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新日本プロレス:Best of NJPW November 2021の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGP世界ヘビー級王座#1コンテンダーズ・マッチ:オカダ・カズチカvs.タマ・トンガ(11/6/21)

IWGP世界ヘビー級王座戦:鷹木信悟(ch)vs.ザック・セイバーJr.(11/6/21)

BotSJ公式戦:エル・ファンタスモvs.ロビー・イーグルス(11/21/21)

BotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.エル・デスペラード(11/21/21)

WTL公式戦:グレートOカーン、アーロン・ヘナーレvs.SANADA、内藤哲也(11/30/21)

@IWGP世界ヘビー級王座#1コンテンダーズ・マッチ:オカダ・カズチカvs.タマ・トンガ(11/6/21)
 100%勝敗が分かっている中で、トンガが予想を超えるパフォーマンスで目を引きましたね。

 ガイジンとしての伸びやかな動きでハイ・テンポ。
  
 トンガの打数を稼がせつつ、
 上手く攻防の釣り合いを取るオカダも上手いですね。

 オカダが主導権を取り返して花道に連れていくと
 トンガが切り返してトンガン・ツイスト。
 技のインパクトで一気に惹きこんで、そのまま後半戦。

 試合を意図的に演出で長引かせている訳ですが、
 その期待に応えて全く冗長に思わせない攻防。
 トンガのキャリア・ベストの試合でしょう。

 ぎりぎり好勝負。

AIWGP世界ヘビー級王座戦:鷹木信悟(ch)vs.ザック・セイバーJr.(11/6/21)
 鷹木は動きを抑えリング中央に陣取って
 セイバーの自由自在な動きと空間的に絶妙な融合を見せます。

 G1で負けたことを踏まえつつも
 王者としての気構えを見せました。

 一つ一つ的確に試合を進め、
 一進一退は0-100ではなく小気味良い調整を利かせました。

 捕らわれながらも力技ではねのける攻防を増やして、
 攻防のラインを一層近づけて精度高めていきます。

 G1と違って突然のフィニッシュは出来ない中で
 王座戦のフォーマットで終盤も仕上げました。
 鷹木のいつものパワフルなジャンプ的激戦要素がほんの少し足りなくて、
 G1に比べるとやや落ちるかな、という印象ですが、トップクラスの王座戦に違いありません。

 文句なしに好勝負。

Bウィル・オスプレイvs.成田蓮(11/13/21)
 US興行より。

 成田が不意打ちを仕掛けプランチャ。
 前のめりで攻撃性を表現します。

 オスプレイ同じ領域で合わせ、
 挑発っぷりもお見事で観客を煽ります。

 成田の見せ場に融通を利かせて
 終盤もハーフ・ボストンをキーに多段階構成。

 成田の上限をベースに試合は制約を受けているものの
 その中でトップを目指すオスプレイの技量が光りました。

 中々良い試合。

CNEVER無差別級王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.石井智宏(11/13/21)
 ジェイは天敵石井をアメリカで迎え撃つ形。

 ジェイは観客を見るウェイトが増えて
 絶妙なバランス感が少し崩れていますね。
 コロナにより勘が鈍ったか
 それともアリメカだからか。

 石井もいつもより細かく攻防を混ぜ込まないですね。

 もっとコミュニケーションあって面白くなるはず。
 存在を否定してはいないか自己完結しすぎていて
 ジェイの上手いけど退屈な試合のパターンに陥っている感があります。

 しかし時間が経つにつれ徐々に改善されて
 このカードの良さが出てきて、
 そこからを楽しむに十分な試合時間も用意されています。

 好勝負に届かずも中々良い試合。。

DBotSJ公式戦:エル・ファンタスモvs.ロビー・イーグルス(11/21/21)
 ファンタスモは受け入れられている中でキャラもノリノリ。

 ロビーもまた短期間ながらベルトを巻いたことで
 程よく力抜けて伸び伸びとファンタスモと応対できています。

 それぞれが盛り込みあっても流れが阻害されず
 同じステージで試合を高め合っています。

 ロビーの足狙い、この混ぜ方が素晴らしく、
 親和性120%で攻防を重ねていきましたね。

 ファンタスモのドライバーにロビーが恐ろしい受け身。
 そこからのクライマックスの見せ方も見応えがあり、心地よいアンサンブルでした。

 ぎりぎり好勝負。

EBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.エル・デスペラード(11/21/21)
 始まるなり荒々しくエルボー合戦。
 一発で仕留めてやるという気迫で序盤からひりついた空気感が生まれています。

