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新日本プロレス:Best of NJPW June 2022の分析


名勝負 なし
好勝負 BotSJ決勝:エル・デスペラードvs.高橋ヒロム(6/3/22)

IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ジェイ・ホワイト(6/12/22)

AEWオール・アトランティック王座予選準決勝:石井智宏vs.金丸義信(6/20/22)

Jr.ヘビー級王座戦:石森太二(ch)vs.高橋ヒロム(6/21/22)

@BotSJ決勝:エル・デスペラードvs.高橋ヒロム(6/3/22)
 ヒロムのエスカレーションに対して
 デスペラードはいなして脚攻め。
 それぞれ自分のペースに引きずり込み合います。
 
 決勝として舞台に合わせて
 序盤からスポットを盛り込みつつ、
 精度良く一進一退を行っていますね。

 また切り返し合いは複雑で、どんな攻防になるのか読めなくて注目させます。
 カナディアン・デストロイヤーを食らった側のデスペが
 ふらつきながらも立っていて、ヒロムがダウンしていたシーンは素晴らしかったですね。

 普通ではないことで上手く演出した激闘。

 文句なしに好勝負です。

AUS王座戦:SANADA vs.ウィル・オスプレイ(6/12/22)
 演舞は思ったより呼吸合わず中途半端に終わっていますが
 シークエンスを続けなくても違和感含めて作って操れるのが今のオスプレイ。

 このオスプレイにSANADAはどう食らいつくか。
 SANADAの得意領域がどうしてもオスプレイのカバー領域の真ん中に近しい所にあるので、
 そういう見方になってしまうし、そうなった際に一線を越えきれない印象がSANADAには付きまといます。

 終盤の攻防も色を出しつつも一部画一的になっていた所がありました。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

BIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ジェイ・ホワイト(6/12/22)
 アメリカ参戦したジェイがこれまで以上にうざいキャラ、表情、仕草を見せます。
 
 打撃で攻撃性、攻防を微調整していきますが、側面として矮小。
 その為オカダはいつものスケール感の構築がし難い所がありましたが、
 いつも以上にポイントを絞り、そのポイントで鋭いハード・ヒットを繰り出すことで応対しています。

 ロング・マッチで攻防が発展しない中でも
 部位狙いの焦点とそれに対する両者の表現で
 長ったらしい試合を味わえるようにしていました。

 オカダが荒々しくも静。
 様々な見せ方でレインメーカー乱舞で盛り上げ、
 ジェイの色の濃い試合になるかと当初は思っていましたが、
 終わってみればオカダ色も相当強く2人の試合として派手に綺麗にまとめあげました。

 文句なしに好勝負

CAEWオール・アトランティック王座予選準決勝:石井智宏vs.金丸義信(6/20/22)
 金丸は翻弄者として振り切っていて始まるなりクイック連発。
 細かな一進一退を強みとする石井なので、
 ハード・ヒットでなくてもこのスタイルとは相性良好。

 また金丸の弱キャラも織り込んで中盤も良い形で作っていましたね。

 後半は金丸が弱キャラを抑えめにしてタフな見せ場も加えていきます。
 脚攻めの絡め方も良く、メジャーのJr.王座を14回巻いているだけの総合力を見せましたね。

 金丸がここまで本領発揮したのは少なくとも10年ぶりでは。

 ぎりぎり好勝負。

DAEWオール・アトランティック王座予選決勝:石井智宏vs.クラーク・コーナーズ(6/21/22)
 クラークもハイパー・アーマーを使って
 石井と真っ向から激突。

 タイミングは合っていないものの
 力技で強引さを出して誤魔化していますね。

 クラークは石井と比べると細かな調整でまだ課題がありましたね。

 しかし欠点をカバーするよりも強みを出すことに振り切った
 ハード・ヒットの打撃戦が後半になって
 どストライクにハマって大盛り上がりでしたね。

 クラークにとってみればキャリア・ベストでしょう。
 NEVERというジャンルがある新日に継続参戦する足掛かりに間違いなくなりましたね。

 好勝負に少し届かず。

DJr.ヘビー級王座戦:石森太二(ch)vs.高橋ヒロム(6/21/22)
 石森はヒロムを場外に呼び込むと同時にリングに戻ると見せかけ、
 途中でモーション・キャンセルしアーム・バー・テイク・ダウン。
 
 切り返し合いも決めるところは決めて
 温存するところは温存して、と自由自在ですね。

 間の処理も良い形で逸りません。

 ヒロム劣勢で中々反撃できない、という単一な展開でも
 これだけ攻防にバリエーションがあり、
 コントロールが利いていれば成立しますね。

 石森が時間をかける処理方法が単一的で少し鈍さも感じましたし、
 ヒロムもこの展開なら腕のダメージをただ痛いと表現するだけでなく
 攻めにも制約をかけて表現したく、
 そこが改善できれば更に一段上に行けたか。

 ハイ・テンションで過激な攻防を繰り広げて、
 30分越えの激闘を適切に締めくくりました。

 文句なしに好勝負。

Eストロング・オープンウェイト王座戦:トム・ロウラー(ch)vs.フレッド・ロッサ―(STRONG 6/25/22)
 ロッサーは体のバネ、柔らかさは光るものがありますね。
 疲労感の表現も良さげ。
 これを人為的に切り替えれるようになると化けそうです。

 お手本として目指すべきレスラーはムースでしょう。
 そういうレスラーが同時代にいることはありがたいことです。

 まだ粗削りな部分もありますが、
 そこはロウラーがしっかりキャリー。
 こういうリズムにのった攻めを見せる相手に対し、
 時に意図的に相手のリズムを壊してまで
 試合をコントロールするのは勇気がいりますが、しっかり出来ています。

 ネック・ロックでバックステージにまで引きずっていき流血させる展開といい
 自由にプロレスしていて彼は本当にこの王座で魅力が引き出されましたね。

 TV映えするドラマもあり素晴らしい試合でした。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:6/?/22)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@BotSJ決勝:エル・デスペラードvs.高橋ヒロム(優勝!)(6/3/22)
AUS王座戦:SANADA vs.ウィル・オスプレイ(新チャンピオン!)(6/12/22)
BIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ジェイ・ホワイト(新チャンピオン!)(6/12/22)
CAEWオール・アトランティック王座予選準決勝:石井智宏vs.金丸義信(6/20/22)
DAEWオール・アトランティック王座予選決勝:石井智宏vs.クラーク・コーナーズ(6/21/22)
DJr.ヘビー級王座戦:石森太二(ch)vs.高橋ヒロム(6/21/22)
Eストロング・オープンウェイト王座戦:トム・ロウラー(ch)vs.フレッド・ロッサ―(新チャンピオン!)(STRONG 6/25/22)