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新日本プロレス:Best of NJPW 1988の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(8/8/88)

イリミネーション・マッチ:長州力、スーパー・ストロング・マシーン、マサ斉藤、小林邦昭、ヒロ斉藤vs.藤波辰爾、山田恵一、藤原喜明、越中詩郎、木村健吾(9/12/88)

@IWGP王座戦:藤波辰巳(ch)vs.アントニオ猪木(8/8/88)
 藤波の4の字、猪木のスリーパーなど観客の中にあるそれぞれのイメージ像を活かして見所のある攻防を生み出し、
 一方では藤波のジャイアント・スイングや猪木の現代的なハイ・スポットといった意表をついた動きを織り交ぜる。
 観客のテンションを切れさせず集中力を呼び起こすレスリングの攻防を潤沢に見せています。
 そこに猪木の感情表現やIWGP王座戦という格式、古館の名文句がついてきます。
 これは猪木のラスト・マッチだろうと感じさせ、
 猪木vs.藤波を”象徴”している(日付までぞろ目だし)、と誇りを持てる内容です。

 しかしそれは同時に実体に乏しい事も意味している。
 藤波が持ち前の上手さで引っ張っているにも関わらず、
 試合の構築は崩れていき意味のない時間帯もしばしば。
 終盤なんて滅茶苦茶で、もし59分で決着して意味合いを奪われたら一気に凡戦に転じてもおかしくない状況でした。
 そこに藤波が仕留められないでいる原因なんて1つも提示できていません。
 新日が掲げる勝負論が崩れ去った後に残されたのは藤波の同情だけです。
 一方で猪木は4の字をかけられて「折れ」と呼びかけますが、
 85年のようにその裏に優しさがある訳ではありません。
 完全に形だけの行為、ただのリプレイです。
 また後半は完全にロートルで動きが落ちていて、見得で補う事が出来ません。
 観客が盛り上がってくれているのは目の前のシーンの裏にこれまでのキャリア、積み重ねを見てくれているからです。

 決して内容自体が凄い訳ではありませんが、
 猪木、藤波、ブッカー、観客の4つが揃ったからこそ実現した、
 この中のどれが欠けてもなし得なかった、45歳でのフル・タイム戦。
 良い意味でも悪い意味でもネバー・エンディング・ストーリーと称するのがぴったりです。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/19/10)

Aイリミネーション・マッチ:長州力、スーパー・ストロング・マシーン、マサ斉藤、小林邦昭、ヒロ斉藤vs.藤波辰爾、山田恵一、藤原喜明、越中詩郎、木村健吾(9/12/88)
 イリミネーション・ルール。
 トップ・ロールでなくても場外に落ちたら脱落の特殊ルール付です。

 テンポよく試合展開。
 自陣/敵陣の位置付けあるのは良いですね。
 
 連携技は威力あるも、その分受け次第、吹き飛び次第では
 自陣タッチが出来たりと細かな工夫が光ります。

 山田と小林の切れ味鋭い攻防。
 ほか、藤原が良い味を出していたりと
 それぞれが自分のスタイルを見せつつ
 試合の流れにも合わせていますね。

 リーダーである藤波と長州がピンチありつつ、ちゃんと残って、
 注目度増していきます。
 長州はまさかの場外転落で脱落し、最後はマサvs.藤波。
 マサにトリを務められるかなという所でしたが、
 金具への一撃からマサが大流血。
 それもあって動きは落ちて攻防自体は伸びなかったのですが、
 とにかく絵面のインパクトはあり良い締めくくりとなっています。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/25)