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新日本プロレス:Best of NJPW April 2022の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/9/22)

ジェイ・ホワイトvs.クリス・セイビン(STRONG 4/9/22)

鈴木みのるvs.石井智宏(4/16/22)

ジョン・モクスリーvs.ウィル・オスプレイ(4/16/22)

KOPW王座戦、30カウント・ピンフォール・マッチ:タイチ(ch)vs.鷹木信悟(4/25/22)

@IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/9/22)
 セイバーのぬるっとした動きとレスリングの型が両立させていますね。

 セイバーがエプロンに引き摺り出してアーム・バー。
 それはみのるのような定番性がありつつ動きはオリジナルです。

 オカダとセイバーが高いレベルでそれぞれのスタイルを見せるので
 NJC優勝者が王座に挑戦するシチュエーションに乗っていますね。

 オカダがマニー・クリップにレインメーカーと得意技を切っていって
 コンスタントに試合を高めていきます。

 それは丁寧である一方で、やや淡白にも見える可能性がありますが、
 セイバーのサブミッションが淡白であることを許しません。

 場外の攻防(20分経過)を混ぜてギア・チェンジ。

 新日に臨ましい間を開けて観客の感慨を取り込み、
  バランス良さを保ちつつも広がりも見せた磐石の王座戦です。

 満足の内容ですが、結果だけはこの試合含めてここまでベスト・イン・ザ・ワールドっぷりを見せても届かないぁ、と溜息ですね。

 文句なしに好勝負。

Aジェイ・ホワイトvs.クリス・セイビン(STRONG 4/9/22)
 セイビンが緩急の為に発露を抑え、
 ジェイも受けで余韻をもたせます。

 細かな打撃で前段の調整をしたり、
 探り合いでありながら精度高く緻密な攻防を実現したりと
 高い次元で試合に取り組むことが出来ている内容。

 Impactの一戦と同じくショーをスティールしました。

 ぎりぎり好勝負。

B鈴木みのるvs.石井智宏(4/16/22)
 アメリカ興行。
 エルボーの打ち合いという単純なものから始まりますが、
 続いてはみのるが絡め手を能動的に誘発させていき、
 それは絶妙な距離感で試合総体と関わっています。

 石井は名勝負製造機として地位が上がっていますが、
 そのきっかけとなったアンダードッグ・ポジションに
 久しぶりに舞い戻って真っすぐ取り組みました。

 再度のエルボーの打ち合いでの表現、
 そこで仕切り直してからの加速度感のコントロールは見事でしたね。

 みのるが石井の領域に完全に入って飛び切りの化学反応を見せました。

 文句なしに好勝負。

Cジョン・モクスリーvs.ウィル・オスプレイ(4/16/22)
 アメリカ興行。

 事前に激しい言葉を交わしたプロモが流れたように
 遺恨は仕込まれており、観客席の中での殴り合いでスタート。
 オスプレイにしては珍しいラフな入りでしたね。

 コークスクリュー・ムーンサルトを決め、
 更に椅子をぶつけてモクスリーを流血させます。

 この甚振っている際の間の開け方にセンスが出ますが、
 流石オスプレイといった出来でしたね。

 システマチックな技配置と受けの足使いによる余韻で
 両者の高い技能が堪能できる内容になっています。

 オスプレイのダイビング・エルボーで場外のテーブル破壊。
 オスプレイも流血して、と激しさは止まるところを知りません。
 NJPWビッグ・マッチらしいテンコ盛りでありながら
 USならではのエッセンスも感じられ、
 貴重なマッチ・アップの特別感を強調していましたね。

 モクスリーがWWEセスのカーブ・ストンプを使ったのも印象的でした。

 点での繋ぎなので、広がりは浅めですが
 壮絶で完成度も高い一戦で、ビッグ・スターならではの重みづけでした。

 文句なしに好勝負。

DKOPW王座戦、30カウント・ピンフォール・マッチ:タイチ(ch)vs.鷹木信悟(4/25/22)
 合計で30カウント取られたら負け、
 逆に一度で3カウント取られても即敗北にならない、という特殊ルール。
 
 根幹となるルールは昨年DDTが生み出したもの。
 日本では一番のライバルとなるサイバーエージェント・グループから
 拝借して来たというのが結構衝撃でしたね。

 勝俣vs.MAOがかなり上手くこのルールを料理していたので、
 相当にハードルが上がってくる訳ですが、
 後者の3カウント以上があり得るという特殊ルールを独自色に活かしていますね。

 序盤の0カウントから6カウントまで
 そのカウント数によって不意を突く効果や
 技自体のダメージ設定を幅広く再構築していました。

 カウントを絶対に取られない安全領域としての場外の見せ方や
 前半のカウント数を抑えた作り方なども上手かったです。

 一方で戦いの論理より作り手の論理が強い内容でもありましたね。

 KOPW王座はともかく、新日と言えばIWGP王座で
 散々カウント2.9で返すニア・フォール合戦至上主義を見せているので、
 その価値観から余りに離れた再構築はノレない所も正直ありました。

 カウント3以上をもう少し丁寧に扱うべきだったと思います。

 個人的には昨年のDDTの方が面白かったですが、
 単なる真似に終わらせず新日が独自色で創造性を見せた、というのは喜ばしいことです。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/22)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ザック・セイバーJr.(4/9/22)
Aジェイ・ホワイトvs.クリス・セイビン(STRONG 4/9/22)
B鈴木みのるvs.石井智宏(4/16/22)
Cジョン・モクスリーvs.ウィル・オスプレイ(4/16/22)
DKOPW王座戦、30カウント・ピンフォール・マッチ:タイチ(ch)vs.鷹木信悟(新チャンピオン!)(4/25/22)