新日本プロレス:Best of NJPW 2024 part.1の分析
名勝負 | ダニエル・ブライアンvs.オカダ・カズチカ(Wrestle Kingdom18 1/4/24) |
好勝負 | NEVER無差別級王座戦:鷹木信悟(ch)vs.タマ・トンガ(Wrestle Kingdom18 1/4/24) グローバル・ヘビー級王座戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイvs.ジョン・モクスリー(Wrestle Kingdom18 1/4/24) IWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.内藤哲也(Wrestle Kingdom18 1/4/24) ノーDQ:鷹木信悟vs.ジョン・モクスリー(1/13/24) |
@NEVER無差別級王座戦:鷹木信悟(ch)vs.タマ・トンガ(Wrestle Kingdom18 1/4/24)
NEVERらしいショルダー・タックルの耐え合いから始めて
細かな一進一退を繰り広げます。
同じようなことを繰り返しているように見え勝ちな中で
上手く場を変えていますね。
勢いのある強みの部分が前に打ち出されています。
後半の切り返し合いも鷹木が変化を良い感じにつけていて
掟破りからタマが堂々たるフィニッシュ。
タマのシングルにおいてはキャリア・ベストでしょう。
ぎりぎり好勝負。
Aグローバル・ヘビー級王座戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイvs.ジョン・モクスリー(Wrestle Kingdom18 1/4/24)
記者会見で話していた通りフィンレーを2人で排除。
展開的には面白くないですが、
場外にも逃さずテーブル葬までして、これは違うな、と思わせます。
オスプレイとモクフリーの打ち合いから
フィンレーが復活してくるとモクスリーを鉄柱にぶつけ流血させ、
オスプレイにもシレイリ付きネック・ブリーカー。
1対1に持ち込むこともできるスポットですが、
そのまま3ウェイに入り予期せぬスポットの畳み掛け。
凶器が加わったのも功を奏していますが、
それを考慮してもフィンレーの存在感が素晴らしい。
5分経過するごとに切り替わっていく素晴らしい時間配分の中で、
それぞれのレスラーの価値が最大になります。
ウォードックスの乱入劇はウォードッグスが役者として見劣りし、
もう少し端的に完成度を上げれたでしょうが、
その後は納得のフィニッシャー祭りで〆。
想像もしなかった3人のカードですが、初代王座戦にふさわしい激闘でした。
文句なしに好勝負。
Bダニエル・ブライアンvs.オカダ・カズチカ(Wrestle Kingdom18 1/4/24)
AEWの一戦は怪我で不完全燃焼だったとはいえ
この舞台でリマッチが組まれるとは思わなかったですね。
リアルでありながら形としての見せ方も整っている驚異的なるレスリング。
場外スポットで展開として形を整えた上でブライアンの腕攻めへ。
そのえげつなさがドームという大会場で成立しているのがとんでもないですね。
場の動かし方は素晴らしく、
やり取りの中で生まれる澱み含めて統合しており、
そしてダメージ表現も優れている。
中盤のこの質感は超一流にしか生み出せないですね。
オカダはエプロン・ツームストンで逆転するとブライアンの眼帯を外してそこをストンプしギア・アップ。
リアルな負傷を要素として混ぜ込みつつも、
負傷を悪化させないように無理をせず組み込む。
負傷しながら戦う、怪我を押して戦う、が美化されるのは
こうして完全コントロール下における場合だけですね。
ブライアンが追い込みをかける中で、
オカダがレインメーカーを上手く使って
そのストーリーに攻防をのせましたね。
いつものNJPWのニア・フォール合戦の指向性から少し外れている所もあるので、
一部物足りなさはあるもののこのカードにふさわしいMOTYC。
ぎりぎり名勝負。
CIWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.内藤哲也(Wrestle Kingdom18 1/4/24)
元ロスインゴ対決。
SANADA的には複雑な思いを抱くシチュエーションですが、
それを自分らしく表に出さずとも奥に秘めた形で自己表現。
当然見えにくいもののちゃんと表現は伝わってきます。
コンディションの良いSANADAが安心して任せられる中盤。
内藤も思ったより相手任せにせず細かく一進一退を作り上げていますね。
終盤は得意技を意味ある形で放ち、
キックアウト、掟破りをただ盛るのではなく、
しっかりどう使うかの意識の基織り込んで攻防。
内藤のコンディションの心配が晴れた訳ではないですが、
この試合においては予想よりも充実した内容で
セミに食われることなく、しっかりとWK締めくくりました。
文句なしに好勝負。
DノーDQ:鷹木信悟vs.ジョン・モクスリー(1/13/24)
竹刀チャンバラを行い、ごみ箱の蓋を叩きつけ、と
早くも凶器入りまじるラフ・ファイト。
混沌としたラフ・ファイトと見せ場作りを上手く両立させています。
モクスリーのカメラへの見え方に対する高い意識は見事。
後半にかけスイッチ入れると両者同時にギアをあげていきます。
チェーンも出るし、テーブルも出るし、
果てには鷹木が毒霧というサプライズまで。
盛りだくさんでありながら、
それぞれのスポットの使いどころが見事で大成功の内容です。
文句なしに好勝負。
(執筆日:1/?/24)