 これまでとは違うベクトルからの切り口で目を引きましたね。

 デスペラードがドラスクからの脚攻め。
 ニーを打ち込んでハーフ・ボストンを決めたりと荒々しさを失いません。
 上手くヒロムとの攻防に活かしていましたね。

 ただこの脚攻めを受けて、勝敗から一度遠のいて、
 最初の雰囲気感から離れてしまうと
 いつものハード・モード、過激技合戦に落ち着いてしまいました。

 2人の良さが出た攻防と言えるものの
 BotSJの決勝みたいに特別性を活かし損ねた印象が残ってしまいました。

 ぎりぎり好勝負。

FBotSJ公式戦:石森太二vs.高橋ヒロム(11/27/21)
 石森が徹底的に腕狙い。
 あらゆる角度から腕攻めを絡めて
 これを試合全体を通して貫いたコンセプト・マッチになっています。

 ヒロムの動きを止めながら攻防を重ね、上質な内容になっていますが、
 ここまで偏った攻め比率にするならば、
 ヒロムが力尽きてしまうかも、と思わせる
 ハラハラ感をもう少し演出したかった。

 好勝負に少し届かず。

GBotSJ公式戦:エル・デスペラードvs.金丸義信(11/29/21)
 金丸が勝利を譲るといって場外で場外カウントを数えさせます。
 デスペがそんなことはするな、と説得しにかかる所をはめて金丸がリングアウト勝利を狙います。

 その後も執拗なヘッド・ロックに続け、
 金丸のスタイルを特化、スケール・アップさせて
 コンセプト・マッチに仕上げています。

 デスペは正統さを自分の立ち位置にしつつも
 自分も手段を選ばない引きだしもあるので、
 単なるフェイスには出来ない金丸の活かし方をしていましたね。

 好勝負に少し届かず。

HWTL公式戦:グレートOカーン、アーロン・ヘナーレvs.SANADA、内藤哲也(11/30/21)
 試合前にオーカーンと内藤が両手を後ろに組んで睨み合い。
 これが様になる程今年OカーンはG1を皮切りに期待感を上げてきましたね。

 内藤はオーカーンに対しておちょくりますが、
 オーカーンはヒールとしてやられつつも
 攻め手に転じた際の主張が強くなり昨年とは違う存在感を見せます。
 内藤とのシングルが純粋に見て見たくなりましたね。

 ヘナーレも鋭いリアルな動きが効果的です。
 適切なポジションに限定して上手く活かしていました。

 SANADA、内藤は鉄板のタッグ・ワーク。
 スムーズな連携が相手チームの良い動きにもつながり
 良い正のスパイラルを描きました。

 ぎりぎり好勝負。

(執筆日:10/?/21)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@IWGP世界ヘビー級王座#1コンテンダーズ・マッチ:オカダ・カズチカvs.タマ・トンガ(11/6/21)
AIWGP世界ヘビー級王座戦:鷹木信悟(ch)vs.ザック・セイバーJr.(11/6/21)
Bウィル・オスプレイvs.成田蓮(11/13/21)
CNEVER無差別級王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.石井智宏(新チャンピオン!)(11/13/21)
DBotSJ公式戦:エル・ファンタスモvs.ロビー・イーグルス(11/21/21)
EBotSJ公式戦:高橋ヒロムvs.エル・デスペラード(30分時間切れ)(11/21/21)
FBotSJ公式戦:石森太二vs.高橋ヒロム(11/27/21)
GBotSJ公式戦:エル・デスペラードvs.金丸義信(11/29/21)
HWTL公式戦:グレートOカーン、アーロン・ヘナーレvs.SANADA、内藤哲也(11/30/21)