新日本プロレス:Best of NJPW June 2023の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | Jr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.マスター・ワト(6/4/23) NEVER無差別級6人タッグ王座戦:棚橋弘至、オカダ・カズチカ、石井智宏(ch)vs.海野翔太、ジョン・モクスリー、クラウディオ・キャスタニョーリ(6/4/23) IWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.辻陽太(6/4/23) |
@Jr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.マスター・ワト(6/4/23)
柵に容赦なく打ち付けていくヒロムの攻め。
ワトは上がってきたが、まだ団体内の格も、観る側の印象差もある中で
そこを強くテーマとして感じさせる良い出だしでしたね。
劣勢から入ってもタイミングをしっかり掴み、
ムーブに感情を乗せられるワト。
お互い良いスタンスで試合に臨めていました。
その上で名勝負に向かって更に上げる要素としては
ワトの技のキレやベンダバールを如何に切り返し合いの中に織り交ぜるかにおいて
更なる上のレベルを求めてしまいますね。
ヒロムもまた他の試合とは違う面白さの提供という点において
序盤は作り上げていたのに対し、終盤は差別化が弱かった。
ぎりぎり好勝負。
ANEVER無差別級6人タッグ王座戦:棚橋弘至、オカダ・カズチカ、石井智宏(ch)vs.海野翔太、ジョン・モクスリー、クラウディオ・キャスタニョーリ(6/4/23)
CCが加わることで更にワクワクするカードになっていますね。
序盤はぎこちない所ありつつも期待感には応えており、
オカダがまさかの孤立という思わぬ展開でフックをかけました。
主役をこの展開で使う中で、セコンドも絡んで緊張感を持たせたことで、
存在価値を損ねないままに出来ています。
棚橋は耐えと間でらしさを生んで魅せ、
石井とCCは最高のぶつかり合い。
モクスリーも素晴らしいフィット感で
シングルとしてもトリオの潤滑油としても機能しています。
そして肝心のオカダvs.海野は出し惜しみ感ありましたが、
終盤は必要なところで強度を増してきます。
意図的にコントロールしきっていますね。
トリオの面白さもエッセンスで混ぜ込み素晴らしい試合でした。
文句なしに好勝負。
BIWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.辻陽太(6/4/23)
辻はリープフロッグに行ったSANADAに対してスピアーを叩きこみ不敵な笑み。
その大きな体格も映えて絵になりますね。
ヨーロッパでは陽気さから若干コミカルにもなっていましたが、
強ヒールとしてここまで大物然と雰囲気を醸すとは。
キャラ・メイク大成功ですね。
そのスケール感は帰国後化けたオカダのことを思い出させ、
観客のノリも素晴らしいものがあります。
またメキシコにも行ったという経歴が、
メキシコ系の技に対して深い印象を与えています。
少し雰囲気繋ぎの部分もありはしますが、
辻に対して非凡さに期待感を抱かさせます。
終盤の側転でのDDTキャンセル、カーブ・ストンプの使いこなし方は見事で
既にメイン・イベントのクライマックスをこなせる力があることを証明しました。
辻のパフォーマンスが見事過ぎて
SANADAは悪くないものの食われていましたね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:7/?/23)