新日本プロレス:Best of NJPW March 2022 part.2の分析
名勝負 | NJC準々決勝:ウィル・オスプレイvs.ザック・セイバーJr.(3/21/22) |
好勝負 | NJC2回戦:高橋ヒロムvs.鈴木みのる(3/13/22) NJC3回戦:オカダ・カズチカvs.タイチ(3/14/22) NJC準々決勝:鷹木信悟vs.高橋ヒロム(3/21/22) |
@NJC2回戦:高橋ヒロムvs.鈴木みのる(3/13/22)
ヒロムの過激派スタイルにみのるがどう応じるかと思ったら
みのるは99%張り手のみで構成。
ヒロムも張り手で応じて、
その打ち合いのコントロールで魅せるという
昨年のブライアンvs.みのるを更にコンセプトとして尖らせた内容。
温める前の冒頭からやるので、最初は少し戸惑いもありましたが、
顔芸も交えながら見事にこなしていますね。
ヒロムは終盤持ち技での構築に転じます。
ここはテンポ・コントロール上必要は必要ですね。
コンセプト的にはもう少し技を絞っても良かったかもしれませんが。
新日では珍しい尖ったコンセプトで
しかも成功しているので普段新日を見ない人にも是非チェックして欲しいですね。
文句なしに好勝負。
ANJC3回戦:オカダ・カズチカvs.タイチ(3/14/22)
小狡くチョークを使う一方でハード・ヒットもやる
格好良いヒールであるタイチの魅力が出ていますね。
一方で短期的なやり取りに焦点があたりがちなところを
オカダが全体構成に目線やって技配置で補正。
両者の強みを上手く組み合わせていますね。
オカダが反撃の芽ををことごとく潰して支配する展開へ。
そのままミドル・カード・レスラーとして押し切られそうなところを
ちゃんと自己主張し着地できるのがいまのタイチ。
技だけが先走ったラッシュではなく気持ちを振り絞る様を付随して
観客の気持ちをちゃんとついていかせます。
最後を気合のノー・セルでまとめたのは個人的にどうかと思うが、素晴らしい試合でした。
ぎりぎり好勝負。
BNJC3回戦:ウィル・オスプレイvs.SANADA(3/17/22)
綺麗なレスリングで、
動き出しには一定のインパクトがあります。
理論にも乗っ取っている。
ただ如何せんフックが弱くて
印象に薄い攻防という欠点が露呈していますね。
それもあって、最後のSANADAのアクシデンタルな負傷に対して
オスプレイがヒールとして格好をつけたアドリブにばかり議論が終始してしまう…。
平均的な良試合。
CNJC準々決勝:鷹木信悟vs.高橋ヒロム(3/21/22)
ヒロムは速攻で脚狙いのカードを切ってきますが、
鷹木はひっくり返して、ゆったりと支配。
攻守のバランス感が素晴らしく、
思うがままに試合を動かし戻していきます。
ヒロムはJr.として下になりすぎず
軽妙な均衡感を保っていますね。
時にラリアットでゴリ押しを試みたりと
ヒロムらしさも出せていて良かったです。
ただ一進一退量は多いものの試合全体の印象は弱めでそこが物足りなさも。
ぎりぎり好勝負。
DNJC準々決勝:ウィル・オスプレイvs.ザック・セイバーJr.(3/21/22)
背後を取られたところを自分の足を反対の足で曲げて切り返す。
そのユーロの印象的な切り返しを途中キャンセルでチェーンにしたり、
まったり見せる摩訶不思議なキャッチの切り返し方をハイ・スピードな演舞に織り込んだりと
彼らに不可能という言葉はない、というかのような妙技を見せます。
トップ・スピードからまったりした展開に移りますが、
メリハリで極を押さえるのは当然にしても
その間のステージもあって多段階の選択肢から選んでいます。
世界一級品の凄技を持つオスプレイがトップ・ロープに乗るも
飛べずに着陸してやむなく崩れながらのエルボーを打つ。
アクシデントではなく意図を持って実際に行う。
座り込んだ状態での蹴り合いという私的な絵も入れ込んで
ありとあらゆる要素を欲張り詰め込み満腹セットになっています。
単なるトーナメントの準々決勝の1試合で
テーマ無しだからこその最上級の一戦。
そのスタンスを貫いた終盤の体勢の入れ変え合いは
その複雑さ、スムーズさが両立され過ぎていて笑ってしまうレベル。
本人も否定するほどのタップ・フィニッシュも最高。
歴史的な名勝負です。
MOTYは似合わない系であるものの
年末になったら多分これをMOTYに選ぶのではないかという気がしています。
(執筆日:3/?/22)
注目試合の詳細
なし試合結果
@NJC2回戦:高橋ヒロムvs.鈴木みのる(3/13/22)ANJC3回戦:オカダ・カズチカvs.タイチ(3/14/22)
BNJC3回戦:ウィル・オスプレイvs.SANADA(3/17/22)
CNJC準々決勝:鷹木信悟vs.高橋ヒロム(3/21/22)
DNJC準々決勝:ウィル・オスプレイvs.ザック・セイバーJr.(3/21/22)