新日本プロレス:Best of NJPW May 2023の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | IWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.高橋ヒロム(5/3/23) STRONG女性王座トーナメント準決勝:メルセデス・モネvs.ステファニー・ヴァッケル(5/21/23) ブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー、ウィーラーYUTA)、海野翔太vs.CHAOS(オカダ・カズチカ、ロッキー・ロメロ、石井智宏)(5/21/23) US王座#1コンテンダーズ・トーナメント準決勝:ウィル・オスプレイvs.棚橋弘至(5/21/23) |
@TV王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.ジェフ・コブ(5/3/23)
コブ動かず泰然とした攻め。
絶対王者のザックが苦戦を強いられる展開で興味を引きます。
ザックがいつもと違う攻め方で中盤をちゃんと進め、
コブも場面で変調し消耗感を出してきます。
コブのダイナミクスさはザックに密着されてても出せるしザックもまた同じ。
どうしても試合時間迫る中で予想はつく攻防に最後は落ち着くので、
全て出し切ったかと言うと少し心残りはあったか。
好勝負に少し届かず。
ANEVER無差別級6人タッグ王座戦:エル・デスペラード、鈴木みのる、成田蓮(ch)vs.オカダ・カズチカ、石井智宏、棚橋弘至(5/3/23)
棚橋はリアルに負傷しているものの
それならと味方の盾になったりと特殊ポジション。
みのるも扱い方を良く分かっています。
オカダに喧嘩を売った成田。
オカダが上手いカワイガリで盛り上げます。
石井とデスペの一騎打ちも上質な攻防でしたね。
3本の軸がもっと有機的に絡まる余地を残しつつフィニッシュ。
好勝負に少し届かずです。
BIWGP世界ヘビー級王座戦:SANADA(ch)vs.高橋ヒロム(5/3/23)
ヒロムが勢いに任せずジョン・ウーを中心に立体感ある攻め。
SANADAも技のテンポを合わせてじっくり。
中盤のテンポ・コントロールが双方良いですね。
SANADAは王者前は好勝負に少し届かない印象が常にあったものの
試合の厚みを上手く出せるようになってきていますね。
ヒロムもまた、いつもの歪な過激ファイト・スタイルではなく、
非常にIWGP王者的な試合運びで
試合内容的に本当に将来IWGP王者になる未来が見えました。
小綺麗に攻防作りに寄っている感もありましたが
それで終わらず先にクライマックスを用意し、
そちらは力技も混ぜ気持ちを強調してしっかり良い印象で〆。
ぎりぎり好勝負。
CSTRONG女性王座トーナメント準決勝:メルセデス・モネvs.ステファニー・ヴァッケル(5/21/23)
型を意識しつつ広げることで
ステファニーの素材の良さを引き出していますね。
ステファニーがロープを使った腕ひしぎ。
他にもドラスクをやる等焦点は少し散っていますが、
技のスケール感は魅力的です。
モネが受けの良さを見せつつ構築を整えました。
観客に対する見栄の混ぜ方も素晴らしく、
最後のフィニッシャーへの持って行き方には惚れ惚れしましたね。
ぎりぎり好勝負。
Dブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー、ウィーラーYUTA)、海野翔太vs.CHAOS(オカダ・カズチカ、ロッキー・ロメロ、石井智宏)(5/21/23)
オカダと海野のライバル関係は鉄板。
メキシコで花開かせているらロメロは素晴らしい躍動感。
Jr.の位置づけなので、この面子の中で受けに回ることも多いですが、
相対するYUTAと良い絡みを見せていてバランスも申し分なし。
トリオに収まりつかない程の濃い人間模様を入れつつ
トリオとしての体裁も壊さない素晴らしい試合でした。
ぎりぎり好勝負。
EUS王座#1コンテンダーズ・トーナメント準決勝:ウィル・オスプレイvs.棚橋弘至(5/21/23)
オスプレイがアピール性を押し出して、
棚橋のやりやすい領域で盛り上げ。
相手にアクションを求めずとも落とし所を見つけるのは流石。
棚橋も交錯するアクションの質はそこまで期待できないものの
構築上の感の良さを見せてきました。
しっかり観客を惹きつけた上で攻防。
出来ないこと、出来ること、ちゃんと仕分けし、理解できているからこそのクオリティでしたね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:5/?/23)