新日本プロレス:Best of NJPW August 2022 part.1の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | G1公式戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイ(8/2/22) G1公式戦:後藤洋央紀vs.ザック・セイバー(8/6/22) G1公式戦:YOSHI-HASHI vs.エル・ファンタズモ(8/6/22) G1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.グレートOカーン(8/6/22) G1公式戦:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(8/6/22) G1公式戦:オカダ・カズチカvs.JONAH(8/7/22) |
@G1公式戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイ(8/2/22)
フィンレーが苛烈な打撃を見せます。
オスプレイはそれに押される展開で
いつもの、を崩していますが、決してクオリティ・ラインを下げないのは流石。
打撃を前面に押し出して
上手く荒っぽい雰囲気を維持しながら攻防を繰り広げました。
一本筋というのが良い方向にも悪い方向にも働き得る中で
オスプレイがしっかりリードして、
格上感を不必要に出さず真っ向から一進一退に落とし込み、
フィンレーの金星を適切に演出しました。
ぎりぎり好勝負。
AG1公式戦:後藤洋央紀vs.ザック・セイバー(8/6/22)
後藤が技の当たった後の見せ方、
カバーの力の入れ具合で強引さを演出。
作り物っぽさが消えると後藤の100%の魅力が出てきますね。
そしてそういう見せ方を押し付けられても
ひっくり返せる説得力を持つセイバーもまた得をします。
密着感を控えめにして距離感とりながら腕攻め地獄をしたのは素晴らしかったですね。
どんなポジションからでも繋げ、畳みかけられる引き出しの多さには恐れ入ります。
後藤もここまで押されると
攻めの見せ方が変わらないか心配していましたが、
その性質は自ずと弱まりつつも基本は維持できていました。
予想以上に充実した内容でしたね。
文句なしに好勝負。
BG1公式戦:YOSHI-HASHI vs.エル・ファンタズモ(8/6/22)
飄々としたYOSHI相手にも
ファンタズモは自分のペース、アピールを崩さずに
ちゃんと入れ込めていますね。
YOSHIはアクション合わせの正確性も光りました。
それにより大仰に感情出さずとも
ファンタズモのキャラを活かす事が出来ています。
観客を置いてけぼりにしない優良な攻防。
終盤にかけてYOSHIが不器用ながら感情を表に出すと
ギアも上がっていき他の好試合に見劣りしない内容に。
ぎりぎり好勝負。
CG1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.グレートOカーン(8/6/22)
Oカーンはアマレス要素をポイントで強く押し出しながら
ヒールとしてのラフ殺法も織り交ぜます。
二軸使いこなす形ですが、
その点でいえばジェイが更なる完成度で実現していましたね。
脚を攻め、そっちに意識が行けば首への技で動きを止めて、と
全く隙の無い詰将棋のような攻めでした。
先ほどのセイバーの部位攻めに感嘆しておりましたが、
これも甲乙つけがたい部位攻めの究極系だと言えます。
Oカーンはまだまだ完成形が見えていませんが、
この試合の見せ方で言えば
アマレス巧者であることもアイアン・クローを始めとした独自技も
しっかり周知・認識されていますので、後はどう組み合わせて完成させるかだけですね。
受け表現含めて後一歩皮を破ると
益々魅力的なレスラーになりそうですね。
ぎりぎり好勝負。
DG1公式戦:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(8/6/22)
良くある技のはずなのにその高さが桁外れだったり、
ベーシックな切り返しなのに切れ味で思わず目を見張ったり。
そしてムーブが世界トップ・クラスのレベルにありつつも
それを能動的にコントロール出来ているのが何よりの凄さです。
その人における上限MAXを放つのは
体力がついている限りは必至でやるだけで出来ますが、
コントロールして調整するとなると繊細な技術が必要です。
そしてそれを更に活かしているのは
鷹木の疲労感の表現力ですね。
あの表現力なしに序盤から疲労感を出すと只試合を鈍らせるだけでした。
この試合のもう一つの特徴は
豊富なキャンセル・ムーブですね。
相手のDDTをヘッドスプリングの動きで防いだりと
自由自在に攻防を繰り広げました。
一方でこの試合の欠点もまたそこにあって
そのキャンセル・ムーブを多用し過ぎてお約束が通用しない世界になるので、
もはやその攻防が序破急どこにあるか分からず、
終盤の攻防は凄いものの逆にドラマチックとは言えないレベルにありました。
やり過ぎはやり過ぎで余り良くないという実例でした。
昨年の一戦には劣るもののこの2人にしか出来ない内容。
ぎりぎり好勝負です。
EG1公式戦:オカダ・カズチカvs.JONAH(8/7/22)
JONAHはロック・アップして一歩も後ろに引かず。
アクション控えめになり設定が返って上限を生むこともありますが、
設定を緻密に遵守して序盤から重めな展開ながら魅入ってしまいますね。
オカダは良くこのスローな展開をやりましたね。
何だかんだアクションしていれば一定のクオリティ担保される中で普通なら怖い所ですが、
リスクに見合うリターンをしっかり取っています。
ジョナのセコンドも活かして中盤トペコンを派手に。
しかし試合の本筋は忘れず。
JONAHのパワー・ボムをリバース・スープレックスに切り返すも
腰の痛みで崩れ込むなんて普通では出来ないですね。
諦めない姿を起き上がるまでの時間調整、起き上がり方で表現。
マネー・クリップもこういう相手だといつも以上に有用な技となり、
上手く温存してた打撃技でクライマックスも素晴らしい内容に仕上げています。
非常に感心した内容でしたね。
文句なしに好勝負。
(執筆日:8/?/22)
注目試合の詳細
なし試合結果
@G1公式戦:デイヴィッド・フィンレーvs.ウィル・オスプレイ(8/2/22)AG1公式戦:後藤洋央紀vs.ザック・セイバー(8/6/22)
BG1公式戦:YOSHI-HASHI vs.エル・ファンタズモ(8/6/22)
CG1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.グレートOカーン(8/6/22)
DG1公式戦:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(8/6/22)
EG1公式戦:オカダ・カズチカvs.JONAH(8/7/22)