新日本プロレス:Best of NJPW May 2021の分析
名勝負 | IWGP世界ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.鷹木信悟(5/4/21) |
好勝負 | NEVER無差別級王座戦:棚橋弘至(ch)vs.ジェイ・ホワイト(5/3/21) STRONG無差別級王座戦:トム・ロウラー(ch)vs.クリス・ディキンソン(STRONG 5/28/21) |
@NEVER無差別級王座戦:棚橋弘至(ch)vs.ジェイ・ホワイト(5/3/21)
形を作りつつ、アピール要素を入れて立ち上げた後、ジェイが脚攻め。
いつもの緻密なものではなく、
相手との緊密性は少し弱いか。
棚橋のお返しの脚攻めも定評があるので間違えはありませんが物足りず。
とはいってもそれは序盤で抑えめにしていたから。
中盤になるとジェイの足攻めの見せ方深くなり、
いくつか選択肢混ぜてそこから複合的に多角的に行っていきます。
棚橋もドラスクを解禁し、
一つのテーマをきちんと向かい合い続けます。
脚の痛みの表現を攻め時に出来ていない点は物足りないものの
間を開けての静のシーンの絵作りは素晴らしかった。
攻防を繋げず切ってもストーリーは続いているのは高等テク。
それがベスト・クオリティかというのは別の議論になりますが、
オンリー・ワンの内容で期待に応えてくれましたね。
ぎりぎり好勝負。
問題は試合後の実況者ライガーの発言ぐらいか。
ジェイに噛み付くだけにしておけば良いのに
ファンが拍手を送って卑怯なジェイを支持している、と的外れな糾弾。
再開一発目の興行でもあるましし、コロナの今の状況に対する想像力の欠如は信じられない。
AIWGP世界ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.鷹木信悟(5/4/21)
軽快だがシンプルな攻防。ヘビー級を意識でしょうか。
一方でショルダー・スルーひとつとっても高度のある受け身ですし、
試合運びも極めて精緻で、この2人ならでは、と感じさせます。
鷹木の観客を引き込む仕草は素晴らしく、
腕攻めを誘引して展開に深みを増します。
オスプレイは悪くない働きですが、
鷹木に比べると物足りずもっと個性を織り交ぜたいですね。
後半になるとそれが改善され、
オスプレイのふてぶてしさ、らしさを出してきます。
そうするともう敵なし。
ダメージ表現含めて豊かさのある中で最上のアクション。
メイド・イン・ジャパンでテーブル葬など
四天王プロレス的過激な受けあいが行われ、
ラリアットを一回転することでかわす等
予想もつかない切り返し合いもあります。
それら単発でなく、そこに至る過程も素晴らしかった。
気迫と共に試合のクオリティも右肩上がりの急伸。
前半はそれ単体で見ると名勝負のそれかというと疑問ですが、
いつぞやのオメガvs.オカダみたいに足を引っ張っている程ではありません。
そしてクライマックスは5スターを超えるレベルのものですから
オメガvs.オカダより少し評価を上げて、文句なしに名勝負。
BSTRONG無差別級王座戦:トム・ロウラー(ch)vs.クリス・ディキンソン(STRONG 5/28/21)
新日の求めているものをしっかり提供。
見応えのあるグラウンドに緊張感ある打撃の牽制。
UWF的な感じで導入を作ってくれ、といえば
通じるのだから共通言語として偉大だな、と思う次第。
そしてそれをしっかり実行できるからこそこの2人は抜擢されている。
一進一退を意識して流さずに一つ一つの試合運び。
それぞれ絶妙の塩梅で脚狙いを積み重ね伏線を回収。
エネルギーを感じる攻め合いで最後まで見応えがあり、
STRONGで一つこういう試合が生まれたことは喜ばしいことですね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:5/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@NEVER無差別級王座戦:棚橋弘至(ch)vs.ジェイ・ホワイト(新チャンピオン!)(5/3/21)AIWGP世界ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.鷹木信悟(5/4/21)
BSTRONG無差別級王座戦:トム・ロウラー(ch)vs.クリス・ディキンソン(STRONG 5/28/21)