオリティは完全に依存します。
 個々を見ていくとまず57歳のテーズが厳しいですね。
 彼はタイミングを外すリング・ワークが中心でしょう。
 体のキレが無くなり、戦局という要素の薄いタッグになると
 それは小細工、集中力を削ぐ事にもなってしまいます。
 坂口もヘッド・ロック中心で色は出しているけれども
 他が密着度の高い攻防をするので形だけなぞった物に見えてしまいます。
 ゴッチは49歳ながらまだ美しい強さがありました。
 猪木は大ベテラン相手に良いレスリングを見せていますが
 技術的にはまだしもその若さ、身体能力を完全には使い切っていないですね。
 フィニッシュは当時を考えるとそれなりに考えられていたので形はついている。
 まあまあ良い試合。 
 (執筆日:6/24/10)

BNWF王座戦、3本勝負:ジョニー・パワーズ(ch)vs.アントニオ猪木(12/10/73)
 パワーズが組むのを切るように拳を腕に打ちおろしたのは独特で面白いですね。
 ただ何の意味もないけど。
 試合はパワーズが攻めの道筋に欠け、受けも硬いので(只のフライング・ヘッド・シザースをミス)
 猪木が退屈しない程度に動かし、拳で盛り上げるのが精一杯。
 リアリティーはいまいちなのパワーズですが、
 一応パワーズ・ロックという4の字を必殺技として持っているので2本目からクライマックスへの流れは出来ていましたね。
 ただ傷をつけないためだろうけど、4の字をかけようとしてロープにぶつかる自爆は間抜けに見えますよ。
 普通に負けた方が良かった・・・。
 平均レベル。

総評
 @は新日スタイルの最高峰。
 後は相手が悪かったが1試合だけで満足。
 (執筆日:10/24/10)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

@旗揚げ戦:アントニオ猪木vs.カール・ゴッチ(3/6/72)
  握手を交わす。
  ゴッチがコーナーに押し込む。
  猪木が体勢を入れ替え離れる。
  組む。
  猪木がファイヤーマンズ・キャリーを狙うも防がれる。
  猪木がヘッド・ロック。
  グラウンドに倒す。
  ゴッチが起き上がりロープに押し込む。
  猪木がエルボー。
  離れる。
  組むと猪木がエルボー。
  ゴッチが腕を取る。
  リスト・ロック。
  猪木が回転して蹴り飛ばす。
  猪木がヘッド・ロック。
  ゴッチが持ち上げバック・ブリーカー。
  猪木が倒して腕を取る。
  ゴッチがブリッジから起き上がる。
  猪木が腕を回転させて倒す。
  ゴッチが回転して逃れる。
  組むとゴッチがバックを取りにいく。
  猪木が回転して逃げる。
  猪木がロープに走りショルダー・タックル。
  アブナミドル・ストレッチを狙うも逃げられる。
  それぞれ相手の頭に腕を絡める。
  腰を落とす。
  猪木が回転して転がす。
  ゴッチが回転して転がす。
  上にかぶさる。
  猪木がブリッジで起き上がりスナップ・メア。
  ゴッチが逃れる。
  ゴッチが組み付き足をかけて倒そうとする。
  耐えられるも腕を取って倒す。
  バックを取る。
  猪木が振りほどく。
  組む。
  ゴッチがファイヤーマンズ・キャリー。
  アーム・ロック。
  猪木がグラウンド・ヘッド・シザース。
  ゴッチが倒立。
  猪木が逃げられるもすぐグラウンド・ヘッド・ロックへ。
  ゴッチがグラウンド・ヘッド・シザース。
  猪木が反転して逃れインディアン・デス・ロック。
  ブリッジでチン・ロック。
  ゴッチがロープに逃げる。
  10分経過。
  ゴッチが回転して足を取る。
  倒すと足を引っ張る。
  組むとゴッチがフロント・ヘッド・ロック。
  足を取って倒すと足を引っ張る。
  ゴッチが腕を取る。
  足を取って倒し引っ張る。
  ナックル・ロック。
  ゴッチがヘッド・ロック。
  回転して足を取ろうとする。
  猪木が防ぐ。
  猪木がバックを取る。
  ゴッチがバック・エルボーで外させる。
  組む。
  ゴッチがボディ・スラム。
  ジャーマン。
  猪木の脚がロープにかかる。
  猪木がたまらず場外に転がり出る。
  リングに戻ってくる。
  近づいてきたゴディを蹴り飛ばす。
  ショルダー・タックル。
  ロープに走りもう1発。
  ロープに走り3発目。
  ボディ・スラム。
  組み付く。
  ゴディがヘッド・ロック。
  ブーツをこすりつける。
  股の間に挟んでジャンプ。
  ボディ・スラムの体勢からドライバー。
  カバーするもカウントは2。
  猪木がぐったりして場外に転がり出る。
  リングに戻る。
  ゴッチが抱え込み胸に猪木の頭部をぶつける。
  猪木が両脚を掴んで倒す。
  ボストン・クラブを狙う。
  耐えられるも何とか決めようとする。
  ゴッチが体を上げ反転できないようにする。
  猪木を倒すと上にかぶさる。カウント2。
  ゴッチが手を捻る。
  猪木がドロップ・キック。
  カバー。カウント2。
  ナックル・ロック。
  ゴッチが後ろに倒れて丸め込む。カウント2。
  猪木がドロップ・キック。
  卍固め。
  ゴッチが体勢を変えリバース・スープレックス・ブリッジ。1,2,3!
  ゴッチの勝利!

試合結果

@旗揚げ戦:アントニオ猪木vs.カール・ゴッチ(3/6/72)
A3本勝負:アントニオ猪木、坂口征二vs.カール・ゴッチ、ルー・テーズ(2−1)(10/14/73)
BNWF王座戦、3本勝負:ジョニー・パワーズ(ch)vs.アントニオ猪木(新チャンピオン!)(2−1)(12/10/73)