新日本プロレス:Best of NJPW December 2023の分析
名勝負 | NEVER無差別級6人タッグ王座戦:オカダ・カズチカ、石井智宏、棚橋弘至(ch)vs.ユナイテッド・エンパイア(ジェフ・コブ、ヘナーレ、グレートOカーン)(12/21/23) |
好勝負 | WTL公式戦:石井智宏、矢野通vs.海野翔太、成田蓮(12/1/23) 石井智宏vs.カラム・ニューマン(12/22/23) |
@WTL公式戦:石井智宏、矢野通vs.海野翔太、成田蓮(12/1/23)
石井と矢野。
調整役というべきタッグではありますが、
海野、成田が試合で燃焼するに当たっては適切な相手でした。
石井がゴツゴツとしたハード・ヒットで
海野、成田の根性を引き出します。
特に海野の感情が良い形で出ていました。
また矢野だからこそ成田も攻めれる場面を与えられます。
海野も矢野相手だからこそ気負わず
海外遠征で身に着けた試合の向き合い方が維持できていましたね。
最後は海野と石井が熱い攻防で盛り上げて納得の内容に仕上げました。
ぎりぎり好勝負。
AWTL決勝:毘沙門(後藤洋央紀、YOSHI-HASHI)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(エル・ファンタズモ、ヒクレオ)(12/10/23)
序盤から中盤っぽい試合運びですね。
セコンド介入したり孤立を脱する攻防あったり。
ファンタズモが椅子を取り出すとヒクレオが諭しつつ
テーブルはOKという謎スタンスを見せたりと前半に散りばめます。
ベースとしては悪くないものの
ダメージ観が重めで早くも疲労感を演出。
しかし試合を決める気がないのが伝わってしまう攻防で、
観ている方もぐったりしてしまいますね。
もう少しテンポ・コントロールできないものか。
30分経過してもダラダラ。
ダメージ表現とは右肩上がりで重くしていけば良いものでは無いということを
反面教師として教えてくれる内容です。
まあまあ良い試合程度。
BNEVER無差別級6人タッグ王座戦:オカダ・カズチカ、石井智宏、棚橋弘至(ch)vs.ユナイテッド・エンパイア(ジェフ・コブ、ヘナーレ、グレートOカーン)(12/21/23)
トリオの連携技も豊富ながら
トリオ・シーンもまた意識的に織り交ぜます。
タッグではないトリオという意識が明らかに現王者から高くなっていて
ただ長時間に対する正解が試行錯誤されていたものが一つの答えに辿り着いた感がありますね。
タッグを繋ぐ個もそれぞれ高いパフォーマンス。
場面転換する前にやるべきことをやっています。
アピール面もさることながらOカーンのように主張し過ぎないコントロールも光りました。
またシングルの組み合わせとしては冒頭をコブvs.オカダが務め、
クライマックスをヘナーレvs.石井が。
存在感が極まったヘナーレの魅力、
石井の一進一退力が冴え渡っていましたね。
完全にこのシングルでクライマックスは構成されていましたが、
ヘナーレが2連勝しているという背景があるので、
挑戦者は敢えてシングル勝負に持ち込む理があるし、
王者は石井を信じてリベンジを託す、というストーリーが確かにありました。
現王者の試合は毎試合高いレベルを誇りますが、ここまでの試合になるとは思わなかった。
ぎりぎり名勝負。
C石井智宏vs.カラム・ニューマン(12/22/23)
カラムがNJPW参戦。
石井と戦えるとあってタフマン・ファイトに挑みますが、
石井がカラムの果敢な挑戦に対して倍返し。
喉にチョップを打ち込んだりと怖さを見せつけて
単純な一進一退とは違う形で魅せましたね。
カラムも躍動感ある動きと
適切な理解力で2人だけの試合に仕上げました。
カラムの実力は認めつつも
NJPWでここまでの内容を見せてくれるとは思わなかった。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:12/?/23)