新日本プロレス:Best of NJPW 1975の分析
| 名勝負 | NWF王座戦、3本勝負:アントニオ猪木(ch)vs.ビル・ロビンソン(12/11/75) |
| 好勝負 | なし |
@NWF王座戦、3本勝負:アントニオ猪木(ch)vs.ビル・ロビンソン(12/11/75)
ただ組んだその体の形を見ても分かるように、
この頃の猪木はアスリートとしての美しさを持っている。
顔芸に頼る後年とは違い、他ならぬこの体によって
サブミッションをかけられている状態でもその裏にある攻防、狙いを語り、そして魅せてくれる。
レスリングをベースにした中で投げが単なる大技という位置づけではなく
レスリングの延長上にある境地もまた特別な物です。
最近で言うならカートやスタイナーズの幾つかの試合に見られるでしょう。
高いレベルで、しかもヒートした、最高にテクニカルな攻防が見られます。
ただビルがエゴを出しすぎているきらいがあります。
指を掴んで締め上げるような裏技含めて猪木を抑えにかかっているから
上述した猪木の美しさは徐々にやつれていく。
60分という命題に対し相応の試合構築も用意できていません。
道連れベリー・トゥー・ベリーはそのスポット自体のインパクトに比べ扱いは弱いし、
ビルがダブル・アーム・スープレックスの体勢に行って猪木がロープに逃げるシーンも多すぎますね。
ツームストンの仕掛けも唐突でした。
何より猪木は封殺されまいとレスリングに必死になっているからスポットを作りに行く余裕がありません。
素晴らしいバック・スライドから1本取り逃げに走ったビルに
猪木が残り1分を切って追いつく、というカタルシスによって不満はある程度解消されるが、
やはりプロレス、プロのレスリング(解釈の仕方によって語弊があるかもしれないが)としては完全に賛美できる物ではないですね。
まあ滅び行く美もそれはそれで心を動かす所がありますけどね。
75年のMOTY。
文句なしに名勝負です。
(執筆日:6/25/10)





