新日本プロレス:Best of NJPW 1982 part.2の分析
| 名勝負 | WWF Jr.ヘビー級王座戦:ブラック・タイガー(ch)vs.タイガー・マスク(5/26/82) WWF Jr.ヘビー級王座戦:タイガー・マスク(ch)vs.ダイナマイト・キッド(8/5/82) WWF Jrヘビー級王座戦:タイガー・マスク(ch)vs.ピート・ロバーツ(9/10/82) |
| 好勝負 | なし |
@NWA Jr.ヘビー級王座戦:レス・ソントン(ch)vs.タイガー・マスク(5/25/82)
レスリング・ベースで華麗な技は少ないので地味ですが
小さな1つ1つの攻防を大切に行ってて鑑賞に足るクオリティの高い内容です。
英国的にタイミング取りが上手いソントンの高い防御力に対し
タイガーがレスリングという実力的な勝負で
どう立ち向かっていくかは観客を惹きつけます。
最後はブラックに対するメッセージとしてツームストンでフィニッシュです。
面白いものの、終盤がBタイガー戦への踏み台的になっているのが残念ですね。
好勝負に少し届かず。
AWWF Jr.ヘビー級王座戦:ブラック・タイガー(ch)vs.タイガー・マスク(5/26/82)
単純な腕取りの中にもフェイント、アピールといった対立構造が組み込まれている。
そこから互角な攻防をしていくのだけど
タイガーは勢い良く素晴らしいムーブで攻め、簡単には引かないのに対し、
ブラックはゾンビのように受け、タイミングの見えない打撃で切る事で精神的にタイガーを追い詰めていく。
ブラック・タイガーという単純でいて強烈な敵キャラを
スパーキングの利く同格に据えながら、それでいてスケーリングの利く違うスタイルで戦っている。
最後まで一進一退の攻防で素晴らしく、
ブラックの処刑人を思わせる技による表現力が更なる高みまで登り上げました。
タイガーvs.黒タイガーのイメージを最大に膨らませた結果、
タイガーの華々しい復活を飾る、素晴らしい名勝負となりました。
ぎりぎり名勝負。
BWWF Jr.ヘビー級王座戦:タイガー・マスク(ch)vs.ダイナマイト・キッド(8/5/82)
この試合こそこの数え歌の極方にあります。
進化し続ける中で縦横に動き、片方は待つ、という既存の考えから脱し
360°の方向に同時に動いて自在にキャンパスに描いていきます。
これにより意図を超えて試合が動いていきした。
かといって試合の流れにだけ身を任せている訳ではありません。
これまでの試合経験を利用して身体能力をより活かした攻防を生み、
スポットを調整、場外による過激化を行い、ミスもフォローできています。
まさに集大成ですね。
更にハード・ヒットにかつてない程気持ちがこもった結果、
表現自体はそれ程ないにも関わらず
休むのも戦略的にアリだと思わせる、
今にも尽きそうなぎりぎりの攻防にまで辿り着きました。
最後もそれに終止符を打つにふさわしい新技でフィニッシュです。
文句なしに名勝負。
CWWF Jrヘビー級王座戦:タイガー・マスク(ch)vs.ピート・ロバーツ(9/10/82)
試合前にブラック・タイガーを追い払うシーンがあったのは
普通にブラック・タイガー戦の煽りが目的だったのでしょうが
それにより副次的にベビーフェイス対決という事が印象付ける作用をもたらしています。
試合はそれにふさわしい内容。
レスリングに拘ったのだけどこのロバーツが本当に素晴らしいレスラーで、技術を実に美しく見せてきます。
そこに軽妙なテンポ、空間使いも付随しているのだから脱帽です。
私の持つレスリング・ベースのレスラーの理想像ですよ、これは。
タイガーも想像以上に分かっていて隠れたレスリング・テクニックを披露しています。
またロバーツはこの手の英国式スポーツ・レスリングを操るレスラーの例にもれずアスリートとしても優秀なので
数こそ少ないもののハイ・スポットも見事な物でした。
モンキー・フリップは溜めが利いていて、距離があるし、クライマックスはスピード感がある。
そのクライマックスはついでに理に適ってましたね。
知られざる逸品です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:4/25/10)
DWWF Jr.ヘビー級王座戦:タイガー・マスク(ch)vs.小林邦昭(10/26/82)
受けないレスリングにより緊迫感を生み、ヒールとしての下地を作ります。
タイガーは気持ちを前に出して
ただ身体能力に頼るのではなく見せ方によって
よりえぐく鋭い技に発展させ新たなライバルを迎えます。
小林も蹴りこそまだ使いきれていませんが
グラウンドで相手の体力を削り取る、地味ながら力強い物を見せてくれました。
素晴らしい初戦ながら
試合展開に穴があり表現力が少し抜け落ちてしまった所がありますね。
特に最後のフィニッシュです。
コーナーにタイガーを逆さ吊りにしてマスクを剥ごうとして反則を食らうのだけど
荒れていたとはいえ小林が優位な状態でしたからね。
キレる理由が見当たりませんし、
反則で終わらせるとしても結局紐を解いただけで
マスクは剥いでないも同然です。
もう少しパンチを利かせて欲しかったですね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:4/25/10)





