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新日本プロレス:Best of NJPW October 2022の分析


名勝負 IWGPタッグ王座戦:FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(10/1/22)
好勝負 ユナイテッド・エンパイア(ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス、ギデオン・グレイ、グレートOカーン)vs.FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)、ガブリエル・キッド、リッキー・ナイトJr.、海野翔太(10/2/22)

オカダ・カズチカvs.JONAH(10/10/22)

石井智宏vs.辻陽太(10/16/22)

TV王座トーナメント1回戦:石井智宏vs.成田蓮(10/26/22)

@ウィル・オスプレイvs.海野翔太(10/1/22)
 (放送は10/16/22)
 オスプレイがキャラ全開で
 身振り手振りで小馬鹿にしていきます。

 RevProで日本人エースのポジションを得た海野は
 手慣れた動き自分のやることを分かっていますね。
 
 攻防がまだ少し面白みに欠けるのは否めませんが、
 オスプレイがそこは補って
 鋭い攻めで追い込んで引き出していきます。

 ハードで緩急の利いた攻防で魅了。

 終盤も海野がRevProの時よりも能動的に絡んだ結果として
 見応えのある試合になっていますね。
 
 好勝負に少し届かず。

AIWGPタッグ王座戦:FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(10/1/22)
 (放送は10/16/22)
 オーソドックスな攻防に見えて
 韻と細かな変化があり、その持って行き方はスムーズ。
 ハード・ヒット、荒々しさもあり、
 それは相手を見ながら会話する形で行っているアクションです。

 孤立シーンはアメプロ80年代の伝統を守った演出。
 観客の反応を的確に捉えます。
 そこに単なる過激さだけではない
 新たな工夫を織り込んでいきます。
 特にダックスは豊かなプロレスをするなと感心します。

 オージー・オープンのタッグ・ムーブの刻み方も見事です。
 これだけ盛り込んで羅列、物量勝負にならないのは異常です。

 キャッシュが躊躇なしの弾丸トペを放って盛り上がった後、ダックスが流血。
 ダックスは流血してダウン・モードに突入。
 本当に何でもできるな、と感心しきりです。

 デイヴィスも大型レスラーとして魅力を打ち出し、
 タッグの全てがつながる中でキャッシュとデイヴィスの1on1根性のぶつかり合いまで入って来る。

 最高に欲張りな一戦。

 プロレスのタッグの集大成というべき試合が
 FTRvs.ブリスコズに続いてこの1年で生まれるとは。
 MOTYどうしましょう?

 歴史的な名勝負。

Bユナイテッド・エンパイア(ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス、ギデオン・グレイ、グレートOカーン)vs.FTR(キャッシュ・ウィーラー、ダックス・ハーウッド)、ガブリエル・キッド、リッキー・ナイトJr.、海野翔太(10/2/22)
 (放送は10/16/22)
 昨夜素晴らしい試合をしたAOvs.FTRと海野vs.オスプレイ。
 この良さをそのままに、
 Oカーンのサポートに収まり切らないキャラの良さ、
 ガブリエル、RKJのハード・ファイト、ギデオンのヘタレっぷりが加わって
 10人マッチならではのバラエティ豊かな攻防が生まれていますね。

 どの時間帯も全く退屈しない内容で、
 最後も綺麗にまとめあげました。

 ぎりぎり好勝負。

Cオカダ・カズチカvs.JONAH(10/10/22)
 JONAHのパワー、体躯は簡単に圧倒的なインパクトで
 シチュエーションを伝えてきますね。
 
 オカダも受け表現が優れているだけではなく技使いが見事。

 ボディ・スラムをキー・ワードにするのは定番ですが、
 そこ一本槍でまとめるのではなく、
 多方向から、それを混雑させずに攻め行っているのがとんでもないですね。

 それぞれ相手を高め合う関係作りを行って
 重層感たっぷりのビッグ・マッチに仕上げました。

 JONAHの存在感増しているので、
 勝敗が見え見えの中でのリマッチはちょっと勿体なかったですが、満足感の高い一戦。

 文句なしに好勝負。

D石井智宏vs.辻陽太(10/16/22)
 海野に日本人エースを譲りつつ
 クオリティで先にポテンシャルを見せているのは辻。

 恵まれた体躯を活かして石井とぶつかり合い。
 打撃の撃ち合いの優劣は石井に譲りつつも印象に残る技で応戦できています。

 この一進一退量はキャリアを考えると十分量ですね。

 辻がまだ手探りで応対する中で
 石井の調整力が光りましたね。
 押し付けすぎず辻を尊重して試合を進めていました。

 終盤、辻がブレーン・バスターを悉くかわす攻防により、
 これはもしかして辻が勝つこともあるのでは?、という雰囲気になり、
 辻のアピール時にスタンディング・オベーションで応援が送られていましたね。
 これは手応えあったでしょう。

 辻のブレークアウト・マッチです。

 ぎりぎり好勝負。

ETV王座トーナメント・マッチ:SANADA vs.タイチ(10/16/22)
 いきなり腕立て伏せ合戦を始めたかと思いきや不意をついて丸め込み。
 そこから一気に抑え込み合いとなります。
 メインなのですぐに決まらないと分かりつつもスリリングでしたね。

 中盤は停滞させず安定感あるステップ・アップでしたが、
 試合時間が限られていることもあっていつも通りと言えばいつも通り。

 終盤前の両者ダウンも構成上は良いものの
 それだけの攻防をしたかというと否でフィット感やや足りず。

 終盤はタイチが攻守疲労感が一致した動きで移入感高めました。
 サナダも充てられて綺麗だけではない気持ちのこもったムーブで応戦。
 終盤は思った以上に良い形で右肩上がりとなりました。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

FTV王座トーナメント1回戦:石井智宏vs.成田蓮(10/26/22)
 柴田フォロワーである成田。
 当たりや体の制動はまだ覚束ない所もありますが、
 柴田vs.石井を彷彿とさせる攻め合い、気持ちのぶつけ合いが出来ており大成功。
 
 石井が喉元へのチョップを何発も叩きこみ、
 えげつない試練を与えますが、
 前哨戦で石井をスリーパーで落としているストーリーの後押しも受けて、
 攻めでも意味あるスポットを幾つも生み出していきました。

 残り時間との戦いも良い方向に作用し、
 素晴らしい感情の発露と共にまさかのフィニッシュ。

 石井は誰とでも好勝負を生むとはいえ、
 これは成田のブレイクを確信させる内容でしたね。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:10/?/22)