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新日本プロレス:Best of NJPW 1987 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 前田日明vs.ディック・マードック(9/14/87)

巌流島決戦: マサ斉藤 vs.アントニオ猪木(10/4/87)

@長州力、スーパー・ストロング・マシーン、小林邦昭vs.藤原喜明、木戸修、高田延彦(6/12/87)
 長州軍団が予想以上にトリオとして機能していて連携技を見せます。
 UWF組みもしっくり合わせた試合の中で技術的見所を入れている。
 トリオ・マッチならではのテンポの速さもあり面白かったですね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Aタッグ王座戦:前田日明、高田延彦(ch)vs.スーパー・ストロング・マシーン、小林邦昭(8/2/87)
 タッグですが@に似たスピード・バトルに。
 王者組みの蹴りは精力的で新日組みも受けが良い。
 4人が場外にもつれて転落するスポットから終盤突入で落とすかと思いきやアップ・テンポを貫きます。
 そこらへんにギクシャクしている部分はあるものの
 終わってみればアスリートとしての試合で貫いて正解だったという感想。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:12/11/09)

B前田日明vs.ディック・マードック(9/14/87)
 試合開始時にマードックがサンドバックになっていたので
 UWFの痛みにプロの仕事が崩れるかと悪い予感がしたのですが予想を裏切ってくれました。
 サブミッションを重く見せれるし、打撃も毒針エルボーが鋭く、前田と渡り合っても全然違和感を感じさせない。
 また意図的に前田の攻めを受け止めて溜めている他、
 独特の間はこれからタイミングをつかませず何をするかの予想もつきません。
 スポットでもない只の技にさえ意味深さを錯覚させる巧みの技です。
 また終盤もラフ・スタイルで新たに展開させていましたね。
 まったりしていて熱狂する性質でない中、最後が制止しようとするレフェリーに暴行を働き反則という弱い物なのが痛いですが予想を遥かに超える内容です。
 前田もやや不細工でしたが能動的にペース変化を試みたりと頑張っていましたね。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/5/10)

C巌流島決戦: マサ斉藤 vs.アントニオ猪木(10/4/87)
 まずこの試合に 至った経緯は2つの要因がありまして
 1つには魅せるという事を排除した中(=無観客)
 道場で学ぶレスリング技術で
 (通常試合では様式化されたそれなので)、
 その鍛えた体でどこまで行くことができるか確かめてみたいと言う猪木の思いでありました。
 それなら道場で勝手にやってりゃいいのですが
 ここでもう1つの理由。
 会社が次世代への切り替えを狙っていて
 万年トップでないと気が済まない猪木は
 何かアクションを起こす必要があった。
 という事で上記の夢を売り出した訳ですね。
 他ならぬ次世代であるマサ斉藤が
 こんな馬鹿げた事の相手をするのは不思議ですが
 ダーク猪木は
 「いや、まあ聞けよ、マサ。
 プライベート・マッチなんてのは建前よ。
 見せないと言えばマスコミや会社の奴らも飛びついて来るだろ。
 それで仕方なくを装ってカメラを入れてやるのよ。
 だから金もでるしお前の名もますます上がるぜ。
 どうだ。
 やる、と言えよ。
 まあ嫌なら嫌でも言いんだぜい。
 藤波にでも話を持っていくからよ」
 なんて言って無理矢理納得させたに違いないのである(笑)
 あな恐ろしや、猪木の口八丁。
 場所も巌流島というマスコミが
 勝手に現代における決闘の再現だ、なんて書きたてそうな場所を選び舞台は整いました。
 さてどんな物になったかというと・・・
 まず30分はマサ斉藤が1回姿を現しただけで
 お互い控え室代わりのテントに引っ込んだまま終了。
 武蔵vs.小次郎の1戦が行われた地ですから
 これだけで立派な心理戦と勝手に受け止められる訳ですね。
 特筆すべきは彼らは何もしていないという事です。
 魅せずして魅せる。
 魅せる事を排除して戦うという本目的から外れることなく
 最低限の商業用の装いを加えるという非常に上手い手法でした。
 そうこうして2人は姿を現して相対しました。
 これからはひたすらグラウンド・レスリングです。
 猪木の夢の部分ですね。
 これはつまらないです。そして面白いです。
 なぜつまらないかと言うと
 道場でやるグラウンド・レスリングなので
 ある意味ヘッド・ロックを何時間もかけ続けるというのが許されるような内容ですし
 基本的に(リング内外、ロープという場で自然発生する物除く)
 見せ場は作りませんから。
 逆になぜこれが面白いかというと
 その技術が100%活きている攻防だからでしょう。
 これは所謂スポーツ的な代物ですね。
 この夢の部分は1時間続きました。
 なぜ1時間になったかというと
 そこで猪木が満足したか、はたまた厭きたからでしょう。
 これで終わってもいいのですが
 一応売り物ですから汗だくまみれで決闘でしたといっても格好がつかない。
 それでは幻想を抱いてくれません。
 という事で打撃でラフ・ファイト、流血
 ついでにサービスの投げも散りばめ、
 暗闇にかがり火が燃え立つ中で
 視覚的に激戦だったというイメージづけを行った後
 猪木がスリーパーでマサ斉藤を落とします。
 実質的な決着の瞬間ですが
 これまた試合開始時と同じで憎らしい演出がありましてね。
 猪木が歩くのです。
 そう、漆黒の闇の中を歩くのですね。
 終わったから巌流島から去るというシーンなのですけど
 ふらついたり、倒れたり道を間違えたりと
 千両役者、猪木が5分、6分と歩きました。
 そして立会人がマサ斉藤の戦意喪失を確認し
 2時間5分14秒で幕となったのでした。
 (映像に残っている中では世界最長の試合でしょうか。
 最初の3、40分はフォールズ・カウント・エニウェアで
 バック・ステージに引っ込むという裏技と通じる物がありますので微妙なラインですけれど)
 総評としては・・・
 これを素晴らしい試合というのは馬鹿げているでしょう。
 逆に悪い試合というのも馬鹿げています。
 評する類の代物ではないし、
 そもそもプロレスと呼べるかも疑わしい、まさにコントロバーシャル。
 取りあえず見るべき価値はあるので、目立つようにぎりぎり好勝負に入れとく、といった感じ。
 (執筆日:6/24/10)

Dアントニオ猪木vs.ビッグ・ヴァン・ベイダー(12/27/87)
 長州と試合をしたばかりの猪木に
 たけしプロレス軍団からの刺客としてベイダーが現れデビュー戦。

 3年目のレスラーを抜擢し、
 団体のエースをスカッシュするとは思い切ったことをしますね。

 その期待に応えるベイダーは素晴らしいパフォーマンス。
 猪木も見事な受けで役者ですね。
 
 3分のスカッシュ・マッチに過ぎないと言えば過ぎないですが、
 プロレス史に残る衝撃デビュー戦です。

 まあまあ良い試合。
 (執筆日:8/?/25)