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新日本プロレス:Wrestle Kingdom 14 1/4/20の分析


名勝負 Jr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム

IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.飯伏幸太
好勝負 なし

@タイガー・マスク、ザ・グレート・サスケ、藤波辰爾、獣神サンダー・ライガーvs.田口隆祐、高岩竜一、大谷晋二郎、佐野直喜
ABUSHI、鷹木信悟、EVIL、SANADA vs.エル・デスペラード、タイチ、鈴木みのる、ザック・セイバーJr.
BYOSHI-HASHI、矢野通、石井智宏、後藤洋央紀vs.チェイス・オーウェンズ、高橋裕二郎、バッドラック・ファレ、KENTA
Cタッグ王座戦:タンガ・ロア、タマ・トンガ(ch)vs.デヴィッド・フィンレー、ジュース・ロビンソン

DUS王座戦、テキサス・デス・マッチ:ランス・アーチャー(ch)vs.ジョン・モクスリー
 モクスリーの奇襲にアーチャーがクロス・ボディで反撃。
 スタッフをエプロンからチョーク・スラムでぶつけたり
 ハードコア・ブロウルの中でも
 際立つアーチャーの工夫を凝らしたスポットが光りますね。

 アイアン・クローやアーム・バーでの決着もありえることも伝えることができている。

 一方でモクスリーのスムーズさに比べて
 アーチャーの試合運びは序破急足りず、
 G1でブレイクの兆しもあったものの
 今尚アーチャーの後一歩の成長がないと
 ブレイクできない印象は残っている。

 テーブルへのダブル・アームDDTは
 流血もあり納得感がありましたが、
 ダメージ表現の調節がこの形式の肝。
 その点では少し物足りなかったか。

 中々良い試合。

EJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム
 
 ヒロムは演舞のトップ・スピードが速くなく、
 スポット後の処置も至らなかったので、
 まだ復帰後まもなくコンディションが整っていないかと序盤は思っていましたが、
 中盤では良質な試合運びを見せ、カリスマティックな余韻を感じさせます。

 オスプレイはベスト・イン・ザ・ワールドですが、
 サスケ・スペシャル絡みの一進一退のムーブは凄かったですね。

 ここで負傷してしまいますが、
 これまた凄いのは負傷したら負荷を軽減する為に
 規定の目標に到達する為の道筋を即座に引き直し、
 テンポ・チェンジをしたことですね。

 カバー返された勢いで丸めて位置を調整しSSP等
 オスプレイの即席の細かな調整も見事。

 そしてヒロムも遅くなく、その意を汲み取っている。 

 オスプレイが凄すぎてヒロムが少し霞むかと思いきや、
 ニア・フォールの作り方はお見事で壮絶感が凄い。

 序盤はロー・スタートながら評価は右肩上がりで
 特にクライマックスの伸びは他に真似できないレベルでした。

 文句なしに名勝負。

FIC王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.内藤哲也

 外道が掴みかかって心理戦。
 内藤の反撃も外道の介入で封じ脚へ椅子攻撃。

 フェイス/ヒールの正攻法の盛り上げ方ですが、
 切り替え/演出をブックに依存していることが
 少し評価の分かれるところですね。

 後半は細かなテクを織り交ぜながら
 内藤が腕を掴んでのエルボー連打など
 表現の可能性の豊かさは見せていますが、
 まだまだ点でもっと線に出来た印象がある。

 内藤は脚が思うように動かないシチュエーションの中、
 以前よりも豊かに展開を作り上げていますね。
 "逆転"を前面に押し出すだけありますね。

 ジェイも内藤の方向に合わせて
 両ベクトルの合致具合は見事です。

 ただ長ったらしい印象、
 また外道か、と思ってしまう演出もある。

 内容はストーリー・マッチなのに
 翌日のダブル・タイトル戦に繋がる位置付けということで
 しつこい程のニア・フォールが演出されており、
 二兎を追うものを一兎をも得ず感が残る。

 好勝負に少し届かず。

GIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.飯伏幸太
 演舞でかわすかと思いきやSムーンサルトをオカダが受け。
 序盤の軽い技を利用して
 試合の重み付けにオカダが動きます。
 ただそれだけだとスローな印象も与え得るので、
 柵攻撃といった見合うハードさも付け加えて調整。

 感情の表出もかなり早い段階で見せ、
 じっくり溜めるシーンに織り込んでいきます。
 両極端な要素を上手くバランスを取って成立させていましたね。

 絶妙に離れた位置で韻を踏みながら
 リズムにのせて技を消費していきます。
 一方で代表的な得意技はここぞに絞って
 ベストな位置にあてこんできますね。

 今後次第で評価の振れ幅がかなり大きい前半20分。

 後半は飯伏の確変から。
 表情や見せ方を排することで
 不穏な雰囲気間を纏います。

 オカダもツームストンに行く際に
 敢えて片手で持ち上げているように見せたりと
 技のかけ方を変えることで上位互換を作っていきます。

 両者違う方法論によりそれまでと違う激戦を実現させました。

 30分経過。
 ここでシンプルな打撃戦、
 観客の歓声を乗せる形にシフト。
 また新しい光景を見せます。

 35分経過。
 オカダの鉄板のテンポ・コントロールと
 飯伏の一滴入魂のムーブにより
 この時間帯になっても最高潮のクオリティ。
 この試合ならではの演出があるのも嬉しいし、
 またそれだけの価値がある内容でした。

 文句なしに名勝負。


Rating:★★★★★
(執筆日:1/?/20)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@タイガー・マスク、ザ・グレート・サスケ、藤波辰爾、獣神サンダー・ライガーvs.田口隆祐、高岩竜一、大谷晋二郎、佐野直喜
ABUSHI、鷹木信悟、EVIL、SANADA vs.エル・デスペラード、タイチ、鈴木みのる、ザック・セイバーJr.
BYOSHI-HASHI、矢野通、石井智宏、後藤洋央紀vs.チェイス・オーウェンズ、高橋裕二郎、バッドラック・ファレ、KENTA
Cタッグ王座戦:タンガ・ロア、タマ・トンガ(ch)vs.デヴィッド・フィンレー、ジュース・ロビンソン(新チャンピオン!)
DUS王座戦、テキサス・デス・マッチ:ランス・アーチャー(ch)vs.ジョン・モクスリー(新チャンピオン!)
EJr.ヘビー級王座戦:ウィル・オスプレイ(ch)vs.高橋ヒロム(新チャンピオン!)
FIC王座戦:ジェイ・ホワイト(ch)vs.内藤哲也(新チャンピオン!)
GIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.飯伏幸太