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新日本プロレス:Best of NJPW G1 Climax 2023 part.4の分析


名勝負 G1準決勝:内藤哲也vs.ウィル・オスプレイ(8/12/23)
好勝負 G1公式戦:エル・ファンタズモvs.ウィル・オスプレイ(8/6/23)

G1公式戦:オカダ・カズチカvs.ザック・セイバーJr.(8/10/23)

G1決勝:オカダ・カズチカvs.内藤哲也(8/13/23)

@G1公式戦:エル・ファンタズモvs.ウィル・オスプレイ(8/6/23)
 ムーブの放ち手も受け手も見事で
 最初の一つ一つからど迫力。

 ファンタズモの乳首捻りを耐えて強烈なチョップを叩きこむ等
 オスプレイが怖さを持って接します。

 ファンタズモはポイントでビッグ・スポットを決め
 いまやNJPWで観客に愛される外国人としてのスター性を発揮。
 
 パワー・バランスが絶妙で惹きつけられるアクションです。

 ファンタズモは今回の主役ではない中で
 大番狂わせあるかもと思わせるには足りないところもありますが、
 終盤もかなり見応えがありましたね。

 文句なしに好勝負。

AG1公式戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイ(8/10/23)
 それぞれのチーム・メンバーも姿を表し
 軍団長対決の雰囲気を醸し出します。

 主導権を握ったフィンレーが腹攻め。
 
 オスプレイの攻め比率がこれまでにないほど低く、
 準決勝がかかっている中での演出なのは分かりますが、
 それによってクオリティの伸び率が抑えられたのも確か。

 テーブル葬やレフェリー気絶スポットもあり
 しっかりクオリティは最後まで上げていきましたが、
 好勝負と呼ぶには少し物足りなさは残りました。

 好勝負に少し届かず。

BG1公式戦:オカダ・カズチカvs.ザック・セイバーJr.(8/10/23)
 序盤の出だしは掴み弱めでしたが、
 それぞれ柵を使って得意技を決める等
 相手にポイントを取らせず自分のペースに引き込み合う攻防は面白い。

 中盤以降は調子を取り戻し上質なやり取り。

 セイバーの厳しい追い込みに対し、
 オカダはぐったりと見せてアジャスト。

 セイバーがクイックも織り交ぜ完全包囲する中で
 それを一発でひっくり返すレインメーカーの爽快感は素晴らしかったですね。

 文句なしに好勝負。

CG1準決勝:内藤哲也vs.ウィル・オスプレイ(8/12/23)
 等価の切り返し合いの装いながら
 内藤は体が重くなっていることを隠し切れず。

 その厳しい現実を突きつけるようにオスプレイが苛烈な攻め。

 対する内藤は構成を意識しながら首攻め。
 
 陰りを隠せない中で振り絞るような攻めを見せる内藤に対し
 オスプレイは絶妙にいつもよりスポットを抑えてアジャスト。

 スポット数押さえて浮いた分をここぞのスポットで複数組み合わせて
 いつも以上に鮮烈なターニング・ポイントとしていて圧巻。

 オスプレイの巧みな受け身で内藤も終盤は一発一発が強烈に見えます。

 レスラー/観客それぞれコンディションをベストに整えた上でクライマックスへ。
 
 笑ってしまうような打撃の一発一発。
 
 オスプの各技を連続で食いつつもキックアウトするのはやり過ぎ演出ながら
 落日迫る今だからこそ許されることであり目をつぶりましょう。

 内藤のキャリア終盤に燦然と輝くことになるであろうエピック・マッチ。

 文句なしに名勝負です。

DG1決勝:オカダ・カズチカvs.内藤哲也(8/13/23)
 内藤がサブミッションでじわじわと削る一方で、
 オカダは冷静にスケール感ある一発で余裕の逆転。
 倒れた内藤を踏みつける等ヒール的に振舞います。

 準決勝と同じく内藤のコンディションというネックを
 上手くお題目として料理していますね。

 オカダのロング・マッチも得意な巧みなダメージ表現と
 内藤の緩急での惹きこみで
 クオリティもドラマ性も両立させて高めていきます。

 足りない所を観客の力借りつつ
 一方で関係性がレスラーと観客に移り過ぎないよう、
 レスラー間の対決をあくまで本丸に留め続けました。

 30分越えで箔をつけながら力技でクライマックスを押し切りました。

 準決勝程ではないにしても本G1において2番目に凄い試合内容でした。

 文句なしに好勝負。

 (執筆日:8/?/23)