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新日本プロレス:Best of NJPW August 2022 part.3の分析


名勝負 G1準決勝:ウィル・オスプレイvs.内藤哲也(8/17/22)

G1決勝:オカダ・カズチカvs.ウィル・オスプレイ(8/18/22)
好勝負 なし

@G1公式戦:内藤哲也vs.ザック・セイバーJr.(8/16/22)
 内藤が服を一つ一つセイバーに向かって脱ぎ捨て挑発。
 セイバーがキレて蹴りかかる形でスタートです。
 
 ただスピーディな攻防になる流れとしては不十分で、
 2分で終わってしまったことに対して悲しみしかないですね。

 これで内藤の準決勝進出が決定…。

 試合の動きどうのこうのより
 試合後のセイバーの八つ当たりの振る舞いが一番良かったか…。

 少し悪い試合。

AG1公式戦:オカダ・カズチカvs.ランス・アーチャー(8/16/22)
 ランスはフードを被ったままじっとリング中央に立ちすくみゴングが鳴っても微動だにせず。
 前面に立ったオカダに急に掴みかかりチョーク・スラム。

 オカダが完全KO状態から始まる新日らしからぬスタートでしたね。

 ランスはスタッフやカメラ、実況など周りの環境も
 上手く使って自分の強さを作り上げていきます。

 オカダはレインメーカーから反撃開始。

 大枠のロジックは通っていますが、
 ランスの切り返し合いの苦手な部分も出て大味さも否めませんでした。

 もう少し二、三仕掛けが必要でしたか。

 中々良い試合。

BG1準決勝:オカダ・カズチカvs.タマ・トンガ(8/17/22)
 タマはタイミング取りやスポットでない時の動き方に
 手探りな不安定感を覚えるものの
 ダウン・スタイルという自分のスタイルを
 オカダ相手に主張するくらい積極性が出てきましたね。

 オカダは平常運転とそこから踏み出した特別感を
 上手く使い分けて試合を構築。

 終盤も必殺技の防ぎ合いで
 攻防量を積み増しして準決勝らしい内容に仕上げていました。

 中々良い試合。

CG1準決勝:ウィル・オスプレイvs.内藤哲也(8/17/22)
 実は初対決。
 じっくり寝かせて実現させましたね。

 内藤が流れに乗って連打。
 オスプレイはダメージ感を重視し、重めの試合運びで応対。
 準決勝の重み、それまでの過程による満身創痍さ上手く強調していますね。

 内藤が昨日のセイバー戦を2分で終わらせた背景も利いています。

 オスプレイが変形ツームストンを決めて大きな区切りをつけると後半戦。
 ニア・フォールの余韻と切り返しのバランスが素晴らしいですね。

 エルボーの打ち合いが試合の構成点としてリセットする役割以上に
 感情の到達点として描かれているのも好感が持てます。

 内藤のバック・エルボーにオスプレイが崩れ落ちるシーンなど
 内藤のその場面にふさわしい鋭い技の選択と
 それを最大級に輝かせるオスプレイの受け表現に脱帽でした。

 等量の打ち合いでないからこその語り口に酔いしれました。

 ぎりぎり名勝負。

DG1決勝:オカダ・カズチカvs.ウィル・オスプレイ(8/18/22)
 オカダが執拗なグラウンド・ヘッド・ロック。
 韻踏む中でオスプレイのスピード・コントロールが光りますね。
 
 いつもと比べて細かく段階を刻みつつ
 まずはオカダが鋭い場外DDTを決め試合が動き出します。

 背中と首を攻めていく流れですが、
 オカダの構築力がいつも以上に冴えていましたね。

 構築力が前面に出る分、
 前半においては相対的に情緒が不足気味に 映ることもありましたが、
 今回は試合にかける意気込みが非常に伝わってきます。
 そして、それが単なる表情を表に荒々しく出せば良いというものではない、ということもちゃんと良く分かっています。

 オスプレイもオカダの構築にジャストで乗っていますが、
 決勝という舞台でこれまでになく受けに徹した試合の作り方を見せています。

 本物のトップ・タレントであるが故に世界を股にかけながらも
 オスプレイがこの受け側のポジションを演じれるのはレアで、
 そういう意味では実経験も最近では少ないパターンですが、
 そんなことを全く問題にしないレベルで
 最上級の方法論とダメージ表現を見せるのだから恐れ入ります。

 20分経過しカウンター合戦に突入。
 同型技で相手と合わせたり、自分の中で韻を踏んだりと
 多様なバリエーションは枚挙にいとまはなく
 5分突っ走った高濃度な攻防にも関わらず限界を感じさせません。

 更に25分を超えてオスプレイが棚橋、AJ、オメガ等ライバルのムーブを加えてドラマチックにして、
 30分を超えてシンプルに集約させつつも
 非凡な見せ方、カウンターの混ぜ方で非日常感を継続。
 最後までお見事でした。

 昨年に比べるとやや熱量に物足りなさを感じたG1でしたが、
 この準決勝、決勝で全ての印象を覆してきましたね。

 歴史的な名勝負です。

Eエル・デスペラードvs.高橋ヒロムvs.ブレイク・クリスチャン(STRONG 8/20/22)
 ライバルのデスペとヒロムが協力してしまう等
 3ウェイ要素をこなしつつも
 そのこなし方は正直面白みはないですね。

 ただ3人目となるブレイクが3人目で甘んじず
 旬のレスラーとして自分の主張をするので、
 ベースとなるシングルの攻防がかなり骨太です。

 ブレイクはvs.ヒロム、vs.デスペラードを見たいと思わせる攻防を見せ、
 次にもつながった試合と言えそうです。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

 (執筆日:7/?/22)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:内藤哲也vs.ザック・セイバーJr.(8/16/22)
AG1公式戦:オカダ・カズチカvs.ランス・アーチャー(8/16/22)
BG1準決勝:オカダ・カズチカvs.タマ・トンガ(8/17/22)
CG1準決勝:ウィル・オスプレイvs.内藤哲也(8/17/22)
DG1決勝:オカダ・カズチカ(優勝!)vs.ウィル・オスプレイ(8/18/22)
Eエル・デスペラードvs.高橋ヒロムvs.ブレイク・クリスチャン(STRONG 8/20/22)